2016年GW 紀伊半島ツアー

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日本一のぶつぶつ川

by 浦野、DAZ、那珂、宮村、野田潤、野田 & G(最終投稿日:16 Feb 2020)

Map, Click to Popup 日程:2016/4/29(金)~ 5/9(月)
参加:G(計画)、野田、宮村、浦野、アコ、野田潤、DAZ、那珂、さかな、飯塚、高田、峠
コース:=志摩→紀北町→熊野本宮→那智勝浦→椿→龍神温泉→五條→吉野山→大台ケ原→天川→十津川→新宮=

 ツーリング記録 参照
<はじめに>(G記:2020/2/10)
 最初に野田さんから、59同期会を5/3に知多半島でやるので、両方参加できる東海&紀伊半島でとの提案がありました(1/26)。しかし、知多半島からのアクセスを調べて無理が多いことがわかり、基本的に紀伊半島で計画することにしました(3/19)。ここで、今回のGW日程がいつもと違って、前重心にも後重心になることから、アンケートを取りながら進めました。最終計画は、途中参加のアクセスを考慮して何度もコース変更した上で、やっと決まりました(4/8)。その後の宿取りは一週間強でほぼ終了(4/17)。
 >>>こちらは当時の計画表(4/24時点)です。ご参照ください。
 コースは、過去ツアーや酔狼さん推奨などを参考に、途中参加の方々の見所感を考えて、決めました。また、今回は、自分が今まで行けなかった、伊勢から入るルート、大台ケ原の山歩き、熊野古道(小辺路の一部)のトレッキング、を入れることもでき、とても楽しみでした。
 以下、皆で分担して書いたレポートをご覧ください。

*このレポート完成がとんでも無く遅くなりすみません*2016年後半から忙しくなって、皆さんの原稿を棚ざらしにしてしまいました。今年になって少し時間ができてきたので、まず自分は不参加の2017年~2019年のGWツアーレポートを編集し終え、やっと、ここへ戻ってきました。残っていたG担当部分は記録ノートと写真から書き起こしました。


1日目:4/29(金) =志摩(志摩磯部)→紀北町(紀伊長島)★ (約72km/1235m) 晴れ
 メンバ:野田、宮村、(合流)G
 (宮村記:2016/8/21)

 近鉄志摩磯部駅での集合時間は11時だった。宮村は早めの10:10に到着。駅に降りてすぐに感じたのは、天気は上々だが風が強いこと。スマホの天気予報では最大風速10メートル近い西北西の風とのこと。向かい風をもろに受け走るのかと思うと気持が萎えた。だが、前進あるのみなので、袋など飛ばされないよう注意しながら、自転車を組み立てた。
 出発は、野田さんと11時45分ごろだった。国道16号を一路、五ケ所湾方面へ走り始めた。最初の計画ではGOKI含め三人だったが、数日前にGOKIから鳥羽を10時ごろ発ちパールロードを走破したい途中で追いつけるだろうと連絡があり、変則的なツアー開始となった。30分ほど慣らし走行したところで昼飯時だったので、五ケ所湾に出る手前の軽食「いんぐらんど」で食事をとった。店内の壁に英国国旗が掛かっていた。店名由来には興味なかったが、定食の赤味噌仕立てのみそ汁が美味しくこの付近が中部食文化圏なのかということに興味をそそられた。ふとスマホを見るとGOKIからメールが届いていた。JRが遅れやっと12時少し前に鳥羽を出発したらしく集合は今日の宿になるだろうとのことであった。

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磯部駅出発 | 五ヶ所湾沿い

 五ケ所湾を通過し、下りも漕がねばいけない向い風とこれから続くトンネルを少しでも避けるため、海岸沿いではなく山沿いを走ろうとなった。つまり、礫浦分岐の手前を山側に折れ三浦峠に通じる道路を目指した。高さがあまりない山側で風も避け楽できるだろうと考えての行動だったが、大へんな間違いだった。

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登りに入る

 道を少し進むと、未舗装になり、次第に狭くなり、整備も何もない山道になっていった。自転車に乗れなくなり押しての行軍になってしまった。戻れば良かったのだが、先のほうからたまに車が走る音が聞こえ、道路を予想させる低い木立があり、大へんな思いをして来たにもかかわらず、同じ苦労をして元まで戻るのは悔しすぎたので、もっと前進してしまった。そして、“おぞましい”場所に踏み込んでしまった。そこは薄暗い不法投棄場所で冷蔵庫や家具類など大型廃棄物が積み上がっていた。上の道路から投げ落とすにはちょうど良い場所なのだろう。ついに自転車をかつぎ跨いだり迂回したりと想定外の厳しい登坂になってしまった。特に野田さん自転車は重量級なので大へんそうだった。やっと目指した道路に着いたのは2時50分ごろだった。湾岸から2kmほど10分ぐらいの登りのつもりが50分ほどかかり著しく消耗した。

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未舗装の道 | 山道で押し
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厳しい登坂 | 厳しい登坂 | 到達

 ここからはトンネルを避けず湾岸に沿ってひたすら走った。真珠養殖いかだが浮かぶキレイな海や桜の花が和ませてくれたが、体力がさらに削られ気持ちの回復が苦しかった。1550mの紀勢南島トンネルを5時前後に通過し、紀伊長島駅から少し行った「江ノ浦橋」を渡ったのが日暮れの6時ごろであった。湾にかかる「江ノ浦橋」は歩行者や自転車が楽に渡れるよう高さが低くなっており、船の往来時に橋そのものを上げる人にやさしい昇降式可動橋である。丁度その時、紀伊長島駅あたりを通過中のGOKIから、宿に到着が6時半ごろになると連絡しておいたと電話が入った。時間どおり6時半、二人は民宿「うなばら」に無事到着した。その後すぐ、GOKIが元気に到着した。

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梅 | 海岸線
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奥に見える江ノ浦橋

 宿泊:民宿 うなばら
 風呂に入ったあと夕飯。海の幸たっぷりで宿名物のマンボウ料理が付いていた。初めて食したが柔らかいのにシコシコしていたような。コーヒーメーカーのコーヒーが無料サービスだったのも良心的。


【Gコメント】*ソロ走行で合流まで(111km/2041m)*徹夜でパッキングを終わらせるが、山歩き用にJOGシューズが積めない。三島からの新幹線は満席で立ち。予約もせず甘く見ていた。名古屋からの「みえ」も二両編成なのに満席で立ち。途中トイレ行きたくなり、降りるか?パニクる。隣の車両にあって助かった。とんでもない強風の影響で遅れがでる。
 出発地の鳥羽駅に降りると夏並みの日差し。あんぱん一個食べて走り出すと、こがないでも進むほどの風。下りは怖い。パールロードに入り、まず鳥羽竜の発見地で休憩。ここからは、海はきれいだが、アップダウンがきつい。スペイン村を横切って、鵜方に向かって西向きになると強い向かい風。メールには何も反応が帰ってこない。100km近くなって、宿に連絡。おかしいことに、まだ誰も着いていない。(本文のような事件?があるとはつゆ知らず。)予定より30-50分遅れると伝える。少しして宮村から電話あり、紀伊長島すぎの跳ね橋見てるところと。近いけど、結局合流は宿となる。久々の長距離走行はかなりしんどかったが、景色はよかった。宿では洗濯もしてもらえた。夕食はマンボウのコワタ、ブリのたまご、とか盛りだくさんだった。

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賀茂川の河口 | GOKIは食後に脚がつる

Photo, Click to Popup 2日目:4/30(土) 紀北町★→尾鷲→熊野→熊野本宮(湯の峰温泉) (110km/1469m) 晴れ
 メンバ:G、野田、宮村、(合流)浦野
 (野田記:2017/4/8)

 4時半に目が覚めてしまい、外へ出ると快晴。朝日を見に東へ向かう。日の出はスマホで確認すると5時40分頃。宿の東には岬があり、その向こう側まで行ければ朝日が見られたが、100mほど上った途中で行き止まりとなり、朝日が当たって赤く光る山肌を見ながら一杯。うなばら宿へ戻ると、ちょうど浦野が颯爽とやって来た。なんと東京から自慢の電気自動車を運転しながら、高速を一切使わず来たらしい。帰りのことを考えて、北の方にクルマをデポしてきたとのこと。200km?間隔で給油じゃなく充電を繰り返すのは大変やが、電気代はただなので、ここまでほぼ金を使わずに来られたらしい、さすが節約家の浦野や。
 豪華な朝食を戴き、8時に4人で出発。国道42号を、まずは尾鷲を目指し西へ進むと、道の駅海山(みせん)を過ぎた辺りに、熊野古道の中で随一の美しさを誇る石畳が続く馬越峠(まごせとうげ)の入口に着く。浦野は夜泣き地蔵まで石畳道を歩きたがったらしいが、往復40分かかるのを見て断念。尾鷲から熊野まで42号は内陸を通っていたが、海岸線はくねくねしてるので、素直に42号を選択。紀伊半島の川は、ダムがないので、どの川もめちゃ透き通っている。峠の下りにいいポイントがあったので、横道に逸れて川を撮影。

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馬越峠入口(入らず) | 登り、矢ノ川トンネル出て休憩
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野田は休憩せずに行く | 澄んだ川

 海岸に出ると、そこはちょうど奇岩で有名な鬼ヶ城。浸食によりえぐれた岩が多数あり、昔、鬼が棲んでいたらしい。入口のお店でみんな海鮮丼弁当を買って奇岩が良く見えるポイントで食べることに。しかし、そういうところは観光客も多い。ちょっと恥ずかしかったが、大きな岩の上で昼食タイム。天気が良く直射日光がとても暑い。すると、宮村さんがタオルを頬かむりし出し、ますます怪しい団体となり、近くに観光客が寄らなくなる。恥ずかしいので、さっさと食べてその場を撤収。

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鬼ヶ城の千畳敷で海鮮弁当 | 千畳敷の上はオーバーハング
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台風被害でここから先は行けない

 この先に獅子岩という鬼ヶ城より面白い岩があり、千崎さんの写真を想い出す。ここから、10kmほどは七里御浜という海岸線を走ることになるが、みんなに置いて行かれた筆者は、防風林に遮られて国道から見られないきれいな海岸線へ出る脇道を探す。やっと出てみると、巨大な防潮壁が現れ、唖然とするも途切れているところを探して、やっと海岸へ。きれいな曲線を描く砂浜が続いているのに、誰も歩いておらず、代わりに白い味気ない防潮壁が異様な雰囲気を放っている。悲しい気持ちで国道へ戻り、内陸へ入る分岐点に着くも誰もいないので、ゴキさんに電話すると、調子に乗って5km先まで行き過ぎてしまったとのことで、ゴキさんらしくて笑ってしまう(実は浦野の暴走だった)。国道311号の風伝峠付近で合流することにして、川沿いの田舎道を進んでいると、道路脇にある無人みかん売場を通り過ぎる。普段は買わないが、なぜか惹かれてしまい、戻ってみると、ベンツに乗ってるお母さんと娘がいたので、お母さんに美味しいか聞くと、美味しいけど汁が多いのでそのまま食べずにジュースにしてます、と言われる。種類は、温州みかんとマンダリンオレンジの交配種と書いてあり、5個入りで100円のを買って、あとで食べてみると、薄い皮をむく度に汁がこぼれるので、ほんまや、食べにくいわ、と思いながらワンカップを一杯。意外とみかんは酒と合う。

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しし岩 | 野田だけ当初の道を行く

 風伝峠手前の合流地点に着くと、5km以上遠回りしているのにもかかわらず、すぐに浦野とゴキさんが現れる。しかし、宮村さんはちょっと遅れていて、ばてた様子。昨日の道なき道を押したつけが回ってきたようだ。時刻は14時半。ここから宿のある湯の峯温泉までまだ40kmもある。風伝トンネルを過ぎると丸山千枚田への分岐があり、当然のように寄り道することに。余分な坂が意外とありしんどかったが、千枚田は想定以上にダイナミックで田植え前の水田と緑のコントラストも映えて久しぶりに感動する。千枚田を上から見ながら下っていくと、20m以上もありそうな大きな石が現れる。今にも倒れそうだが地震があっても倒れないのだろう。

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丸山千枚田
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千枚田の中を降りていく

 時刻は15時半。宿までまだ30km以上。北山川、熊野川という大きな川沿いに進むが、これらの川もめちゃきれい。対岸の河川敷に西日が当たる広いオートキャンプが見えてきて、ここにテントを張ってキャンプしたら気持ちいいやろうなあ。宿まであと15km。既にメーターは100km手前を示している。白浜につながる国道を左に曲がりトンネルに入ると、突然の強い向かい風。大型トラックがクラクションを鳴らしながら追い抜いて行く。トンネルを出たところで、とうとうガス切れとなり、歩道にへたり込む。いつもは持ってないが、ゴキさんのを見てたまたま買った非常食を思い出して食べる。みんなにさっき宿まで行っといて、とお願いしたので、ここで10分ほど休憩。でも、少し行くと、国道を外れる分岐点で待っていてくれた。宿にはちょうど18時にとうちゃこお。手前の駐車場で真っ赤な大型バスが駐車しており、ミッキーのマークが入っているので、よく見ると、横でおっちゃんが椅子に座っている。どうもキャンピング仕様のマイバスらしい。珍しいのでカメラに収める。

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県境、十津川村に入る | 新宮川沿い
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ミッキーのバス

 宿泊:伊せや
 宿の「伊勢や」は老舗らしくいい雰囲気。近くには、世界遺産に指定されたツボ湯があり、翌朝6時半頃に行くと、既に3人ほど並んでいた。家族風呂なので1組しか入れず制限時間は30分らしい。ゴキさんが入りたそうだったが、出発が遅れるので諦める。
 夕食前に、宿のお風呂に入り、精進料理を戴くも、量がメチャ少なく、サイクリストには全然物足りないが仕方ない。昼間買ったみかんを補充。しかし、しんどい一日やった。


【宮村コメント】鬼ケ城では、小学校のころ新宮市に住む伯父さんに「大波くるで~、すべるで~、海に吸い込まれるで~」と脅されながら斜面を伝い歩きした記憶が、よみがえった。予定になかった尾呂志街道のだらだら登りをG&浦野コンビと同じペースで走ったのがまずかった。途中で足が回らなくなり、おいて行かれた。日陰が無く苦しかった。やっと宝積院というお寺の駐車場に日影を見つけ休憩した。しばらくお寺の冷たい石垣に貼り付いていた。誰にも見られず(のはず)良かった。その後も苦しかったが、立ち寄った丸山千枚田は絶景だった。
 宿泊地“湯の峰温泉”は、地元の自分はこれまで通り過ぎるだけだったが、開湯から1800年の日本最古と言われる温泉で、風情を楽しめた。宿の“伊せや”さんは、ロケーションがよく、木造で、お風呂が源泉かけ流しだった。食事やサービスが超シンプルなので、素泊まりして色々出かけるお客ねらいか。
【Gコメント】朝、同宿のサイクリストと話す。伊勢からと。矢ノ川トンネル出て休憩していると、そのサイクリストが先に行った。鬼ヶ城での昼飯。うまい、きれい、すごくいい天気。台風被害で半分以上行けなくなっていたが、海が良かったのでOK。丸山千枚田は圧巻だった。その中を下りて行く道はとても楽しかった。湯の峰温泉への分岐に入るころには皆エネルギー切れ。レディーズ向けの夕食は少なくて、おかわり一回。その分ビールをいつもより飲んだ。洗濯は宿の人がやってくれたが有料(500円)。
【浦野コメント】*朝の合流まで*自家用車で東京から三重県までドライブ。0時過ぎに道の駅奥伊勢おおだいに到着した。車中で仮眠し明るくなってから、本隊が泊まっている約39km先の宿を目指して走り出したが途中でインフレーターを車に忘れてきたことに気づいた。本隊に合流するまでにパンクしたら身動きが取れなくなるので車まで戻るかちょっと悩んだが、そのまま先へ進むことにした。結果的には本隊と合流するまでパンクせずに済んだがヒヤヒヤもののソロランだった。自業自得とはいえツアー中、オーラスにはならない(なれない)、一人でのソロ活動は無理など、行動に制約を受けることになった。


Photo, Click to Popup 3日目:5/1(日) 熊野本宮→本宮→新宮→那智★→那智勝浦(勝浦温泉) (73km/760m) 晴れ
 メンバ:G、野田、宮村、浦野、(合流)アコ、野田潤、さかな、飯塚
 (浦野記:2016/5/24)

 朝食前に各々が世界遺産に登録されているつぼ湯や湯筒での温泉卵を見学。つぼ湯は小さな小屋に囲まれた岩風呂らしいが、世界遺産でもあることから5時半に行っても時間待ちだったそうだ。宿泊した「伊せや」は、ロケーションは抜群だが食事が今イチ。精進料理の修行を積んだ板前さんとのことだが、サイクリストにはボリュームが足りない。お風呂にはシャワーもなく、ウォッシュレットも未完備(野田氏が全トイレを確認したとか)。老舗ではあるのだろうが、そのことに胡坐をかいている感じだったというのが野田氏と浦野の共通見解だった。
 8時過ぎに宿を出発。今日は、全国に三千社ある熊野神社の総本社でもある熊野三山(本宮大社、速玉大社(新宮)、那智大社)を一日で参拝する予定だ。まずは宿から一山超えて熊野本宮大社へ。神の使者として崇められている3本足の八咫烏は日本サッカー協会のシンボルマークとしても有名だ。明治時代に水害に遭うまで本宮が鎮座していた場所(当時は川の中州)は今では更地になっており、近年建立された大鳥居や案内坂がなければそれとはわからない。

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熊野本宮へ | 八咫烏のポスト
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旧神宮跡

 新宮市の速玉大社までは熊野川沿いの国道ではなく、対岸の県道を走る。車はほとんど通らないが路面はそれなりに荒れている。昼過ぎに速玉大社着。宮村さんが湯の峰温泉で購入した温泉饅頭を皆でいただく。速玉大社では鮮やかな朱色の社殿が印象的だった。

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飛雪の滝 | 熊野速玉大社

 12時半に出発。13時半には那智駅で潤子氏、アコ氏、さかな氏と合流予定だが昼食をまだ済ませていない。JR那智駅に隣接する道の駅で何か食べられるだろうと42号線を南下したが、着いてみると道の駅とは名ばかりで小さな物産店があるだけだった。野田氏以外の3人は駅前のちょっとおしゃれなレストランでパスタセットの昼食。アコ氏は昨年阿蘇での転倒でフレームに亀裂が入ってしまったため、今回はピンクのフレームを新調しての登場だ。フレーム新調ともなれば皆による品評会(?)は免れない。前輪スポークにセットした磁石とフォークのセンサーユニット間が離れすぎていて反応しないのでは?との指摘に対し、「自転車屋さんがセットしてくれたんですよねー。でもメーター本体を忘れたからどっちにしても関係ないんですよ」とのコメント。意味ないじゃん!ハンドルにセットしたパンダライトがおしゃれ(?)だが、光が前方ではなく横に光るセッティング。意味ないじゃん!!

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海岸に客船 | 那智駅前で

 14時半に那智駅を出発。那智の滝を見学後、那智大社に参拝した。那智大社では遠景に那智の滝が見えるスポットで観光写真の勧誘あり。プロが撮影した写真の購入は任意で、持参カメラで2ショットまでプロがシャッターを押してくれるとのことだったので、集合写真をお願いした。両方の写真を見比べた野田氏曰く「販売用ショットでは日付看板が構図に入っていたが、持参カメラでは入っていなかった」。さすが相手もプロ。ちょっとした構図の違いで購買意欲を掻き立てようということか(1200円の販売写真は結局誰も購入せず)。那智大社から下る途中、熊野古道のパンフレットによく登場する大門坂を見学。アコ氏と浦野だけ石畳の階段を数十段登り降りし、ちょっとだけ古道の雰囲気を味わった。

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那智の滝 | プロの写真
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大門坂(ちょっとだけ)

 宿泊:勝浦温泉 お宿 はな
 今日の宿は紀伊勝浦駅前の「はな」。出迎えてくれた若女将は、去年誘われて始めた自転車(レーサー)にはまってしまったそうだ。ランドナーには馴染みがないらしく、浦野の自転車を見て「かわいい自転車ですね」。ランドナーって「かっこいい」でなく、「可愛い」のかな?おじさんには理解しがたいセンスでした。ちなみにこの若女将、「宿にマッサージってあったけど、あの女将さんがマッサージしてくれるのかな?」「あんなさびれた宿にはもったいない」「旦那さんは見なかったね。独身かな?」「でも玄関に赤ちゃんの写真が飾ってあったよ。」などなど、この後、今ツアーで幾度か話題に上ることとなった。
 ソロで走っている飯塚氏、異なる宿に泊まるさかな氏と待ち合わせ、近くの居酒屋で新鮮な海の幸をいただきながら会食。翌朝、「前回来た時は港のセリを見学できた」との前夜の野田氏のコメントにつられ港までポタリングするもこの日はセリの日ではなかったようで港はからっぽだった。残念。

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宿の女将(写真よりかわいい感じでした) | 居酒屋で

【宮村コメント】朝、“湯の峰温泉”から熊野街道を経て熊野川方面へ下り、“熊野本宮大社”に。前に来たのは10数年前だろうか、八咫烏の○○が増えた感じ。みんな大鳥居がある大斎原に興味深々のようだった。ここから“速玉大社”、“那智大社”、“青岸渡寺”など熊野三山巡りへ。新宮市を通り過ぎたときに、接岸している客船に気がついた。後で調べると5月1日豪華客船“飛鳥Ⅱ”が入港し、セレモニーが開かれていたとのこと。もっと紀州クルーズしてもらえるようになれば思う。日本一の落差(133m)“那智の大滝”は水量多く迫力があった(夏に行くとすごく細い)。
 今日のお宿も温泉かけ流しだった。あの女将さんを後でネット調べると、大阪で気孔を学んだちゃんとした整体師とのこと。おじさん整体師のアイドル的存在らしい。外で食べた夕食はおいしいマグロ料理などだったと思うが、その話の盛り上がりや何やらで、覚えていない。
【Gコメント】5:30からつぼ湯に行こうとしたが、既にアウト。本宮への古道を途中まで散策。河原の湯筒ではゆで卵作っている人多数。最初に行った本宮でサイクリストのおじさんに会った。朝つぼ湯に先に並んでた人。瀞峡船着場から対岸に渡ると、ずっと橋がない。自転車には最高の道、時間がかかるのは玉に瑕。那智で女性陣と合流、賑やかになる。那智の滝に着く頃は、とても暑かった。ソフトクリームの表示が目に付く。夕食は居酒屋で大集合。何かと話が盛り上がったような。


Photo, Click to Popup 4日目:5/2(月) 那智勝浦→太地→串本→椿(椿温泉) (102km/1001m、輪行隊78km、別働隊98km/888m) 晴れ
 メンバ:G、野田、宮村、浦野、野田潤、アコ、(離脱)さかな、飯塚
 (野田潤記:2016/9/24)

【NJは見た!5月2日発生事件簿ベストテン!!】
 (注)一部記憶の曖昧さを埋めるため、想像による脚色がありますことをお許しください。
 なお、順位は時系列であり、事件の大きさではありません。

 >>>別働隊の走りは野田レポート参照。

*第10位 「はな」若女将『うふふ♡』事件
 朝玄関でパッキング中、若女将のおはなさんがニコニコしながら様子を見ている。宿の窓には、整体・マッサージの文字。普段から腰の調子がよくない宮村氏は、思い切って昨日から気になっていたことを尋ねてみた。「整体しているんですか?」
かわいい若女将の口から出た言葉は、「うふふ♡」。
悪女の匂いをかぎ取ったNJであった。

*第9位 そのストラップ必要?
 朝の集合写真、いわくつきのお宿「はな」の玄関前はお客の車でいっぱい。集合写真に命を賭けている野田兄、紀伊勝浦駅前で最高のロケーションを物色中。このわずかな?時間でも、さすが浦野氏、いつもながら自転車のチェックに余念がない。しかし、NJは昨日から気になっていた。浦野氏の後ろを走っていると、否応なしに斜めに片がったサドルバックが目に入ってくるのだ。どうやら浦野氏もうすうす気づいているらしく、サドルバックをいじっている。そばに寄って見ていると、なぜか皆が集まりだした。そして、一言。
「そのストラップ、意味ないよね。」
一瞬、不穏な空気が流れたのをNJは見逃さなかった。

*第8位 大人は普段、どんなことで怒られているのか。「本日の怒られたさん」
 本日の走行距離80kmにもかかわらず、なぜか観光ムードの御一行。開館前の水族館でイルカが見られないか周りの遊歩道にチャレンジするも、即行柵で行き止まり。あきらめてしばらく走ったあと、海岸線沿いの遊歩道を歩くことに。何があるのかわからないままついていくも、やがてそこも通行止めに。目の前には、柵つきの岩穴と「私有地につき立ち入り禁止」の看板。戻るのかと思いきやアコ氏、岩穴に入っていくではないか。「行ける、行ける」と叫ぶ声。いや、行っちゃいけないだろう。さすがそこは大人の宮村氏、遊歩道から砂浜に降りて、岩を迂回する作戦に出た。幸い干潮なのか、余裕で歩ける。NJ、宮村氏に着いていく。岩を迂回すると、そこは小さな港。赤い灯台が見える。と、そこに遠くに何かが跳ねた。イルカ?急いで防波堤に上ると、遠くでアコ氏、goki氏、浦野氏、サカナ氏が大騒ぎして写真を撮っている。どうやら港の生け簀でイルカを調教しているらしい。NJもあわてて宮村氏に「イルカ、イルカ」と叫ぶ。宮村氏、カメラを構えたそのとき、「出て行ってください!私有地ですよっ!!」
怒られた・・・。だいの大人が6人も。しかも、拡声機越しに。
NJは思った。「いや、宮村氏と私は海岸から来たんだ。海岸は、私有地じゃないだろう。」

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捕鯨船展示(鯨博物館横) | 太地漁港内の生け簀
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燈明崎(古式捕鯨山見跡)

*第7位 13.5mにくぎづけ
 次に目指すは、橋杭岩。誰もがそう思って走っていた矢先、踏み切りで遮断機が下りた。と、どうやら線路を越えてはいけないらしく、Uターン。住宅外を離れ、畑の間の細めの道を行く。すると、小さい橋の手前に大きな看板。なになに?一行は立ち止まる。そこには、「日本一短い川 二級河川 ぶつぶつ川 13.5m」の文字。何?日本一?どこどこ?自転車を置き、土手を下りていく。そこには、4m位の幅の川が流れている。これ??すると、川の右側に50cmほどの幅の小川が流れ込んでいる。もしやこれが?たしかにこの小川、長さが13.5mくらい。よく見ると、小川の始まりにはアルミ製のひしゃくと説明書きが。どうやら、ぶつぶつと水が湧き出ていることから「ぶつぶつ川」と命名されたらしい。しかし、本当にきれいな水。なんと!カニが歩いているではないか。「カニ、カニ」と指差す。それを見たサカナ氏。すかさず一言、「沢ガニだな。」どうやら、足に毛が生えていたのが判断ポイントらしい。
 さすが、サカナの異名を持つだけある。心の中で、そっと称えたNJであった。

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ぶつぶつ川 | 別の川に接続

*第6位 橋杭岩?
 橋杭岩到着。あれ?なんか違う。実はNJ、昨日くろしお3号の車窓から橋杭岩を見ていたのだ。昨日は確か、真っ青な海の中から縦長の奇岩がボコボコと7、8個出ている不思議な光景であった。そうか、引き潮なのか。なんと、橋杭岩のすぐ近くまで岩場を歩いて行けるではないか。これはこれでラッキーかも。各自思い思いに記念撮影。

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橋杭岩
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橋杭岩の説明板

*第5位 迷子
 やっと昼食ポイント串本に到着。ウロウロするも、意外に店がない。アコ氏と雑貨屋に入って聞くも収穫なし。と、店を出ると・・・誰もいない。皆先に行ってしまったようだ。しばらく走ってみるも、見つからない。どうしよう・・・。とりあえず郵便局に行きたかったNJは、さっき通り過ぎた郵便局へ。用事を済ませて出てきても、皆は見つからない。goki氏に電話。よかった!つながった。しかし、女子2名がはぐれたことすら気づいてないご様子?存在感のなさに少々気落ち。串本駅前の定食屋で合流。ガラスケースから惣菜を好きに選ぶ、まるで社食のような定食屋であった。

*第4位 保健師NJ
 定食屋を出て200m、遠く前方に電動車イスが止まっている。何しているのかなあ。ぼんやり考えながら、前を走っていたママチャリおばちゃんを追い越し、車イスの右横を走り過ぎるとき、NJは見た。車イスの老人の左手が、一生懸命道に手を伸ばして何かを探っているのを。あれ?急停車し後ろを振り向くと、ママチャリのおばちゃんも気づいたのか止まった。すぐUターンをして老人のそばに行くと、道には杖が。拾って老人に渡す。お礼を言われ、また走り出す。と、ママチャリのおばちゃんにもお礼を言われた。いい町だなあと思いながらも、どれだけの時間、あの老人はあそこにいたのだろうとも思った。ようやく、信号待ちの一行に追いついた。 

*第3位 恐るべしアコ氏
 午前中の観光ムードのツケが、とうとうまわってきた。アップダウン続きでおまけに向かい風。ヘロヘロ状態で皆に取り残されるNJ。goki氏の勧めもあり、16時過ぎ、見老津駅で輪行を決意。悩んだ末、アコ氏も便乗することに。サカナ氏はここで離脱。車を置いてきた那智駅に電車で戻るとのこと。先を急ぐgoki氏と宮村氏を見送り、輪行作業を続ける。早々に作業を終えたサカナ氏、おもむろに駅の軒先でマットを広げ寝転び、読書。女子2人がいなければ、ちょっと危ないおぢさんに見えるかも・・・。 先に来た電車に乗り込み、サカナ氏に見送られた女子2人。電車に揺られながら景色を見る。「きれいだねえ。」などと話していた10秒後、カクン。えっ?!恐る恐る横を見れば、アコ氏、即行爆睡。今一緒に話してたやん。アコ氏の夢は、それから15分間続くのであった。

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潮岬灯台 | 見老津駅

*第2位 優しい浦野氏
 駅から宿までの道のりを電話で指南されたが、若干不安なNJ。駅を降りると、なんと浦野氏と浴衣姿の野田兄が。野田兄の反対を押し切って、浦野氏が風呂にも入らず迎えに来てくれたらしい。goki氏と宮村氏は、あれから1時間で無事宿に着いたとのこと。やはり先に着いたか。さすが速い!一緒に着いて行ったら、一体何時になっていたことか。よかった、よかった。
 しかし、浴衣姿で自転車にどうやって乗ってきたのか、帰りにようやくわかった。こうやって乗るのか。意外に宿までは遠く、宿から駅までは上り坂。浦野氏の優しさに感謝する女子2人であった。

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夫婦岩(GOKIと宮村のみ)

 宿泊:海鮮居酒屋の宿 若竹
*第1位 最後の晩餐
 海鮮居酒屋の宿「若竹」は、横から見ると異様に細い建物であったが、改装したらしくきれいであった。洗濯機を借りたいとお願いしたところ、若女将から「ありません!」と冷たく断られたらしいが、優しい笑顔の老女将が快く貸してくれたとのこと。それからの野田兄は、事あるごとに若女将のことを怖い怖いと言っていた。海鮮居酒屋の名のとおり、夕飯は新鮮刺身を始め焼き物、揚げ物ととても美味。カウンターの水槽には、あわびらしき貝がびっしり。大将に聞くと、「とこぶし」とのこと。その後は、皆でとこぶし談義に花が咲き、おいしいお酒も入って実に楽しい一夜であった。しかし、これが野田兄の最後の晩餐になるとは、誰一人として知る由もなかった・・・。  

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宿の横に自転車並べて

【宮村コメント】朝30分ほど走り、太地博物館&水族館に着いた。さすがにまだ閉館だった。ただ開館だったらここで数時間費やしたかもしれない。昔は、入り江で泳ぐイルカやゴンドウクジラを覗けたおおらかな港だったが、今はピリピリして無理だった。反捕鯨団体のメンバーとかも来るし。日本一短い川“ぶつぶつ川”は、何回か車で通り過ぎているが、知らなかった。串本の街でNJ氏が4点支持杖を倒して困っているおばあちゃんを助けていた。この町は“無償の行為”がなじむ。ちなみに串本は“無償の行為”でトルコと日本の友好関係をつくった。ときは明治、トルコ大使を乗せた軍艦エルトゥールル号が台風で沖に座礁した(日本船なら台風時期に紀伊半島沖なんて航行しないのだが)。ここの漁師たちは総出で海に漂う乗組員を岸にあげ、女房たちが冷えた身体を温め、食事を与え、看護した。彼らは乗組員の貴重品や什器まで潜って拾い集め汚れをとり、何一つとらず帰国する時に手渡した。この行為がトルコ皇帝、国民を動かした。
 夕食は水槽の魚介を見ながらで楽しかった。
【Gコメント】4:30から日が照りだし、今日も暑くなるとのこと。朝、さかなが合流。太地町に向けて出発。浦野が灯明崎方面と勘違いして入った岩場の海岸を歩いて行ったら、太地漁港の堤防の方に出てきた。そこで、怒られ事件発生。この後、浦野は別働隊に行くつもりだったらしいが、逡巡していた。インフレータを持っていないとのことで、自分のを渡して送り出す。激登りで本来の灯明崎。ここから、さかながTOP。ぶつぶつ川は、トンネルを避けたら、たまたまのラッキー。橋杭岩は水が引いてて近くまで渡れた。マグマの割れ目だと、すごい。串本市内で昼食難民になる。潮岬灯台に宮村を除いて登る。その後、ここで会った元気なおじさんと、抜きつ抜かれつになる。今日はシュラフで野宿だって。周参見に入って大休憩。浦野に電話して到着時間を6時にする。北の空が曇りだし、こっから激しくアップダウン。さかなが輪行する見老津駅で、女性陣も輪行させる。ここから宮村と二人だが、涼しくなり、少し晴れ、そんなにきつくなく走れた。宿に着いたら、部屋の冷房がギンギンで気持ち良かった。
【浦野コメント】本隊とは午前中に分かれ野田兄・飯塚と3人で一枚岩を見に行った。一枚岩は一見の価値ありだったので行ってよかったが、日本一短いぶつぶつ川に行けなかったのは残念。宿に到着後、輪行女子隊を最寄り駅まで迎えに行く(途中から野田兄が浴衣姿でお迎え隊に合流)。そのおかげでNJレポート堂々の第二位ランクインの光栄に浴することになった。情けは人の為ならず(もっとも、レポートにもあるようにあくまでもランクは時系列)。
【野田コメント】*別働から到着*なんとか17時前に宿付近に着くも、ゴキさんから連絡があり、女子2名を輪行させたので、最寄りの駅まで迎えに行って欲しいとのこと。優しい浦野が迎えに行き、冷たい筆者は若竹という居酒屋兼用の宿でお風呂に入ってのんびりしようと思ったが、うしろめたい気持ちになり、浴衣姿でチャリに乗り、駅へ。二人はちょうど組み立ての最中で、なんで輪行したの?と聞くと、寄り道をし過ぎて串本を出るのが遅くなり、アップダウンのきつい国道で潤がばててしまい、夜までに辿り着けそうもないとゴキさんが判断したとのこと。
 >>>別働隊の走りは野田レポート参照。


Photo, Click to Popup 5日目:5/3(火) 椿→白浜→田辺→龍神温泉 (59km/1132m) くもり
 メンバ:G、宮村、浦野、野田潤、アコ、(離脱)野田
 (G記:2020/2/10)

*曰く付きの三段壁
 昨日より少しだけ冷んやりした空気。今の所、長期予報からのズレは良い方向。今日のコースは、宿取りの都合で距離が短くなっているが、上りがそこそこある。時間は有り余るほどでは無いにせよ、無いわけでも無い。以前行ってもう一度行きたかった南方熊楠記念館は、現在改装中でダメ。残念。ここで、アコ氏が押していたアドベンチャーワールド行き案(パンダを見る)を考慮するが、残念ながら入場料が4000円と高すぎるため却下。
 出発してちょっとして新道への分岐。車専用なので、34号に入る。少し登ってアドベンチャーワールド入口前を通り過ぎ、約1時間で、三段壁に無事到着。

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白浜目指して | 三段壁に無事到着

 地下エレベータを降りて、村上水軍が使っていたという洞窟の中を見学。打ち付ける波が結構激しい。
 一通り見て回って地上に戻ると、来たことがあるとのことでパスしていた野田の様子がおかしい。聞けば、足湯で転んで、ももを伸ばしたと。そんなに痛そうな顔をしてないところが、やばいでしょ。見るからに肉離れ以上の状況で、緊急事態。野田は去年に続いての離脱になる。
 野田潤、アコ氏が三段壁の事務所で車椅子を借りる。タクシーを呼んで、最寄りのはまゆう病院に行ってもらう(車で5分、1000円)。野田潤と宮村を付き添いに付ける。その間に荷物一杯の輪行準備完。売店などに宅急便のことを聞くが、ここでは大型発送は無理のようで、宅配センター持ち込みが必要と分かる。先の宿に、怒涛のキャンセル(人数変更)電話。
 宮村に電話して診察の様子を聞くと、骨は大丈夫で、松葉杖で帰れるとのこと。戻ってきたタクシーに、輪行自転車と荷物を積む(メモではトランクにゴムかけたよう)。そして野田を宅配センター経由で駅に送り出す。家族は来れないとのことで、一人で帰るのはかなり大変そうだ。
 >>>怪我で大丈夫じゃなかった、野田レポート参照。

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地下部分を探索 | 野田が怪我!

*迷って市場
 三段壁に着いてから野田を送り出すまで、3時間弱。お昼を過ぎており、ここから気を取り直して再出発する。すぐ近くの千畳敷によるが、すごく風が強い。
 白浜の海岸は、今日浜開きで賑わっていて、この辺りで店に入るのは難しいそう。ちょっと離れたところにある、(浦野が携帯で見つけたのかな?)とれとれ市場に行くことにする。ところが、急に登り出して、どうも道が変。しきり直して、1時半前に到着、よかったあ。中はすごく混んでいるが、なんとかうまい物を選んで買い出し。外に座る場所を確保して、やっと昼食にありつく。コーヒー飲んだり、トイレ行ったり、慌ただしくない程度に休憩する。

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千畳敷、風が強い

*宿に向かって
 ここまで23kmで、総距離の半分弱は来ているが、これから上りが始まる。2時20分前に出発。218号、35号、216号と入る。風は向かっている! とちょっと休む間に風向きが変わったようで、その重さを感じなくなる。
 3時30分、伏菟野分岐、216号へ橋を渡る。ここまで、41km、標高200m。雲は今にもという感じ。急に細い道になり、荒れた舗装と落ち葉。(あとでチェックすると予定と違う道に入ったよう。)熊野川沿いを登っていく。蓬莱寺観音の看板と、南方熊楠ゆかりの里の看板があるが、特に寄らず。この道で、自分のRがパンク。チューブが破れており、タイヤサイドも補修する。44km、標高391m。携帯電話は圏外だ。
 ピークの517mを過ぎ、5時10分に、やっと少し広い県道216号に出た。49km。ここで、宮村が公衆電話で宿に連絡する。6時に到着すると。とうとうパラパラと雨が降り出した。すぐ出発。6時直前に、宿に到着。

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熊野川沿いに登る | 広い通りに出た
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そこそこ登ってきた

 宿泊:まごころの宿 丸井
 宿では、おにいさんと明るいおかみさんがお出迎え。まず一人分のキャンセル料を支払う。さすがに当日なので。ここから先に店は少ないとのこと。すぐ近くにはあるけれど、先にあるコンビニは開いていないとのこと。そこで、明日の昼用にめはりずしを作ってもらうことにする。
 風呂は、地下を通って道路の反対側にあった。川が目の前に見える。ゆっくり浸かる。外の雨はとても激しくなって来た。到着のタイミングはぎりぎりだったかなあ。洗濯をすると、別部屋に干してくれた。食事はとても良くて、ごはんを追加しなくても良いくらいの量。おかわりは一杯だけ。食前酒で乾杯。ビールは三人で二本を分ける。

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旅館の構え | 夕食

【宮村コメント】今日は、“三段壁”、田辺から中辺路(なかへじ)町へ抜ける険道216(温川田辺線)、宿しか記憶にない。“三段壁”のことはみんなが記しているとおりだが、救急病棟の若手医師の接し方が今一で、和歌山出身者として残念だった。龍神温泉に向かい温川田辺線を山の中へ入っていくと、テレビの“ポツンと一軒家”に出てくるような、木々で薄暗く、落ち葉で覆われた心細い道になってしまった。田辺市伏菟野(ふどの)と中辺路町の境界っぽいピークを過ぎ、右側の木々の隙間から広い道が見えた時はほっとした。宿が“龍神温泉”だが中心街の元湯から離れた手前で良かった。
 料理も温泉も良かった。こんにゃく田楽の味噌が絶妙の甘辛さだった。蓮根餅の餡掛け、アマゴの塩焼き、紀州うめどりの焼き物、筍釜飯なども楽しめた。温泉は日高川を窓から間近に眺められ良い雰囲気だった。
【浦野コメント】三段壁以外の記憶は曖昧(2020/2/21記)。宿の風呂が道を挟んだ反対側にあり、地下道経由になっていたことで雨に濡れずに風呂まで往復できて有り難かったことはかろうじて覚えている。離脱した野田は気の毒だったが、野田のインフレーターを拝借できたことで以後のランで気が楽になったのも事実。
 >>>全く大丈夫じゃなかった、野田レポート参照。


Photo, Click to Popup 6日目:5/4(水) 龍神温泉→護摩壇山→高野山★→九度山→五條 (103km/1838m) 快晴
 メンバ:G、宮村、浦野、野田潤、アコ野田、(合流)DAZ、那珂、高田、峠
 (G記:2020/2/10)

*嵐が去って
 6時に起きると、強かった雨が止んでいて晴れて来た。浦野と宮村は朝風呂へ。Rがまたパンクしていた。昨日の場所の近くに別のサイドカットがあり、チューブが膨らんで孔が開いたようだ。チューブ交換して、タイヤ内側にまたテープ(引っ張りに強い引越し用)を貼る。
 朝食。おかみさんは昭和10年生まれの81歳だって。全くそんなに見えない元気だ。記念撮影して、8時10分すぎに出発。すぐそばの店で買い出しして再スタート。まだ暑くないが快晴だ。
 何故か、宮村と二人で前と離れて走ることになる。皆トンネルを直進したようだ。ここには昔トンネルはなかったはずで、右の道を行くことにする。そうそう、この感じ、ザ山の中。以前泊まったことのある、本来の龍神温泉郷がここら辺だ。まあ、昨日の宿も広義には龍神温泉で良い宿だったし、もし宿がこの辺だったら、野田事件の後に雨のナイトランという過酷な状況になっていた訳で、宿取りの巡り合わせは神様の思し召しだったのかも。

*向かい風にのって?
 10時少し前、浦野隊が休憩しているところに合流。24km、標高606m。なんで別れてしまったか分かった。爆走先導する浦野に(文句を言わない)女子二人が必死に付いていったためだった。今日は距離100km超、獲得標高は1800m超と、女性陣には最難関のコースなので、浦野も急いだのだろう。風はまだ少し涼しい。向かい風?空は真っ青。
 ここからはフリーラン的に各自登る。風は涼しいが、坂はきつく、どんどん向かい風になる。3回目の一人休憩で、大休憩。31km、標高925m。皆を待つ。標識では、ごまさんタワーまで4.7km。この辺から、追い風気味の緩い風に変わる。
 恋小袖の滝はスルー。11時半に、標高1280mの標識のところで、休憩。34km。今は無いが、看板には日本一の石楠花(シャクナゲ)園とある。ここから、少し下がって、ごまさんタワーに到着。35km、標高1278m(メータでは)。快晴だが、ここまで来ると風は冷たい。

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龍神スカイライン | 厳しい登り
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一休み | 誰も止まらない恋小袖の滝
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残り高さ100m無い | 護摩壇山/ごまさんタワー売店

*尾根筋は続く
 売店裏側のタワーの下あたりで地べたに陣取り、お待ちかねの昼食。宿で作ってもらった、めはりずし。塩っ気があって美味しい。ちょっと大きめに作ってくれたみたいだ。何の葉だっけ? この後にごまさんタワーに登る。
 タワーから見えた通り、龍神スカイラインは、ここから、かなりの間、尾根筋をアップダウンしていく。12時40分すぎ、浦野が先に出発。そこから、三々五々に出発。1時30分前に休憩。50km、標高1038m。アップダウンしながらも少しだけ下っている。宮村は地面で腰を伸ばす。DAZからのメールでは、橋本から走って登ってくるとのこと。高野山でうまく合流できるかな。

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遠くまで尾根筋アップダウン
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休み | 腰を伸ばして

 出発して、少しすると、ついに下りに入る。急坂ではないが、そこそこ高速の下り、うまく下れた。ちょっとRタイヤとブレーキに不安な感じはあるが。アコ氏に追いついたところから川沿いに若干登り、ほどなく浦野以外の全員が揃う。標高750mくらいまで降りて来た。高野山まで一個手前の分岐で浦野と合流。浦野は10分くらい待ってたと。63km、標高783m。

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高野山に向かって降りだす

*奥の院はどこまでも
 高野山奥の院の参道入口に2時30分頃到着。高野山の中でも、ここには初めて来たが、なかなかに人出が多い。GWど真ん中で当たり前か。ここを良く知っているという宮村の案内で、横から入る感じで奥の方まで進む。変わった供養塔が多くある。どこまでも続く感じ。奥の方ほど非常に古い廟などがある。奥の院でお参りして戻ってくると、もう1時間弱経っていた。タイムスリップか。
 自転車で少し進んで、金剛峰寺に到着。ここはまた来たかった所。67km、標高823m。拝観料があるためか、外で待つと言う浦野以外の4人で中に入る。石庭を見てゆったりし、大広間でお茶+お菓子でまったりする。そんな時に平和な講話は苦にならない。DAZが到着したとの報が入る。お疲れ様。南無大師遍照金剛。(どういう意味だったかなあ?)

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金剛峰寺
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石庭でゆったり | お茶とお菓子でまったり

*宿に向かって一気に
 お寺を出て、DAZと久々の再会。1時間近く経っていたので、浦野はさぞお待ちかねだったでしょうか。高田に電話すると、5時40分くらいの宿到着予定と。宿に電話すると、皆ばらばらに着き、遅い人は6時30分くらいだと。
 4時40分ころ出発。ちょっと行くと、橋本方面への一気の下り坂となる。ヘアピンの続く下り坂を久しぶりにうまく走れ(一箇所ミスりそうだったが)、すごく楽しかった。それも20分程であっと言う間に終わり。370号へ入る分岐で再合流。74km、標高487m。360mくらい下ったのかな。
 宿には6時30分ちょっと前に到着。峠が既に来ていた。そして高田を同乗させた那珂車も到着した。これで、59同期は大分再集合したけど、同期会もパスしてツアー初日に参加した野田はいないんだよねえ。

 宿泊:大和五條 藤井館
 この宿には以前にも泊まっているので、雰囲気は良く覚えていた。まずは、洗濯機を借りて皆で洗濯をはじめるが、ちょっと洗濯機の位置が入りにくいところにあったかな。次に風呂、夕食前に缶ビール飲み出す。ここは、智辯和歌山高校などの合宿で良く利用されているんだとか。夕食をがっつり食べた後、洗濯物を干す。最後に、59同期の4人部屋のところで、軽く宴会。差し入れのお酒を少し飲んだら、もう眠くなった。

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部屋で軽く酒盛り

【宮村コメント】朝食も、川魚の甘辛煮とか山芋&フキとか山の幸が並び、おいしくいただいた。玄関にロケ隊らしい写真が飾られていたので尋ねると、この旅館に、緒形拳、北林谷栄、樹木希林らが出演し1991年に映画化された“大誘拐”のロケ隊が長期泊まったのだとか。この映画は龍神村が舞台で面白いのでぜひ見てください。ここからのもろ“龍神スカイライン”は、自分には苦しく走破どころじゃ無かった。“龍神温泉元湯”を過ぎ、道の駅“龍神”あたりから腰に違和感が出て、次第に痛くなった。綺麗な花を撮ると見せかけ小休止を繰り返し、最後尾ながら高野山手前の分岐に何とか辿り着いた。ここでGコーチにアドバイスされ、担いだバッグを少し下にずらすと楽になった。高野山では“奥の院”と高野山真言宗総本山“金剛峯寺”に立ち寄った。金剛峯寺内に数回入ったことあるが、ここの石庭である“蟠龍庭”(ばんりゅうてい)をこんなにゆっくり堪能したことはなかった。
 藤井館は、中庭にたくさんの木々が植えられ良い感じだった。59同期が集まりいっしょに盛り上がったためだろう食事の内容を覚えていない。
【浦野コメント】距離が長い日はついつい先を急ぎたくなってしまう癖がある。女子2人を先導した結果、勢い余って昔風情の龍神温泉郷をパスしてしまったのは痛恨の極み。女性陣に申し訳ないことをしたと反省しきり。同期会に参加していた数人がこの日合流して懐かしい面々との再開もまた嬉し。
【DAZコメント】*合流まで*東京9時発の新幹線で出発、新大阪・新今宮経由して南海鉄道高野線にて13:02橋本着。高野山で本隊と合流するべく橋本から自転車でスタート。国道370はバスなどが多そうなので、国道371を選んだ。交通量は少なくて良かったが、予想以上にきつい道のりでなかなか進めず、高野山着は4時となってしまった。本隊は1時間くらい早く着いて観光しながら待っていてくれたので、僕は今回観光なし(金剛峯寺の境内だけはかろうじて入れた)とはなってしまったが無事に合流できた。
 この後はレポート本編の通りですが、個人的に追記したいのは、宿で夜飲んだ峠さん差し入れのお酒がたいへん美味しかったということです。
【那珂コメント】*合流まで*5/1早朝に車で自宅を出発し名古屋へ。高校時代の友人と再会し夜はビジネスホテル泊。
 5/2に市内南部の大高緑地公園に車をデポして走り出す。岡崎でDONと、西尾市沿岸部の宿「旬菜海鮮の宿大勢」で石田と合流。
 5/3は半田市のミツカンミュージアムで高田と合流し、知多半島突端の羽豆岬経由で「ホテル小野浦」まで一緒に走る。ここで幹事宮崎、中村、元木、峠親子と合流し同期会。
 5/4元木含む自転車組は知多半島の西海岸を北上し、それぞれが帰路に着く中、高田と那珂はデポした車に向かう。五條でツアーに合流。なぜか野田が居ない。


Photo, Click to Popup 7日目:5/5(木) 五條→吉野 (45km/946m) 晴れ
 メンバ:G、宮村、浦野、DAZ、那珂、(離脱)野田潤、アコ、高田、峠
 (那珂記:2016/7/31)

 まずは前日宿に停めた車を、駅前なのに24h400円という格安駐車場に移動。本日から参加の那珂はレポート担当ということでTopを務める。今日は明日香村の観光がメインということで、タブレットのナビで走り始めるが、やがて後ろからオカシイぞコールが聞こえてきて、まさかのコースミス。
 気を取り直して一つ目のポイント、キトラ古墳へ。9月開園ということでまだ整備中のバリアがかけられていたが、隙間から入っていいよと暗示していたようなので迷わず入場。古墳の前で勘の鋭い峠さんがブルーシートをめくると内部の写真や説明書きが隠されていた。
【飛鳥歴史公園HPより】1983年11月7日に石室内の彩色壁画に玄武が発見された。玄武図とは亀に蛇が絡まった図のこと。埋葬されている人物には諸説あるが、天武天皇の皇子、もしくは側近の高官の可能性が高い。カビによる変質を防止するため、壁画は全てはぎとって奈良文化財研究所に保存されている。

 続いて高松塚古墳の展示館へ。展示されている壁画は写真ではなく、なんと模写。立体感というかリアル感を出すにはこれしかない、ということだろう。
 甘樫丘(あまかしのおか)はほとんどスルー。

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キトラ古墳 | 高松塚古墳

 飛鳥寺。ご本尊の前でお坊さんの説明を聞いたところでは、ご本尊の銅像は奈良の大仏よりも150年も前のもので、2度にわたる雷による火災にも耐えたという。
【パンフレットより】飛鳥寺は588年に蘇我馬子が発願し596年に創建された。本尊飛鳥大仏(釈迦如来坐像)は609年に推古天皇が造らせた日本最古の仏像。

 石舞台エリアでは、手始めに何やら窪地に造られた石の構造物についてガイドさんが説明してくれたが、気持ち良い日差しの下、やたら眠くなってしまった。酒船石は大きな岩のテーブルに水路と水溜りとなる窪みを彫り込んだようなもの。祭祀に用いられたのかもしれない、らしい。本命の石舞台。これはとても大きい。岩の下は人が何人も入れる半地下になっていて(石棺)、岩の隙間から光が入る。どうやって造ったのか興味深いが、どうやら半地下となっている空間の周りに土を盛ってから大きな岩を移動させてきて、天井として載せたらしい。

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飛鳥大仏 | 酒船石 | 石舞台

 そろそろ昼食の時間となったので、このエリアにあるレストランに入ろうということに。おしゃれそうな一軒は行列ができていて諦め、もう一軒のふつうのレストランにする。Menuは古代食御膳か万葉幕の内あたりを頼んだ。
 食事のあと、峠さんとはここでお別れ。すっかりガイドさんをやってもらってありがとう。続いて潤子ちゃんとアコちゃんは棚田を見てから帰路に着くということで、お別れ。(後で聞いた話では、今は畑になっていて棚田は見られなかったらしい。)

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古代食御膳 | お別れ

 残った6人は芋峠(標高480m)に向けて約360mのup。Topにいた那珂はいつしかオーラスとなり先頭集団の様子を知る由もないが、後から聞けばGokiさんに次いでGWラン初参加の高田さんが驚異の2番だったとか。もしかしてあのお腹は、本人の言う通りホントに筋肉だったのかも?氏は登ってきた道を戻り、単身赴任先の大阪の家に帰る。

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登り
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峠頂上 | 芋峠

 だんだん人が減って残り5人となり、今朝の賑わいが薄れていく。一旦吉野町(標高160m)まで下り、そのあと宿まで約240m登る。宿の手前で金峯山寺に立ち寄る。世界遺産である立派な仁王門は改修中であったが、網越しに中の仁王像を見ることができた。寺までは石段を登るが、その前にGokiさんが買ってくれた和菓子で一服。蔵王堂と呼ばれる大きな社殿はなるほど世界遺産レベルの立派さ。ここでは金剛蔵王大権現という3体の秘仏本尊の特別御開帳が行われており、GokiさんとDazの二人が拝観。外で待っていると白装束をまとった白人女性の行者さんがやってきて、社殿の前で法螺を吹き、お経を唱え始めた。ここまで極めたいと思ってくれる外人さんがいるというのは、少し嬉しい気がする。

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坂の途中で一休み
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金峯山寺の仁王像 | 門前の和菓子屋

 宿泊:竹林院群芳園
 ここまで来ればすぐに宿かと思いきや、まだまだ厳しい登り。宿は竹林院群芳園という立派なところ。庭園は豊臣秀吉が造らせたもので、館内のショーケースにも秀吉ゆかりの屏風や茶弁当が展示されている。茶弁当は観桜の際に使ったものらしい。桜の時期はさぞきれいな景色だろう。静かな吉野山の夜、みんな疲れ気味のせいか、美味しい食事のあとは静かにお休みモードに。

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茶弁当 | 夕食

【宮村コメント】今日からの那珂くんは、先頭で絶好調にリードしてくれた。奈良飛鳥周辺の古墳群は、整備が進んでいると思った。“飛鳥寺”に入る手前にあった蘇我入鹿の首塚は、離れて写真を撮った。撮っておきたいが怖いので。アコ氏、NJ氏と別れ、芋峠へ。こんなところをコンペするとは。疲れた。吉野山途中の“金峯山寺”に立ち寄った。吉野山も数年に一回は来ているが、“金峯山寺”は、いつも通り過ぎていた。古代からの山岳宗教の修験者というか、ほら貝とか使う山伏(山に籠もって厳しい修行する人)の道場かと思っていたので。でも紆余曲折あり寺院でもあるらしい。
 宿泊は由緒正しい“竹林院群芳園”。庭と館が広そう。夕食は鴨肉の鍋。鍋つゆは葛を溶かした秘伝の何とか。あぶらがのっており、エネルギーを蓄えられた感あり。
【Gコメント】このエリアは、以前に来た夏並みに暑くて、石舞台あたりでもうへばった。懐かしの芋が峠は、前方軍団のスピードアップできつかった。吉野は残念ながら桜が見れない季節なので、寺前で桜餅を買って食べたのがお慰み。金峯山寺の秘仏本尊はなかなかの物だった。宿では、洗濯ができないことが痛かった(従業員用も壊れている)。仕方ないので部屋でシャツとソックスを洗った。食後、そのまま寝てしまった。体が限界に来ているようで、口内炎ができてきた。
【浦野コメント】石舞台は中学の修学旅行以来なので40年ぶりの再訪か。当時は、今のようにきれいに整備されていなかったように記憶している(もっとも、浦野の記憶なので当てにはならないのだが)。芋峠のフリーランでは意外にも(失礼!)、近年お腹周りの成長著しい同期の高田の速さにびっくり。
【DAZコメント】朝、宿のご主人が、中庭の池にたくさんいる亀の話をしてくれた。なんでも、いちばんたくさん子亀を産んだ母亀はたしか80歳?とかで、ご主人よりも年上なんだとか。現在も現役で、若い雄亀を相手にして子孫を増やしているのだそうな。高田さんは亀の種類に詳しいということもここで分かった。いま日本にたくさんいるのは外来種のミドリガメだけど、ここの亀はそれではなく、クサガメ?だったか、イシガメ?だったか、解説してくれたのだけど、残念ながらどちらだったか忘れてしまった。
 見学した金峯山寺の秘仏、金剛蔵王大権現の特別御開帳は、いかにも秘仏という感じの神秘的かつ巨大な青色をした仏像で、圧倒的な迫力があった。撮影禁止だけどこっそり撮影したくなり、スマホを取り出したのだけれど、やっぱり罰当たりな気がして思いとどまった。今日は自分としては初めての古墳見学や、日本史の授業にも出てきた(気がする)飛鳥寺の見学など、観光ポイント盛沢山の一日だった。
【野田潤コメント】*メールより*5日間大変お世話になり、ありがとうございました。5日21時半頃、無時帰宅しました。輪行後、徒歩で橿原神宮に行き、見学。かなり大きく、きれいな神社で、びっくりしました。近鉄は始発だったので、急行でも余裕で座れ良かったです。今年も結局事件が発生しましたが、天候には恵まれ、豪華な食事付きの、とても楽しいランでした。本当にありがとうございました。レポートは、とりあえず自分なりに書いてみます。ラン後半戦はどうか事故なく、楽しいランになりますよう願っています。
【アコ氏コメント】*メールより*東京に戻りました。Gさんの入念なプラン二ングと皆様の暖かいフォローのおかげで、楽しい時間を過ごすことができました(^o^)/。ありがとうございました(*^^*)。かなり不安を感じていた5月4日の100キロ超コースもなんとか走れて良かったです。問題はこのサイクリング中にすっかり増進した食欲をどう元に戻すか 笑。野田さんの途中離脱は本当に残念ですが、また皆様と一緒に走れる日を楽しみにしています!ではサイクリング後半戦も楽しんでくださいね~
【高田コメント】*メールより*今回は飛び込み参加でしたが、お世話になりました。昨年9月にサイクリングを再開してから、北摂の山や淀川沿いの自転車道を走ってきましたが、自転車の楽しさを振り返る期間でした。今日の芋峠では連日走り続けている皆さんのペースを狂わせて申訳なかったような気がしますが、三日間追い風の平地で、あまり走った感がないなか、充実した最後の峠でした。また機会があればお誘いください。


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 メンバ:G、宮村、浦野、DAZ、那珂
 (DAZ記:2016/5/29)

 本日は午後から雨の予報のため、大台ケ原の宿にお昼到着が目標!とゴキさんからの宣言があった。さすがにお昼到着は難しいかもしれないけど、早めの走行を心掛ける。出発前に宿の庭園(群芳園)を見学。室町時代に築造され、秀吉の吉野山観桜の際に千利休が手を加えて修築したという由緒ある庭園だ。
 8時10分に宿を出発。山上の寺社群を中心とした吉野の集落は高野山を小規模にしたような感じの、下界と異なる独特な雰囲気を持った場所だった。昨日上った坂を下り国道169にいったん出て、コンビニで昼食の買い出しをして9時前に再スタート。

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庭園 | 集落を通って

 県道39を東に進み、宮滝からは国道169に入る。1kmある五社トンネルを過ぎて大滝ダムで小休止、ここには大雨体験コーナーのある防災ステーションがあるが、現在は閉鎖している感じだった。9:50に道の駅川上着、トイレ休憩。ここで小雨が降り出したがまだ雨具を着るほどではない。引き続き国道169を上って10:40に大迫ダム着。那珂さんが道の駅川上で買っていた葛餅を皆で頂いて、一息つくことが出来た。

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防災ステーション | 葛餅

 さてここから先の国道169は長いトンネルとループ橋が連続するが、これを避けるべく旧道を行くことに。一つ手前の大迫貯水池に降りる分岐に間違って入りそうになったが、那珂さんがグーグルマップをチェックしてくれて回避できた、危なく間違えるところだった。
 旧道ではループ橋の真下を通りつつ写真を撮ったりしながら11:40に大嶽トンネル出口のところで国道に復帰、雨も少し強くなってきた。1kmほど先の、大台ケ原へ向かう県道40との分岐点にちょうど茶店が有り、店は閉まっているがわずかな軒先があるのでここで昼食休憩とする。座るほどのスペースは無いので立食形式である。

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ループ橋を見上げて | 旧道を登る
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立食

 昼食後は各自カッパを着こんで、いよいよ大台ケ原へ向け12:30出発。道路脇の看板に書いてある数字は190幾つから始まって、だんだん減っていく。これはゴールの大台ケ原駐車場までの距離を100m毎にカウントダウンしていく表示で、雨で景色も楽しめない上り坂ではこの数字が楽しみとなる。3kmほど先の伯母峰峠(標高970)で小休止、トンネルを吹き抜ける風が強い。次は標高1220mくらいの所で、先を走るゴキさん達が待っていてくれてもう一度休憩。止まると寒いので、この後は各自のペースでゴールを目指す。稜線上の道となり、ゴールまで残り9kmくらいからは霧も濃くなってきて、ひたすらペダルを回し続ける。たまに下り坂があると距離を稼ぐのを楽しみにして走る。

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右に分岐して左のトンネル上に回る | 雨に煙る景色

 後でゴキさんから聞いた話だが、この道中で左側から子供の?イノシシが現れ、ゴキさんの自転車に向かって走ってきて、前輪と後輪の間、BB下のスペースに頭から突っ込んできたとのこと。しかし胴体が通り抜けられずにしばらく自転車の下でもがいた後、結局後退して頭を抜いて、自転車の後ろを通って右側へ消えて行った、とのことだった。この話、ゴキさんは軽い感じで話していましたが、けっこうすごい出来事だと思う。ゴキさんもびっくりしたでしょうが、イノシシ君も相当焦ったのではないでしょうか。
 そんな出来事があったとは知らず、ひたすら走って2:30ようやく大台ケ原駐車場に到着。レストハウスで雨を逃れ、すぐ裏手にある本日の宿「心・湯治館」へなだれ込む。


 宿泊:心・湯治館
 ここはほぼ登山者のための宿といって良く、大広間に相部屋で9時消灯といった点はいわゆる山小屋と同じだが、車でアクセスできる分、山小屋よりは設備が充実している。受付横にある3畳程度のスペースに自転車を入れさせてくれて、濡れた衣類は乾燥室に干すことができた(あまり乾かなかったけど)。受付を済ませたあと、お風呂が沸く5時まで時間があるので、乾いた服に着替えた後は入口ロビーの石油ストーブの周りで暖をとったりおやつを食べたり、他の登山客とお話して過ごす。GWの合間の平日なので、お客さんも少なめだったのだろう、僕らの他には単独行の客が5人くらいと、二人組が2~3組くらいだった。
 6時から夕食、そのあと吉野のお酒が有るのを見つけて那珂さんと「飲んでみたいですね」ということになり、那珂さんが買ってくれた日本酒をロビーに移動して皆で味わった。
 その場にいた20代くらいの男性に登山の話をいろいろ聞いて、明日の散策コースについても教えてくれたので有難かった。話によれば4~5時間くらいで日出ヶ岳と大蛇嵓(だいじゃぐら)を廻れるとのこと、天気も午前中に回復しそうなので明日は大台ケ原を歩きましょうということで8時頃就寝。

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宿のロビー | 夕食

【宮村コメント】朝、“竹林院群芳園”の手入れされた庭園や池を散策すると浄化された感じになった。吉野山からの下りが急で、ブレーキし過ぎ後輪がロックし、若干すべり怖かった。“大台ケ原”へ行くのは始めてで期待が高かった。ただ標高140mから1500mぐらいまで登るのでちょっと気がかりだった。“大台ケ原”への向かう県道40号分岐でお昼。雨降りの中、閉店の軒先で立食。気温は15℃ほどありまだ大丈夫だった。ここから900m弱の登りが、霧雨の中で周囲が見えず、次第に寒くなり、苦行だった。浦野くんのコメントにもあるが、道路端のキロポストの数字が減るのだけが励みだった。到着時、自分のGarminの記録温度は8℃だった。休憩場所のストーブで徐々に生き返った。“心・湯治館”の夕食は川魚の焼き物、肉炒め、カボチャなど煮物、卵とじ、味噌汁など種類色々で、とにかく食べた。
【Gコメント】朝、庭に出た時に2万円を落とした。宮村が気づいてくれて事無きを得る。ありがとう。雨の中、大台ケ原へ向かう登りでは、体がどんどん冷えて来た。瓜坊との接触はご愛嬌だが、良く考えれば無事で済んだのが不思議。登り切って、皆を待つのにレストハウス(物産館)にちょっと入っていたら、暖まるどころか、余計に寒さを感じて凍えてしまった。宿は基本的に山小屋で、(今日も)洗濯をできないのは痛かったが、そんな予想外に対処するのも一種の楽しみだ。
【浦野コメント】雨中の大台ケ原までのフリーラン。雨雲のため登れど登れど景色が変わらず、道路端のキロポスト数字が減っていくのが唯一の励みだった。登りにもかかわらず体が冷え切ってしまい休憩所のストーブの暖かさが身に染みた。
【那珂コメント】大台ヶ原までの登りは視界も悪くきつかった。ちょっと勾配が緩くなったところでかなり前方のGokiさんに何か黒っぽい動物が左から突進してきた。一瞬どうなるのかと思ったが、クランクのあたりで引っかかってすこしもがいた後、抜け出して右後ろの方に逃げて行った。その姿はまさに子供の猪であった。両者特にトラブルは無く何より。このハプニングで少し気分がリセットされて、残りの行程をなんとか乗り切る。


Photo, Click to Popup 9日目:5/7(土) 大台ケ原→天川(洞川温泉) (約58km/939m) 霧雨後くもり、一時晴れ
 メンバ:G、浦野、(離脱)宮村、DAZ、那珂
 (浦野記:2016/5/24)

 前日の雨は朝までに止んだようだが霧雨が降っているような、いないような、微妙な天気だ。視界も相変わらず悪い。朝食時、宮村さんのカメラにダズ氏が興味を示す。何かと思ったら、カメラ本体ではなく本革製カメラケースの曲線部分の仕立て(しわの状態)に興味があるみたいだ。図らずも彼の職人魂を垣間見るエピソードだった。
 大台ヶ原は屋久島と共に、全国1、2を争う多雨地帯。紀伊半島の南東に位置しており、熊野灘から20km弱で1500mの標高になることから、台風シーズンには大量の湿気を含んだ太平洋からの風が山の斜面で冷やされ大雨を降らせる。1000mm/日、4000mm/年の降雨量を記録したこともあるそうだ。それはさておき、朝食後も霧雨・強風の天気は変わらず。散策地図によれば大蛇嵓(ダイジャグラ)を含む東大台コースは徒歩4時間。大蛇嵓は「晴れていれば絶景」との千崎さんお墨付きスポット。晴れないまでもせめて視界が回復することを祈りつつ大台ヶ原散策に出発する。

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出発前のくつろぎ
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まず水の流れを渡る | 日出ヶ岳からは何も見えない
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しっぽり濡れてしまうが、微かな期待

 日出ヶ岳、正木峠、正木ヶ原と進むうちに霧雨は止み次第に視界も回復してきた。近年増えすぎて問題となっている野生鹿に途中で遭遇するも、目撃できたのは先頭を歩くダズ氏と浦野のみ。大蛇嵓に近づくにつれ雲が切れ始め、いやが上にも期待が高まる。先頭を行くダズ氏に至ってはつい早歩きになるのを抑えきれない様子だ。遠景の滝が見え、いよいよ大蛇嵓へ到着。快晴とまではいかないが今朝の天気を思うと奇跡的な回復ぶりで、青空が覗くなか約800mの断崖絶壁の向こうに大峯山系の大パノラマが広がる。突き出た岩の先端、鎖の柵ギリギリまで皆が到達し感動に浸る中、高所恐怖症を自認する宮村さんだけは少し奥まったところからこの絶景を楽しんで(怖がって?)おられました。

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大蛇嵓 | 下からの風が強い

 大蛇嵓を後にしてシオカラ谷にかかる吊り橋に下る途中、浦野が足を滑らせて尻もちをつく。尻ポケットに入れていたiPhoneに全体重がかかり筐体がグニャリ。大ショック。でも、衝撃をiPhoneが受け止めてくれたお陰でケガをせずに済んだと思うことにした。

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こんな下りで | グニャリiPhone
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ちょっと先輩の夫妻と会話 | 吊り橋

 昼前に駐車場に戻り、宿で用意してもらったおにぎり弁当をいただくが御飯がパサパサでお世辞にもおいしいとは云い難い。昼食後、前日雨の中登ってきた大台ヶ原ドライブウェイ標高差約850mを一気に下る。新伯母峯トンネル分岐の公衆電話で、スマホが壊れたため今後携帯での連絡は不可となった旨自宅へ連絡。

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下り始めの景色 | 下り終わり
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公衆電話から

 13時半、ここから五条へ北上してツアーを終了する宮村さん、那珂氏、ダズ氏に見送られてゴキさんと二人で南下。行者還トンネルを経て今日の宿、洞川温泉へ向かう。途中、ノーマークだったみたらい渓谷を散策。紅葉の季節はさぞや、と思われる渓谷美で得した気分だ。

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先に出発、新伯母峯トンネル
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御手洗渓谷

 宿泊:プチホテル&中華料理 彰武
 洞川温泉の宿「彰武」は中華料理店の二階2部屋を客室にしたプチホテル。部屋にユニットバスはあるが約1km手前の公共温泉まで送迎してくれるというので温泉でゆっくり汗を流すことができた。宿に戻り店のメニュー食べ放題の夕食。えびチリ、若鳥唐揚げ、餃子2人前、酢豚、ソース焼きそば、キムチチャーハン、スタミナ焼き、湯豆腐、ビール2本で満腹。

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メニュー、食べ放題、豆腐サービス

【Gコメント】朝の天気では期待できなかったのに、奇跡的に晴れた大蛇嵓はすごく良かった。前日山屋さんに聞いたら早くて4hと言っていたが、やはりそれよりも早く回った。今日分かれた宮村からJOGシューズを借りれたのは超ラッキー、ありがとう。行者還トンネルからの下りは、さぶい風が吹き、うまく走れなくて、浦野を大分待たせた。宿に向かう途中で散策した御手洗渓谷は、思いの外良いところだった。宿から温泉センターに行った帰りに、街を歩いた。射的をやってみるが、見事に外れ。一杯見かける「陀羅尼助(ダラニスケ)」は薬屋で、役行者(エンノギョウジャ)が弟子の後鬼(ゴキ!)に伝授した、キハダの木からつくる胃腸薬を売っているとのこと。宿のおばさんによれば、本当に作っているのは一箇所なんだと。
【宮村コメント】朝、東大台コースを巡った。霧の中を出発、山頂展望台に着いた時も霧で残念だった。途中、けっこう木々が枯れて、笹ばかりだった。増えているニホンシカが樹皮を食べ荒らすらしい。神武天皇像を過ぎ、“大蛇嵓”に着くころには霧が晴れていた。晴れると谷底まで流れ落ちる滝とかよく見えて足がすくんだ。“大蛇嵓”の先まで行った皆を見て、自分がその気分になり、もっと怖くなった。十分絶景を堪能したよ。
 1時半ごろ、“大台ケ原”・トンネル分岐で洞川温泉へ向かう2人と別れ、3人は一路五条駅へ。約50kmを走行時間約2時間で、16時過ぎ駅に到着。那珂くんの車にDAZくんと同乗し帰途に就いた。途中新東名で運転させてもらい、スムーズでSUVって視界が広くっていいなあって思った。野田くんはたいへんだったが、故郷紀伊半島の神秘的な山々、海、宿を楽しめたツアーだった。あと腰にくるので、今後ツアーでは、バッグを背負うのはやめよう。
【那珂コメント】朝起きてみると全く期待できない天気でがっかり。その分大蛇嵓で視界が開けたのには大いに感動。浦野の無残なiPhoneには気の毒としか言いようがない。目まぐるしく心動かされる午前中であった。
 *メールより*今年も楽しいツアーに参加させてもらってありがとうございました。残るお二人、今日と明日のご無事を祈ってます。宮村さんに書いて頂いた通り、無事帰宅しました。渋滞は無しなのにAM3時着と、それなりに時間はかかりましたが宮村さんやDAZに運転を交代してもらったので、随分楽に帰れました。こちらもありがとうございました。
【DAZコメント】*メールより*今年も楽しいGWランとなりました。色々お世話になり、本当にありがとうございました。きのう三人になってから、1人輪行して帰るより皆さんと一緒のほうが楽しい気がしてきて、那珂さんの車に便乗をお願いしました。新幹線のキップは五条駅で払い戻しして、おかげさまで最後まで寂しくならずに帰ってこれました。残りの日程も、充実したランとなりますように、ご安全に。

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吉野川沿いの下り | 五条駅で帰路へ

Photo, Click to Popup 10日目:5/8(日) 天川→十津川(十津川温泉) (76km/474m) 晴れ
 メンバ:G、(離脱)浦野
 (G記:2020/2/15)

*一人静かな川沿い
 晴れてるけど、冷んやり。準備でウインドブレーカまで着る。今日のメインは、小辺路の果無(ハテナシ)峠にトレッキングすること。標高差1000m弱。それまでは、川沿いをゆるくアップダウンしながら下って行く。途中で谷瀬の吊り橋には寄る予定。浦野も長い行程なので、朝食を早めてもらう。
 7時20分、浦野を見送った後、自分も出発。川では、天然の虹鱒がたくさん泳いでいた。近くの竜泉寺に行ってみる。ここは真言宗の総本山だって。初めて見る水行場があった。ここから南下して、少し登ってすぐに下り。寒くて鼻水が出る。左肩が凝ってしまって、左コーナが難しい。8時には21号の出口に出る。230mくらい下りて来た。

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後鬼(ゴキ)が案内 | 竜泉寺の水行場

 すぐ53号に入り、天ノ川沿いに出る。あたりはとても静か。脚が重くて、下り気味なのにスピードが出ない。30分ほど走った所で、Rがパンク。石にカツンと当たったと思ったが、前にサイドカットした部分。パッチ修理して、タイヤ裏のテープを2重にする。9時30分頃、坂本で、168号に入る。ここまで、28km。少しあったかくなってきた。災害復旧のためか、トンネルや新しい橋がたくさん出来ていて、道が川の流れに沿わずに大分直線的になっている。ちょっと横道に入ってみると行き止まりだったりして、体力温存のため面白くないが楽な方を進む。天ノ川は途中から十津川になる。

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道は先で消えている

 10時40分ころ、谷瀬の吊り橋に到着。ここまで、45km。新しい道はここをトンネルで通りすぎてしまうので、分岐標識のチェック要。前に来た時はたくさんの人が渡って揺れがひどかったが、今は閑散。それでも、橋の中央まで行くと、やっぱり結構揺れた。今回は、それよりも、板が踏み抜けそうなのが怖かった。戻って来て、管理のおじさんと少し会話。小さい頃は自転車で渡っていたとのこと。今はバイクでないと無理だと。

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谷瀬の吊り橋

 12時30分前、十津川温泉郷に入り、もう宿も近そうだ。ここまで、75km。むっちゃ晴れて来た。昼飯のためドライブイン長谷川に入る。名物だという山菜釜飯定食を食べ、これからの山登りへ体の準備を整える。

*果無峠へ >>>ガイドマップ
 1時ちょっと過ぎに出て橋を渡ると、5分もせずに向井去来句碑に到着。ここに、本宮へ向かう小辺路に入るポイントがある。自転車と荷物を置いて、JOGシューズに履き替える。過去に何度もレーサーシューズで山登りをしているが、今回はJOGシューズにとても助けられることになる。貸してくれた宮村に大感謝だ。峠の反対側まで行くのは時間が無いので、ピストンする予定。ガイドパンフレットによれば、登り2.5h、下り2.0hの合計4.5h。暗くなる前には帰ってこれるだろう。ドライブインの標高が127m(メータ上で)なので、935mほど登ればいい。
 1時25分、登り始める。背中にはボトルを入れたナップサック。5分で登山口に入り、JOGシューズなので地面を気にせずガシガシ進む。最近は、会社まで片道3.5kmの徒歩通勤で、1kmを6分前半までスピードアップしているので、面白いように進む。1時50分、写真でお馴染みの世界遺産の碑に到着。辺りには集落があり、ここまではバスで来れるようだ。

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石のある道 | 世界遺産の碑

 2時30分、第二十三観音。2時45分、果無観音堂、比較的新しいもののよう。ここで水を補給する。そして、3時13分、ついに果無峠(1060m)に到着。止まると涼しい。静か、僅かに鳥の声がする。西国三十三観音(第十七番観音)がある。

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石の少ない道 | 途中視界が開けたところ
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峠にある西国三十三観音

*あてなしの旅へ
 思いの他、早く楽しく登れたので、欲がでてきてしまった。ピストンの予定を変更して、反対側に降りてしまおうと。野田がいないので、無理のツケは自分だけ。もし戻るバスがあればラッキーだし、無くても平地ならすぐ戻れるだろうと。(ガイドパンフレットの地図には道が載っていないので勝手に推測。)
 3時21分、出発。とことどころの道標は少し元気が出る。途中に、本宮町側の十津川が見渡せるところがあった。3時43分、第十四番観音。4時13分、七色集落への分岐。4時40分、八木尾側の出口、これで山道は終了。ここでトイレ。最後は少しの階段で八木尾側登山口、道路に出た。その向こう側はすぐ十津川の河原。ちょっとして来たバスは新宮行きだった。十津川村へのバスは、と時刻表を見るが、どう見ても全く無かった。ここで今更ながらにgoogle mapをチェックすると、戻るのに12kmの道のり。しかも行く手にはいくつか登りがあると。

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下り始めの道 | 道標
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本宮町側の十津川

 4時54分、覚悟して歩き出る。舗装路では楽しくないし、さすがに疲れてペースがあがらない。川沿いに七色集落へ登ってきて、バイパス道と合流すると、その先にずっと登っていく道が見える。5時52分、あと6km。宿に7時くらい着になるとTEL。暗くなりそうなので途中から走るが、全然走りにならない。滝が見えてこれで登りが終わり、降りると、十津川村温泉郷の看板。自転車に戻り、宿についたのは、ギリギリ暗くなる前の6時51分だった。

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ずっと登って行く道 | 滝

 宿泊:十津川温泉 民宿 松乃家
 おばさんと、帰省してきた息子がお出迎え。まずは温泉につかる(小さめのお風呂、ちょっと暑かったかな)。食事は広間で、ゆっくりとビール一本。(バイクで来てた)カップルに話しかけられる。登山口の自転車見たと。果無峠どうだったか聞かれ、きついけど良かった、ピストンなら行けるよと話したが、無理かなあと言ってた。(まあ、翌日の天気的にも無理ですけど。)
 部屋に戻ると、翌日の準備など全くせず、そのまま寝てしまった。


【浦野コメント】*離脱からソロ走行(約119km)*浦野はこの日が最終日。洞川温泉から北東へ向かい五番関を超え川上村経由で紀伊本線三瀬谷駅そばの道の駅にデポしてある車まで戻る予定だったが、五番関が通行止めとのことなので、国道309→県道39(吉野神宮)→国道166経由で戻ることにした。距離は伸びるが獲得標高はかえって減るので何とかなりそうだ。朝食は早めに用意してもらい、7:20にゴキさんに見送られて出発。絶滅したニホンオオカミ像を東吉野で見学(東吉野が最後の捕獲地らしい)した以外はひたすら走り、13時過ぎに道の駅奥伊勢おおだいに無事到着。この日の単独走行のために、途中離脱した野田氏からインフレーターを借用していたが運よくお世話になることもなく、8泊9日という自分としては現役時代以来の長期ツアーを締めくくった。


11日目:5/9(月) 十津川→新宮= (48km/227m) 雨
 メンバ:G
 (G記:2020/2/16)

*やさしさに包まれて
 5時30分に起床してパッキングする。洗濯済みソックスを濡れないようにガード。同じ道を通るのは嫌なので、元の予定では、ここから田辺へ向かうはずだった。しかし、早くから完全な雨の予報だったので、昨日のうちに完全燃焼するように予定変更。今日は素直に最短で新宮駅へ向かう。目指すは12:44発のワイドビュー南紀6号。ちょっと早めの7時に朝食。泊まっていたのは、うちとバイクのペアだけだった。連休はもう終わってるからね。

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宿からのぞむ十津川。下流のダムで水を湛えている。

 7時40分に雨の中を出発。小辺路の終点、熊野本宮には8時30分に到着。無事来れたので、もう一度お参りへ行く。雨音だけの静寂。しばらくして、ここを出ると、十津川から名前の変わった熊野川沿いに、ひたすら距離をかせぐだけ。しかし、体はヘロヘロで全くスピードが上がらない。頑張って!、ランドナーのおにいちゃん?に声をかけられ、抜き去られる。ずうっと、水たまりの中を走っている感じで、通り過ぎる車には盛大に水をかぶせられる。なんとか市内に入ってから、近道しようと、google mapを時々見ながら進んだが、かえって余分に時間を食ってしまった。やっとこさ新宮駅に着いたのは10時34分。たったの48km。

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静寂の熊野本宮。

*晴れやかに
 トイレ前の庇のあるところで、濡れを落とし服を絞ってパッキング、輪行、そして着替え。この作業が一番疲れた。雨は降り続いているが、晴れやかな気分になって、切符を購入、駅前にある喫茶店に向かう。店はマダムが一人で切り盛りしてる。一押しの牛スジカレーセットを頼む。これがうまかったあ。
 予定通り、12:44発のワイドビュー南紀で、帰路へ。走り出すとトンネルがすごく多い。伊勢から走ってきた道を思い出し、改めて地形の険しさを感じた。2回目の紀伊半島ツアーが終わってしまったが、満足感はある。ここで、ネットを見ていて、危うく名古屋を乗り過ごしそうになった。これがオチにならなくて良かった。


<おわりに>(G記:2020/2/10)
 全体として、とても充実したツアーでした。写真をあらためて見ても、人の出入りも含めて、いろいろ楽しいことがありました。自分的には、初めてだったコース、伊勢からのルートや、丸山千枚田、大台ケ原が特に良かったです。
 やはり、残念だったのは、野田さんが怪我で早々に離脱したこと。最後の方で人数が少なくなってからも同行するはずだったので、小辺路を一人で行くのは少々寂しかったです。その分一人なので無理をしちゃいましたが。野田さんはかなり重症のようですが、できるだけ早く復帰できるように祈ってます。


関連リンク:
 ’92夏の近畿(紀伊半島)ツアー
 GWラン at 南紀
 参考:酔狼通信222
 参考:酔狼通信230