GWラン at 南紀

by コメイモ(投稿日:24 May 1997)

日程:1997/4/26(土)〜4/29(火)
参加:篠原夫妻
コース概要:=白浜→白浜温泉→江住→宇久井→熊野市=
Map, CLick to Popup  コメイモとしのっちのノンビリ旅。


1日目:4/26(土) 東京=白浜
 朝、前日からの夜勤のしのっちは銀座から、私は保谷から輪行。東京駅の新幹線ホームで待ち合わせる。新大阪まで行って、その先は白浜まで特急。前日一睡もしていないしのっちは、駅弁を食べたら早速寝る体勢に入る。私は本でも読もうかなーと南紀のガイドブックを広げたら、隣の席の男の人が「旅行ですか?」と声をかけてきた。そんなんで話しをしてたら、その人は自治省の自治大学校に研修で来ている山口県の人で、なかなか飄々とした感じが面白い人だったのでした。話しをしてたらあっという間に新大阪。そのあと特急に乗り換える。移動日のこの日、ものすごくいい天気で窓際に座っていると暑いくらい。ずっとこんな感じだといいなあ・・・。
 白浜駅におりたったのは3時半くらいだった。しかし、あつい!以前G.Wに走った能登は寒かったので、けっこう厚着をしてきたのだがすっかり夏という暑さである。ひえー。なんと半袖での走りはじめとなった。今日は白浜温泉に泊まるので走るのは5キロくらい。ちょっと時間があるので岬の先端の南方熊楠記念館を見に行く。私は個人的にここをとても見たかったので、殆ど閉館時間近かったのだけれど、入れてもらえてラッキーだった。とにかくこの熊楠という人はすごい。植物学、微生物学、民俗学と幅もひろければその知識の深さもハンパでないのである。本を写本していくのがこの人の勉強方法だったらしく、大英博物館で何千冊もの本の抜書きをしていたという話しには畏れ入ってしまった。人間的にはちょっと変わった人だったようですが、執念にも近い知への探求には鬼気迫るものがあった。でも、「博物学の巨星!」とか言われてきたのは近年になってからの事のようで、せっかく集めた膨大な資料などもあちこちに散らばっているらしく、この記念館事体もずいぶんこぢんまりした感じだったので、「もっとこういう人が知られていてもいいのになあ」とちょっと残念な気がしたのでした。野口英世なんかみんな知ってるのにねえ。
 この日の宿はきくや旅館という突然の石段のてっぺんにある温泉宿。おばちゃんが話し好きな人で、藤山寛美(←こんな字だっけ?)の親戚だと言っていた。同宿していた学生の集団がやかましくて、夜はちょっと寝づらかった。


2日目:4/27(日) 白浜→三段壁→江住(46km)
 いよいよ出発。長めの距離を走るのは久し振りである。千畳敷と三段壁という奇勝を見たりしてのんびり走る。駅前のタクシーの運ちゃんや、宿のおばさんに「道はキツイよー」と脅されていたので、けっこうびびっていたのだが、そんなにモノスゴクはなかった。ただ、体力的なものか、最後の方はすごく二人ともつかれちゃったけれど・・・。
 地味にアップダウンがあり、それがじわじわ効いてくるのかも。天気はピーカン。海がとてもキレイである。途中、イノブータン王国というイノシシとブタのあいのこの王国(?)とかいうのがあって一休みする。なんと2時半くらいにはその日の宿に着いてしまい、民宿「さとみ」のおじさんに「早いねー」と言われつつも、部屋には入れてもらえた。よかったよかった。しかし、2人ともぐったり・・・。どうも寝不足もあったようで、しのっちはしばし畳で午睡。しかしこれで終っちゃってはつまらんよねえという事で、釣りでもするかという話になる。宿のおばさんに聞いたところ、釣り具屋さんがすぐ近くにあるという事だったので、のこのこ出かけていった。貸し竿があるかと思ったんだけど、どうもそういう雰囲気ではナイ。「糸をちょろっと垂れるくらいでいいんで、しかけだけ買ってサオ無しでやってみる?」とか言ってたら、店のおじさんが「その程度でいいんだったら家のボーズのサオ使っていいよー」と言ってくれたので、ありがたく借りる事にした。その場でエサのオキアミも買って、るんるんと防波堤へ。
 海がキレイである!あおーい。釣り糸を垂らすと、サカナが餌をつついている(らしい)のがなんとなく見えるのである。しかし、上げてみるとエサは無残にむしられているのであった。1時間半くらいやったけど、結局つれなかった。敗因は、あの上からでも見えるほどの魚の大きさに対して、ボーズくんの釣り針があまりに小さかったせいだと私はにらんでいる・・・けど、もしかしたらやっぱ腕に問題があったのかな。5時くらいになったところで、突然空が暗くなり、突風がふいてきたので引き上げる事にした。私のジャージはオキアミの臭いがつきまくっていてくさーい。ので、洗った。これをベランダに干しっぱなしにしておいたのが、次の日の大ショックとなるのであった・・・。


3日目:4/28(月) 江住→太地町(輪行) 太地町→那智山→宇久井(25km)
 雨。雨。雨。大荒れである。私のジャージは当然ぐしょぬれである。ががーん。しのっちの発案で、とりあえず太地(たいじ)町まで輪行してくじら博物館等を見学し、そのあとは様子を見て走るかどうか決める事にする。うううー。と言いながらぐちょぐちょのジャージをはく私。気持ちわるいよー。それにしても今回みたいにあまり走る日数がないランの時に雨にやられるとはついてない。昨日がピーカンだっただけに・・・。
 さて、太地駅に自転車をおいて、バスでくじら浜公園へ。捕鯨の歴史などが展示されている博物館や、水族館、植物園などが集まっているレジャー施設である。雨のわりにはけっこう混んでいた。そして、なんとここには、ショーにシャチが出るのが目玉らしく、さっそく見に行った。シャチの名前はナミちゃん(笑)。いるか、ゴンドウクジラとの3頭でショーをするのだけど、やはり花形スターは身体も大きく、模様もハデなナミちゃんなのであった。ナミちゃんは時々やる気をなくしたりはするものの、なかなか器用に飛んで見せたりしてくれて、拍手喝采なのであった。
 あちこち見て、太地駅に戻ってくる頃には、雨はやんでいた。駅前の中華屋さんで腹ごしらえして、なんとか今日も自転車で走れそうだぞーと出発。予定が変更になってしまったので、急遽那智山に向かうことになる。那智駅に着いた頃、空は突然晴れ上がって、ホント急に「あっつーい!」という晴れになってしまうのであった。このへんから那智山まではえんえん登り。えっちらおっちらのんびり登る。上に着いて、那智の滝を見たあと、熊野那智大社をみに行こうとした私達を待ち構えていたのは、長い長い石段であった。うひゃーー。「つらいねー」「でも引き返すのもシャクだねー」ともう半分意地になってひいこら登った。さすがに上からの展望はキレイだった。あとはこの日の宿、勝浦国民休暇村まで行くのみである。
 最後のお泊りはけっこういい宿。温泉もキレイで、ジャグジーみたいのがついていた。しかし、ここの食事はけっこう期待していたのだが、今ひとつでちょっとがっかり。でもワインをあけて、いやー、あっという間だったねー。と乾杯する二人なのであった。


4日目:4/29(祝)  宇久井→熊野市=東京(33km)
 この日は当初、新宮あたりからもう輪行して帰っちゃう予定だったんだけれど、電車は昼だし天気もいいので走れる所まで北上してみよう!という事で走りはじめる。海岸線をずっと走る道は気持ちいい。後ろを走っていたしのっちもそう思ったらしく、海岸線に下りてみることにする。丸石のころころした海岸にけっこう大きな波がざざーっと押し寄せているのがけっこうな迫力で、見ていて飽きない。季節外れのせいか、人は殆どいなくてはるか向こうの方でバーベキューをやっている一団がいるのみ。あまりに気持ちが良いので根がはえてしまい、寝転がってしばし至福の時なのであった。うーん、いいなあ太平洋!という感じである。
 走る途中には時々「道の駅」といういろんなその土地の施設があり、(こーゆーのが自治省の仕事?)ウミガメの養殖場等があった。そういえばイノブータン王国もそうだった。七里御浜のあたりで海岸一帯に季節柄鯉のぼりを張り巡らした所もあり、なかなか圧巻だった。
 そうこうしているうちに熊野市まで来てしまった。まだちょっと時間があったので、近くの鬼ケ城を見に行く。海岸沿いの遊歩道をかなり歩いていったんだけど、特に標識があるわけでもなく、どこが見所なのかよくわからんけど、結構歩いて疲れちゃったので戻ってきてしまった。近くのスーパーで昼食を買い出しして、とうとう南紀ランは終わりを迎えたのであった。
 ちゃんちゃん。


**** 感想その他 ****
 今回ショックだったこと!
 私は昭文社の「二輪車ツーリングマップ」を愛用しているので、関西版を買いに行ったんだけど、あのかわいいサイズのやつがない!なんと新しいツーリングマップは、ライダー向けにもっとデカくなって、リングファイル形式になってしまっていたのであった。がーん。あんな分厚いのフロントバックの上にはいらないじゃんよー。しょっく。ひどいぞ。昭文社。自転車だって二輪車だってのに・・・。
関連リンク:
 '92夏の近畿ツアー