2005年GW 奥三河ラン

・・・予想以上に頑張った息子のデビューラン・・・

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初日の宿、若松屋の前で

by 浦野(投稿日:17 May 2005)

日程:2005/5/3(火)〜5/5(木)
参加:浦野、誠人、DAZ、あこ、GOKI(計画)
コース概要:=舞阪−三河大野−夏焼温泉−足助=
 今回のGWランの計画を最初に聞いた時、そろそろ誠人(小1)を連れて走れないかな、と考えた。HUCCのOBOGなら“子供と一緒にサイクリング”という情景を一度は思い描くのではないだろうか。今年小学校生になった息子はといえば、2年ほど前に補助輪を外し親戚から譲り受けた幼児用自転車を自在に乗り回してはいるが、泊りがけはもちろん日帰りサイクリングさえ未経験である。どんなコースを走るにせよ、全行程を走るのは無理だろうから伴走車を付けていつでもピックアップできる体制が採れるなら連れて行けるかな、と思った。本人に尋ねると予想していたよりも前向きな返答だったので、ゴキさんやダズ夫婦とも相談し、伴走車のドライバーは交替しながら走る、ということにして誠人のデビューランが実現することになった。
 コースについては東京(浦野、ダズ夫婦)と名古屋(ゴキさん一家が愛・地球博に行った都合)からアクセスできる場所、誠人が走れるよう平坦なコースを設定できることなどを勘案して浜名湖から北上して行く2泊3日のコースになった。


1日目:5/3(火) 東京=舞阪→浜名湖→龍潭寺→陣座峠→大野(約40km) 晴
 ダズ夫婦は前日の2日から走っているため、3日昼からの合流になる。ゴキさん(輪行)と浦野+誠人(車)は午前9時に浜名湖南部の舞阪駅に集合。何でもゴキさんは腰を痛めているためあまり走れそうにないとのこと。それならば、とまずはゴキさんに運転を頼んで浦野と誠人で浜名湖東岸を走り始めた。

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浜名湖岸を走る二人


 湖岸なので道が平坦なのはいいのだが、行楽の車が多く誠人の走りにヒヤヒヤしながら北上する。浜名湖は潮干狩りを楽しむ家族連れでいっぱいだ。「みんな何してるの?」と尋ねられ「貝を採っているんだよ」とうっかり答えたところ、「僕もやりたい!○☆×※・・・」 (T_T) <`ヘ´> (— —;)。なだめるのに苦労した。潮の香りを楽しみながら走っていると、車道から歩道へ入る時に段差に躓いて誠人が転倒した。サイクリングをしていると誰でも一度は経験するであろう段差での転倒であったが幸い怪我もなく本人にとってもいい勉強になったと思う。6~7Km走ったところで小休止。誠人曰く「おなかが空いた・・・」。パンでエネルギーを補給するも「もう走りたくない・・・」。仕方ないので早々に車に退避させ、一人で湖岸のサイクリングロードを走ることになった。伴走車は一般道に迂回したため湖を眺めながらしばらく快適に走った。ダズ夫婦との待ち合わせ時刻が迫ってきたので伴走車とは合流できないまま、待ち合わせ場所の天竜浜名湖鉄道の気賀駅に向かった。 

【ゴキ追記:この頃、GOKIと誠人くんの乗る車は、舘山寺温泉の近辺で浦野の走るサイクリングロードに接近を試みていた。とんでもなく狭い路地に入ってしまい、悪戦苦闘。なんとかぶつけずには抜け出たが、その代償に車には小枝でついた擦り傷が。。。浦野くん、ごめんなさ〜い。この冒険?、誠人くんは楽しんでいたようだ。】

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気賀駅で集合


 昼前に気賀駅に到着するとダズ夫婦は既に到着していた。彼らに会うのは数年ぶりだが、以前と全く変わらぬ様子に何故かホッと一安心。ほどなく伴走車も到着したので、食堂で昼食を摂りながら午後のコースの打ち合わせをした。誠人もまた走る気になったようなのでしばらく走らせることにした。先行するダズたちはゆったりペースで走ってくれるのだが、それでも変速機が付いていない幼児用自転車で大人のペースに付いていくにはかなりハイペースのペダリングになってしまう。彼なりに懸命に走っているのを後ろから見ていると、「おおっ。頑張ってるなぁ。」親としてはつい頬が緩んでしまう。
 途中、井伊家の菩提寺である龍潭寺を見学。井伊家といっても井伊直弼という名前くらいしか思いつかない浦野にとってはさほど興味がある寺ではなかった。いわんや誠人にとっては。庭園の説明テープが流れていたが、“ふーん”という感じで聞き流した。(ダズ夫婦が前日寄った方広寺の庭もよかったそうです。)

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龍潭寺の庭


 陣座峠へ向かう途中、しばらくは誠人も頑張ったが勾配が急になり始めたところでリタイヤ、浦野と一緒に車中の人となる。ここからは腰の様子をみながらゴキさんに走ってもらうことにした。陣座峠へ着くと誠人が下りは走りたいと言い出す。車で登って下りだけ楽しもうなんて十年早いのだが、まあ、良しとする。どのくらいのペースで下れるのか心配だったが、それなりに下っていたようだ。程なく誠人を車で回収して国道257号線へ。車は鳳来町へ先行した。
 今日の宿は鳳来町大野の若松屋。かなりの歴史がある宿らしい。料理もおいしく満足。誠人はさすがに疲れたらしくいつもより早めに就寝した。翌日のコースを検討したところ、どのコースをとっても標高差は合計1000mを超えそうだという。でも浦野は半分運転だから何とかなるだろう・・・、全部走る予定のダズ夫婦に頑張ってもらいましょう、ということにして9時過ぎには早々と床に入った。

【ゴキ追記:翌日コースの話合いでは、すぐそばの鳳来寺が観光ポイントのようだが、山上にあるので即却下。皆一緒の15帖の大部屋で、アコ氏はもう少し起きていたかったようだが、話相手がzzz。】


2日目:5/4(水) 大野→長篠城趾→仏坂峠→奥三河→津具→面ノ木峠→夏焼温泉 (約70km) 晴れ
 ゴキさんはまだお腹がサイクリングモードになっていないらしく朝食をお代わりしなかったが、浦野とダズ夫婦はすでにしっかり「走りモード」のお腹になっており、2~3杯のお代わりをして出発した。

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コンビニで買い出してさあ出発


 まずはすぐ近くの長篠城址公園へ。長篠といえば織田信長・徳川家康連合軍と武田勝頼の戦いで有名な所だ(案内板の説明による)。翌5月5日がのぼり祭りとのことでその準備が始まっていた。1日ずれていれば祭り見物できたのに残念。

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長篠城址で


 この休憩で誠人がリタイヤを表明したため自転車を車の屋根に積み込み、ゴキさんの自転車を準備しておいたのだが、休憩中に誠人の気が変わったらしくまた走ると言い出した。その気になっている間になるべく走らせようと考え、ゴキさんには申し訳なかったが再びドライバーを頼んで走り始めた。ここからは伊那街道を川沿いに登って行くことになる。誠人はどこまで走れるか、心もとない。

【ゴキ追記: 誠人君は何度か乗ったり降りたりした。のぼりの手前、連谷小前で車に回収。】

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ダズ夫妻を追いかける誠人くん。後ろについている浦野撮影。


 仏坂峠へ向かう途中の千枚田が今日のメインのひとつである。峠を上る途中に千枚田を見渡せるポイントがあり写真に収める人も何人か。それなりに有名なポイントらしい。五平餅で腹ごしらえして峠の頂上(トンネル)まで登る。

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四谷の千枚田の前で

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五平餅ほおばる。上から見ると千枚田にはちゃんと水がはっている


 峠からの下りは誠人も走りたがったので少し不安ではあったが走らせることにした。下り始める前に道の真ん中より右側には出ないこと、カーブの手前では十分減速することなどを約束させて下り始める。すぐ後について下ったが、一度左カーブで誠人が減速しきれず右側に膨らんでしまい、ヒヤッとさせられた。対向車がいなくて助かったがもし車が来ていたら、と思うとゾッとした。国道473号線に出て左折。設楽町に向かう。設楽町の食堂で昼食を済ませドライバー交代。ゴキさんに走ってもらうことにした。津具村を経由して面ノ木峠へと向かう。

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忍者の里、津具村までのアップダウンで疲れはてて地べたに横になるアコ氏


 面ノ木峠までは天狗いろは坂という名前が付いているくらいの九十九折の坂が続く。車で走る分にはどうってことはないが自転車組にはきついだろうな、と思いつつ誠人と共に先に頂上でくつろがせてもらった。そうするうちにゴキさんに続いてダズ夫婦も到着。お疲れ様でした。

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面ノ木峠頂上手前(ダズ、アコ)


 ゴキさんは「腰に響くので下りは勘弁」とのこと。ありがたく下りだけ走らせてもらうことにする。例によって誠人も走りたがったが、そろそろ暗くなり始めるころでもあったので、本人は不満そうだったが車で行かせることにした。下り自体は豪快に走れ堪能できたが小さな虫がひっきりなしに顔に当たるのには閉口した。下りきったところで国道257号線に入り稲武町(今年4月に合併して豊田市になっているのだが、標識などはまだ稲武町のままだった)の夏焼温泉、青柳亭へ。何とか暗くなる前に宿に到着できた。

【ゴキこめんと:タフなコースでした。宿泊客はうちらだけだったので、食事の時間もおくらせてもらい、温泉にゆったり入れた。誠人くんにはちょっと熱かったが最後には入れた。裸の付き合いも二日目ともなると大分打ち解けたようだ。飯はいろいろ出てうまかったなあ。】


3日目:5/5(木) 夏焼温泉→大多賀峠→足助= (30km) 晴れ
 朝、宿泊料を精算した時、食事なし・布団のみで予約していた誠人の分はサービスしてもらえた。ラッキー。
 最終日も天気は上々。この3日間ずっと天気に恵まれた。今日のコースは前半国道153号線で伊勢神まで登り、大多賀渓谷を経て後半は足助町まで下りの予定だ。前日までのランでゴキさんの腰は登りなら大丈夫そうとの見通しがついたので、この日も前半の登りは浦野がドライバー、後半の下りはゴキさんがドライバーになることにして出発。朝から登りなので誠人には無理だと思ったのだが本人はどうしても走る、と言い張る。せっかくやる気になっているのに走らせないのも勿体ない(?)ので走らせることにした。とは言ってもゴキさんやダズ夫婦のペースについて行けないのは目に見えているので彼らには先に行ってもらい、車で誠人をフォローすることにした。しかし交通量も多く本人もすぐに諦めたため、早々にピックアップして車で先行した。

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大多賀渓谷もうすぐおわり


 大多賀渓谷は車で走るのが勿体ないくらい気持ちよさそうな道であった。大多賀まで車で先行して、ゴキさん達を待つ。地図で見るとここからは少しだけ登ってあとはずっと川沿いに下ることになりそうだったのでここでゴキさんにドライバー交替。誠人に登りを経験させるにもちょうどいい距離だろうと考え、誠人の自転車も屋根から降ろした。張り切って登り始めたのだが、予想以上に急勾配(一部7%だった)で距離もそれなりに長いことがわかった(といっても1~2km)。車もダズ夫婦も既に先行しているが、誠人はちょっと押しては休憩、ちょっと乗っては休憩の繰り返しだ。途中、心配したゴキさんが車で様子を見に来てくれる場面もあったが、この日は時間の余裕もありそうだったので最後まで頑張らせることにした。泣きべそをかきながらも熟年ハイカーにも励まされ、何とか大多賀峠へ到着した。みんなに褒められ、本人もまんざらでもない様子だった。

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大多賀峠で


 ここからはお待ちかねの下り坂だ。ダズ夫婦に続いて誠人が出発。昨日同様、道の半分より右には出ないこと、左に寄りすぎると砂が浮いていて滑りやすいことなどを注意しながらすぐ後ろに付いて下る。直線でもブレーキをかけながらゆっくり下るので、「もう少しスピードを出してもいいよ」と声をかけるが本人なりに慎重になっている様子なので、「昨日のようにオーバースピードになるよりましか」と考え直してそのスピードに付き合った。足助に近づくにつれ、沿道の田んぼで蛙がしきりに鳴くのが聞こえた。そのまま通り過ぎてしまったが後から考えると田んぼの蛙やおたまじゃくしを見せてやるのに絶好の機会だったのになぁと、ちょっと後悔した。足助の町に入ってから役場の駐車場へ向かう途中、狭い歩道で誠人が転倒。今回は膝を擦りむいて少し出血した。ボトルの水で傷口を洗いマキロンで消毒、バンドエイドを貼って昼前には役場に到着。誠人にとっては初めてのサイクリングツアーが無事終了した。

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先にいく伴走車


 足助の香嵐渓は河原で遊ぶ家族連れで大賑わい。当日の気温はなんと32℃まで上がったそうだ。香嵐渓はもみじが多く秋の紅葉は素晴らしいに違いない。ゴキさんの中部国際空港からのフライトの時間を考えてもまだ余裕があったので、誠人に川遊びをさせてから足助の街並みを散策がてら昼食を摂った。

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香嵐渓の橋


 ここからだと輪行できる最寄の駅は名鉄三河線の西中金駅になるが、ゴキさんは列車の本数を考えてもう少し走ってから輪行するとのことで、午後2時ころ足助を出発。後から聞いたところによると名鉄豊田線と合流する梅坪まで20km弱走ったとのこと。我々東京組は近くの白鷺温泉で汗を流した後、東京へ向かった。


**** 感想その他 ****
 今回のGWランは自分にとっても数年ぶりのランで楽しみにしていましたが、我が家にとってはそれ以上に誠人のデビューラン、という意味合いが大きかったと思います。伴走やコース設定を含め、ゴキさんとダズ夫婦の協力があって実現できたツアーだったのでとても感謝しています。初めてのサイクリングがトラウマにならないか心配でしたが、それも杞憂に終わったようで、本人は「またゴキさんやダズさん達と走りたい」と言っていました。事前に予想していた以上に良く走ったと思います。次にご一緒するまでにはもう少し登りも走れるようにさせておきますのでまた宜しくお願いします。


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