'93 GW_ツアー「伊豆は今日も雨だった」

by 浦野(投稿日:22 Sep 1993)


日程:1993/4/29(木)〜5/2(日)
参加:ドン、浦野、中村
コース概要:修善寺−湯ケ島−弓が浜−祢宜畑温泉−修善寺

1日目:4/29(木) 修善寺−湯ケ島  雨
 今日から3泊4日の伊豆ツアーの始まりだ。今回のツアーはドンちゃんが企画しただけあってなかなかのハードなコースになっている。メンバーはドンちゃん、中村、浦野の3人。中村は自転車で走るのは数年ぶりということなので、どこまで予定を消化できるかちょっと不安が残る。でも急ぐ旅ではないし何とかなるだろう。今日の予定は熱海から走り始めて山伏峠→中伊豆→国士峠→天城湯が島までである。
 朝、自宅から駅に向かう頃からいまにも降り出しそうな天気だったのだが、はたして新宿でドンちゃんと落ち合う頃には雨になってしまった。初日から嫌な予感のする天気だ。列車に乗っている間に止んでくれれば、という願いも空しく熱海に着く頃には本格的な雨になっていた。ここで中村と合流。中村は既に自転車(プジョーのレーサー)を組み終え、走る気満々だ。しかし天気が良くないのでとにかく朝食を食べながら様子を見ることにした。朝食を終えても雨はますます強くなるようで止む気配はない。この雨の中を走る気にはとてもなれず、三島まで輪行することに決定。中村はせっかく組んだ自転車をまたバラすことになってしまった。ご苦労様。
 三島まで行っても天気が回復する気配がなかったのでさらに伊豆箱根鉄道で修善寺まで行くことにした。このへんからもう今日はどうでもいいや、となげやりな気分になってくる。修善寺ではさらに雨が激しくなり、完全に戦意喪失。修善寺名物「わさびアイスクリーム」を食べながら駅で待つこと約1時間。それでも雨は止まない。おまけに「わさびアイスクリーム」のまずいことまずいこと。ますます気分が滅入ってしまった。仕方ないので今日の宿の天城湯が島までバス輪行することにした。湯が島に着き民家の前で自転車を組み立てる頃になってようやく雨が小降りになってきた。せめて湯が島の回りだけでも走ろうか、という意見がドンちゃんから出たが後の2人により却下され、宿に直行することにした。
 本日の走行距離 1.6 km


2日目:4/30(金) 湯ケ島−大鍋峠−婆娑羅峠−弓が浜  曇り
 朝方、霧雨の残る天気であったが、徐々に回復する見込であるとのことで少し安心する。今日のコースには天城、大鍋、婆娑羅と3つの峠が含まれており、いかにもドンちゃんらしいコース設定である。宿を出てすぐに天城峠への登りが始まる。このコースは2年前の冬の伊豆ランで走ったところであり、大体の様子はわかっている。勾配自体は大したことはなく比較的登りやすい峠だ。トンネルの手前から旧道に入り、途中の天城路の石碑の前で記念撮影。どうせ撮るならということで、それぞれサイクリング好きの好青年という設定でお見合い用の写真(?)にする。そういえば2年前にも同じような写真を撮ったっけ。旧道を抜け少し下ると間もなく八丁池への分岐に到着。予定では八丁池に寄るつもりだったのだが標識には池まで徒歩2時間とある。自転車で往復するにしても1時間以上はかかりそうだ。今日のこの先のコースや天気が芳しくないことを考えて八丁池はパスすることにした。我ながら軟弱である。さらに下ると今回のツアーのお楽しみの1つ、七滝ループ橋が見えてきた。慎重にスピードコントロールしながらループ橋を抜け一気に下る。ループ橋から先は直線の下りになり、ついオーバースピードになりがちだ。瞬間的に60km/h以上は出ていた。大分下ってから見あげるとはるか上方にループ橋が見える。やはりこの道は下ってくるに限ると改めて思った。
 湯が野から大鍋峠に抜ける分岐はちょっと分かりづらいが2年前にも通ったところなので迷うことはなかった。大鍋林道は途中からかなり荒れた地道となり、ランドナーでも走りづらいほどだ。レーサーの2人はさぞ大変だったことだろう。峠の頂上で、宿で用意してもらったおにぎりで昼食にするが、寒くて寒くてとてもゆっくり休む気になれない。おまけに霧雨も降っていて地面も濡れているので腰を降ろすのもままならず、立ったまま急いでおにぎりを頬張り早々に下ることにした。大沢まで下り婆娑羅峠に向かう。この峠も以前通ったことがあるので大体の様子は分かっている。全舗装だし最高地点でも270mなので楽勝だ。そのまま一気に下田まで走る。下田駅前で今度は中村が持ってきたパノラマのレンズ付フィルムで写真を撮った(しかしこの時の写真、後で見たら悉く中村の指が写っていた。アマチュワ〜)。
 今日の宿は弓が浜の民宿なので下田からはまだ10数キロ先だ。国道はとても走る気になれないので海岸よりの道を選んだ。途中迷いそうになりながらも道自体は静かで車も少なくノンビリ走れた。16:40 宿に到着。夕食はさすがに伊豆という感じで海の幸のオンパレード。大満足の夕食となった。
 本日の走行距離 77 km


3日目:5/1(土) 弓が浜−石廊崎−蛇石峠−松崎−諸坪峠−祢宜畑温泉  曇りだったかな(?)
 朝9時に宿を出発してまずは石廊崎まで。石廊崎の灯台は漁港から数十m登ったところにある。そこまではかなり急な歩道が付いているが、階段ではないので自転車で行こうと思えば行けないことはない。どうしようか迷っていると駐車場のおじさんに「ええ若いもんは自転車でいかにゃー。」とハッパをかけられ、本当はもうあまり若くないのだがついその気になってしまった。しかしこの歩道がとんでもない急勾配ですぐに後悔することになる。それでもなんとか上まで自転車で行き、灯台へ。灯台は太平洋にせりだした岬の上に建っており、風も強烈。そのせいか波も荒く、波が砕ける様は力充分であった。ここでも中村のカメラで記念撮影。さきほど苦労して登った歩道を歩行者に気を付けながらゆっくり下る。
 136 号線に戻ったところで今後のコースを検討。ドンちゃんは136 号線沿いのマーガレットラインに未練があるようだったが交通量のことを考慮して蛇石峠経由で松崎町に向かうことにする。一色から国道を離れて農村の中の静かな道をノンビリ蛇石峠へ。この峠も全舗装で大したことはない。というより余り印象に残っていない、といったほうが正しい。ちょうど昼頃松崎町に到着、ラーメン屋でお昼を済ませる。
 今日の宿の祢宜畑温泉まではここから2通りのコースが考えられる。1つは海岸沿いに数km走り、祢宜畑温泉まで直行するコース。もう1つは諸坪峠を越えていくコースだ。今日は松崎まで比較的順調に来られたし、まだ昼過ぎなので諸坪峠経由で行くことにした。このコースにしても暗くなる前には宿に着けるだろう、と考えていたのだがこれが甘かった。大沢まで川沿いに走り、ここから大鍋峠方面へ向かう。大沢から池代までは昨日のコースを逆行することになり、今回のツアーで唯一重複する部分である。池代を左折し長九郎林道へはいる。この林道がなかなか手強かった。走りにくいというほどではないのだがとにかく長い。行けども行けども頂上に着かない。まわりに店や自動販売機などありそうな気配は全くないし、徐々に薄暗くなってくるし、こりゃーまずいかなー、と思いながらもとにかく前へ進しかない。途中上りが一区切りついたところでT字路になっており、ここが諸坪峠か、とホッとしたのもつかの間、標識もなく地図で確認してもよく分からない。結局まだ峠ではないらしい、ということになりさらに先へ急ぐことになった。かなり薄暗くなってきた17:50 頃ようやく諸坪峠到着。池代を出発したのが14:25 だったので途中の小休止も含めて3時間半近くかかったことになる。何とも大変な林道であった。昨夜のつまみの残りの柿ピーをボソボソ頬張りながら小休止。3人ともかなり疲れている。
 ちょっと元気が出たところで一気に下ってしまおう、と自転車を起こしかけた時中村の自転車がパンクしていることに気がつきさらに10分ほど休憩。直ったところですぐ下り始めた。しかしこの下りがまたとんでもない道で大きな石がゴロゴロ転がっている。ランドナーをもってしても下りを楽しむどころではなく、レーサーの2人はさぞ大変だろうな、パンクしなければいいが、と心配しつつ慎重に下る。下っている途中でとうとう日が完全に暮れてしまい、ライトなしでは路面さえ見えない状態だ。ドンちゃんは今回ライトを用意していなかったらしくほとんど路面が見えない状態で下っていたのではないかと思う。それでもどうやらパンクもせずに舗装路のところまで下りて来た。ここまで来れば宿まではもう一息だ、と最後の力を振り絞って頑張る。結局宿に着いたのは19:20 だった。イヤー、マイッタ、マイッタ。
 本日の走行距離 82 km


4日目:5/2(日) 祢宜畑温泉−仁科峠−修善寺  雨
 朝起きて空を見上げると相変わらずどんよりと曇っている。今日一日もってくれればいいが、という願いも空しく走り始めると同時に小雨がパラつきだした。仁科峠までは全舗装でダラダラと長いことを除けば走りやすい道だが、雨の方は段々本降りになってきた。走っている間は体も温まってよいのだが休憩するととたんに冷えてしまう。峠に着いた頃にはもう全身ズブ濡れ。峠付近には高原牧場などもあり、天気さえよければ景色もよさそうなところだがいかんせんこの雨ではしかたない。当初の予定では賀茂村方面に下って沼津まで走るつもりだったのだが、これ以上この雨の中を走るのはかなわんということで意見が一致、天城湯が島方面に下ることにした。
 峠の下りは雨さえ降っていなければ楽しそうな下りだったがとにかく雨と霧で視界が効かない。ブレーキも思うように効かず、途中1、2回スピードコントロールがうまくいかなくてヒヤッとさせられる場面もあった。下り終ったところで後続の2人を待つがなかなか来ない。天気がよければ昼寝でもしながら待つのだがこの雨ではそうもいかず、震えながら待つこと約30分。それでも2人は下りてこないので「これは事故でもあったかな」、とさきほど下りてきた道を引き返す。数km走ったあたりでようやく2人が下りてきた。聞けば下る途中で中村がパンクしたとか。修理の時タイヤの裏側を確認しなかったためガラスの破片に気付かず替えチューブもだめにしてしまいそのために時間がかかったらしい。アマチュワ〜。でも事故でなくて良かった良かった。雨の中パンク修理に付き合ったドンちゃん、ご苦労さまでした。
 少しでも早く輪行してしまいたかったのだがビショビショのままでのバス輪行は感心しないので修善寺まで10数km走ることにした。2時頃修善寺駅に到着して今回のツアーの打ち上げとする。雨は合い変わらず降り続いていた。
 本日の走行距離 47 km


***感想***
 とにかく天気に恵まれないツアーでした。雨の中をこんなに走ったのは学生時代以来のことです。ドンちゃんは企画から宿の手配まですべてやってくれ、中村もブランクが長かった割には頑張って走ってくれました。なにはともあれ無事に走れてよかったと思います。