'93 GWの台湾ラン

by DAZ(投稿日:4 Jun 1993)


日程:1993/5/1(土)〜5/6(木)
参加:DAZ
コース概要:豊原(台中の近く)−大萬嶺−太魯閣(=東西横貫公路)、
 太魯閣−和平(=蘇花公路(一部))

 前から外国を自転車で走ってみたいと思ってたのですが、今回それが実現しました。この季節暑すぎず寒すぎず、日程の都合上近場で、サイクリングコースとしての魅力を持ったところとして、台湾を選びました。台湾では盗難などに対して比較的神経質にならずに旅ができ、人々は親切で日本語が少し通じるし、3000m級の山々は緑が豊富で海もきれい、と中々ナイス選択でした。


1日目:5月1日(土) 東京=(ヒコーキ)=台北
 18:05発の便に乗るというのに11時に寮を出発、空港で手続きをすませたあとは時間を持て余してしまった。自転車が壊れないように袋の要所に服などを詰めて、かつ20kg以下にするため前夜はちょっと苦労した。3時間で台北に着くと、気温は28℃。荷物チェックは全くなしで無事入国すると、朱さん夫妻・連さん(会社の知合い)が手を振って迎えてくれホッとする。
 ファーストフードの店で明日からのコースを話した。彼らはコース案を作って距離や道路状況を調べておいてくれ、宿まで取ったと言うのだが、私はもうコースはできていたし泊まる町も行き当たりばったりにしたいので、親切は有難かったが辞退した。彼らは心配して、毎日電話を入れるようにというので承知した。
 夜12時頃になって、車で連さん宅へ行き泊めてもらった。街の看板が全部漢文なのがおもしろい。


2日目:5月2日(日) 台北=(火車)=豊原=(バス)=東勢−谷関温泉
 早朝タクシーで板橋駅まで行き、ここから2時間輪行。人々に確かめながら火車に乗る。日本のような田舎道だが緑が豊富だと思った。豊原のバスターミナルで係員に質問したら日本語で親切に教えてくれた。東勢まで30分、商店街のどまん中で降ろされてしまった。仕方ないのでまだシャッターを閉めている店の前で自転車を組みたて、眺めていた人達に道をききいよいよ走り出す。昼飯にチャーハンを食べようとしたが通じず、品書の字を指してコレ!というと、「アー、チャオファン!」だって。
 谷関を2時に過ぎてから山道になり、20km先の山荘を目指すが、途中で会った人々はそんなものはない、とどうも言っているようなので、雨の中を1時間登ったけど谷関まで戻る。ここの渓流でとれる魚料理などで満腹&温泉。


3日目:5月3日(月) 谷関−梨山
 7時に開いている食堂を見つけ、ナントカ麺を食べ水を買って峠を登り始める。横貫公路起点の谷関を過ぎると全くの山道で、右側通行以外日本と変わらない。昨夜からの雨の中、一軒だけあった店で饅頭を食べた以外ほとんど休まず梨山(標高1800m)まで走る。
 ここはまたちょっとした町で、果物がいろいろあった。食堂のおばさんが日本語上手で、話し込んでるうち寒い梨山の地元料理、焼酒鶏をごちそうしてくれた。肉としょうがと野菜を鍋に入れ酒で煮る。わいた所で酒に火をつけアルコールがなくなるまで燃えてできあがり。しょうががキツイが、全部平らげ体が温まった。いつか息子が日本に行ったらよろしくとそのおばさんは言い、代金は受け取らなかった。


4日目:5月4日(火) 梨山−大萬嶺−天祥
 今日も雨だが、峠まで30kmの道のりを走り出す。まもなく下り坂となり谷を一つ渡るまでずっと下り。梨山から先は林業、果物農家がポツポツとあるだけで人が少ないのだが、犬は多かった。なわばりを出るまでずっと吠えながら追ってきていまにも噛みつきそうである。カーブを曲がって犬が見えると憂鬱になるのだが、とにかくギヤを重くし、そのうち目が合って走ってくると、うわーっと叫んでダッシュするのを5〜10分に1回くらいでやっていると意外に早く峠に着いた。やったぜとガッツポーズである。
 隧道を抜けると茶店があって車できた人なんかもいて雰囲気が変わる。実はここから合歓山スキー場へ3000mを越える道路が急勾配で続いているのだが、大萬嶺の峠(2565m)でもう下ることにする。峠は雲天であったが東側の山並はまあ見渡せた。もう登らなくていいんだ、と思いきや少し下ってから関原までキツイ登りである。ここの隧道を抜けると白人サイクリストに会った。眺めも良くなり昼飯にした。
 さて、今度こそ2000m超級のダウンヒル本番である。曇りでも谷の深さ、緑の強さに驚きながらの楽しい下りで、今回初の青空と海ものぞいてもう最高の気分。天祥まで延々下り。
 青年活動中心の相部屋は800円である(結局1人しかいなかった)。夕飯食べて宿にもどると、たまたま農村の交流会(?)が今日からあるようで、一晩めはカラオケ大会であった。私もはじっこに座って眺めていたが、言葉が話せたらと、残念だった。


5日目:5月5日(水) 天祥−大魯閣−和平=台北
 大魯閣渓谷は、とても良くて写真を撮りまくり。下りだけど今日の見所なのでゆっくり行く。大魯閣は東西公路の終点であり満足のガッツポーズ。次の蘇花公路は断崖絶壁恐怖の道路のはずだったが、急速に新道ができつつあり旧道は通行禁止が多く残念だった。
 昼前に和平駅にゴールインし、台北まで3時間の輪行。台北で荏原開立(連さんの勤め先)をたずねるが短パン姿が場違いに思えて、台北用の服を着てからエレベータへ。チャリをスクータに載せて運び。晩飯をごちそうになり、夜はまた泊めてもらった。


6日目:5月6日(木) 台北=(ヒコーキ)=東京
 連さんは半日休暇をとって空港まで車で送ってくれた。今日が一番晴れている。空港で、走った道の絵ハガキを見たら、こんなきれいだったのか?と驚いてしまった。みやげなどは全然ないけど、初の海外サイクリングは満足できる内容で良かった。
 夏に計画していた第2弾はやめてしまったのですが、次は冬に計画中です。これも是非実現したい。