ショートレポート: ビワイチ2022

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近江大橋と桜
by 浦野(投稿日:1 Apr 2022)

Map, Click to Expand 日程:2022/3/20(日)
参加:浦野(計画)
コース:=道の駅近江母の郷→(琵琶湖一周)→道の駅近江母の郷= (191km - 6.3h)

メモ:
 国内に数あるサイクリングルートのうち世界に誇りうる魅力的なサイクリングルートとして指定されているのがナショナルサイクルルートで、つくば霞ケ浦りんりんロード、しまなみ海道とともに2019年に指定されたのがビワイチ(琵琶湖一周ルート)だ。しまなみ海道は2013年のGWツアーで走ったがビワイチは未経験だったためいつか挑戦しようと思っていたところ、3/19~21の三連休の予定がキャンセルとなったため急遽走ろうと思い立った。同行希望者がいなかったので、どうせ一人ならばと、湖岸の城跡を巡りながら走る計画とし、自転車は車中泊との相性や走行性能を考え20インチミニベロにした。


1日目:3/20(日)
コース:=道の駅近江母の郷→(琵琶湖一周)→道の駅近江母の郷=
参加:浦野(計画)
天気:曇り時々雨
距離:190.74km
獲得標高:333m
走行時間:12h18min
GPXファイル:ダウンロード

*現地に到着するまで
 3/18(金)の夜、勤務先でシャワーを浴びて車で出発、愛知県豊橋市の道の駅で車中泊。3/19(土)は琵琶湖まで移動し湖岸の佐川美術館へ行ってみた。常設展示されている平山郁夫画伯の作品を観るのが目的だったが、行ってみると近年ストリートアーティストとして注目されているバンクシー展が開催されており、得した気分で両方鑑賞した。
 翌日のビワイチは200km弱を想定しており、明るいうちに完走するためには出発時刻を早めざるを得ない。午前6時出発を目標にして、この日は琵琶湖北東部湖岸にある道の駅近江母の郷で早めに就寝。

*雨混じりでも順調な前半戦
 3月20日(日)5時過ぎ起床。夜中の雨で目が覚めたが5時には止んでいた。強めの北風が吹いているのでコース終盤は辛くなりそうだ。ミニベロには荷物をほとんど積載できないためウインドブレーカーを持っていくか迷ったが、標高の高いところに行くわけではないし走っている間は寒くないだろうと、置いていくことにした。明るくなるのを待って6:05に出発。気温は3℃。

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道の駅近江母の郷

 湖一周では、湖岸に近くなる反時計回りがお約束。実際、ビワイチも反時計回りが前提になっていて、案内板や路上の青ラインは反時計回りにのみ設定されていた。
 6:20(4.0km)晴れ間も広がる中、長浜城に到着。長浜城は秀吉が最初に築いた城で、家康ゆかりの岡崎城、信長ゆかりの清洲城などとともに出世城の一つに数えられている。ここは以前見学したことがあるので写真撮影のみですぐ出発。

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長浜城 | 道路上のビワイチ案内

 6:55(16.5km)東岸を北上していると、ちょうど竹生島に虹がかかったので写真を一枚。

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竹生島にかかる虹

 朝早いこともあり交通量も少なく走りやすかったが、路面はずっと濡れた状態だったので早くもお尻が冷たくなってきた。琵琶湖北部にはビワイチで唯一の峠(標高差約60m)があったが、序盤でもあり苦にはならなかった。再び湖岸に出るまでには畑のあぜ道のようなところもあったが、そんな場所には必ず案内板が設置されており路上の青ラインも相まってルートに迷うことはほとんどなかった。ナショナルサイクルルートに選定されているだけのことはあり、走りやすくする工夫が随所に見られた。また、ビワイチルートとしては今回挑戦している200km弱の上級コースと初心者向けの低速コースが設定されているようで、所々で異なる進行方向が指定されていた。

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ほぼ全周にわたって引かれている青ライン | 上級コースと低速コースで一部ルートが異なる

 7:45(31.6km)ビワイチ最北端の塩津を通過し南下開始。ほぼ一車線分が自転車と歩行者のために確保されたトンネルもあり、こんなところにも自転車が走りやすいよう工夫されていて感心した。南下するので追い風になるはずだったが体感上は横風で有難みは少なかった。

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北部の内陸部分もしっかり案内 | 左半分が歩行者/自転車専用のトンネル

 8:23(43.5km)海津大崎で初めて小休止してパンとお茶でエネルギー補給。ここは桜の名所らしいがまだ蕾は堅かった。8:35出発。この頃から雲行きが怪しくなり、時々小雨がぱらつき始めた。
 9:51(70.7km)小雨降る中、高島キャンプ場でトイレ休憩。ミニ羊羹1個。
 10:01出発。そろそろ疲れが出てきた。天気も悪く気分も落ち込む。JR近江高島駅が近づきそろそろ大溝城跡のはずだが場所が良く分からない。井戸端会議中のおばさんに尋ね、ようやく発見。
 10:13(72.7km)で大溝城跡着。織田信長の甥である小田信澄なる人物の築城との案内板があったが現在は小ぶりな石垣が残るのみ。

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大溝城跡 | 大溝城跡案内板
 
 10:28に出発するとまた降り出し、白髭神社を通過する頃には本格的な雨になった。湖中に立つ鳥居が目につき神社内では鳥居に向けてカメラを構えている人も見えたので「この鳥居は有名なのかな」と思ったが、雨が降る中、国道161号は交通量も多く立ち寄る気になれずそのまま通過した。後日調べると湖中に立つ鳥居越しの日の出が絶景スポットとして有名なんだそうだ。
 11:02(86.4km)JR比良駅で小休止。雨は止み晴れ間がのぞくようになった。駅で地図を確認していると、地元のサイクリストというおじさんに声をかけられた。ビワイチ走行中と告げるとその人は月に一回くらいビワイチしているとのこと。この頃には自分としては「一回走れば十分」と思い知っていたので、よく何回も走る気になるなあと感心するやら呆れるやら。11:10比良駅発。
 11:49(98.8km)琵琶湖大橋の交差点を通過。本来のビワイチコースは琵琶湖大橋の手前で左折して湖岸を進むようだが、左折の看板を見落としたのか気づかなかったのと堅田駅前で昼食を摂りたかったため、県道558号を直進してしまった。餃子の大将は満席で入れず、CoCo壱番屋でメンチカツカレー大盛を注文。ここまでの走行距離はちょうど100km。明るいうちに完走するためには”午前中に100km”が一つの目安だったのでギリギリ目標達成だ。お腹いっぱいになったところで12:35出発。雨。

*雨上がるも向かい風に苦しむ後半戦
 13:00(107.7km)坂本城址着。雨は止んでいた。坂本城は明智光秀が築城した城として有名なのだが現在遺構はほとんど残っておらず、琵琶湖の水位が下がると石垣の一部が水面上に顔を出すらしい。近くの坂本城址公園で説明版など読んだ後、石垣があるところへ行ってみたが案の定、石垣は水面下に沈んでいるらしく見ることはできなかった。

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坂本城跡 | 湖底に坂本城の石垣がある場所

 13:20坂本城址発。これ以後、雨に降られることはなくなった。
 13:52(117.5km)近江大橋と桜をバックに記念撮影。

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近江大橋と桜

 13:57(118.3km)膳所城跡公園という看板が目に入った。城跡と名がつくからにはパスするわけにいかず、予定外の見学となった。膳所城は関ケ原合戦後に徳川家康が藤堂高虎に築かせた城、というのは後日のネット情報で知った次第。

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膳所城跡公園 | 膳所城下町案内版

 14:07発。午後になってからなかなか距離が稼げずちょっと焦りだす。
 14:15(121.6km)ビワイチ最南端地点の瀬田唐橋に到着。公式には瀬田唐橋がビワイチの起点になっているようで、一周193kmを示す起点看板有り。

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瀬田唐橋 | ビワイチ起点の看板(ハンドルの陰に一周193kmの表示あり)

 14:20発。ここから残り70kmあまりは向い風を強く意識することになった。
 14:58(134.9km)道の駅草津に到着。北上し始めてからは向かい風の影響もあり、ペースが上がらない。疲れがピークに達しつつあり、パンとミニ羊羹でエネルギー補給。
 15:10道の駅草津を出発。日没の目安となる18:00まで3時間弱で残りは約60km。疲れ具合を考えると最後はナイトランになりそうだと覚悟した。琵琶湖大橋までの数kmは渋滞していたため、歩道兼自転車道(ビワイチ低速コース)を走った。
 15:29(140.9km)昨日訪れた佐川美術館脇を通過。
 16:09(154.2km)藤ヶ崎龍神(神社)に到着。県道559号が工事中で歩行者と自転車は湖畔へ迂回するよう指示されていたため、偶然立ち寄った。後日ネットで調べると、知る人ぞ知るパワースポットとのこと(自分はパワースポット自体、信じていないのだが)。琵琶湖に面している外宮と岩間の空洞を利用した内宮があり、景色が美しいことから和歌にも多く詠まれてきた場所だそうだ。

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藤ヶ崎神社案内板 | 内宮
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水茎の岡

 また、平安時代には巨勢金岡という画家が描こうとするもあまりの絶景のため描き切れず筆を捨てたことから、筆捨の岡、水茎の岡、筆ヶ崎等の名が残ったとのこと。当日は何の知識もなかったので内宮だけちょこっとお参りして16:18にそそくさと出発。
 16:40(159.9km)コンビニで休憩。休憩する間隔が短くなってきた。
 16:45発。湖岸を離れ内陸に入り西の湖付近に来ると進行方向の関係でモロ向かい風。時速20kmを維持できなくなった。再び湖岸へ出て進行方向が変わると横風になったので少し楽になった。
 17:21(171.5km)道端に水仙が咲いていた。水仙を見るのは今シーズン何回目だろうか、と思いつつ休憩を兼ねて撮影。

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道端の水仙

 17:58(182.6km)日没が近くなるころ、彦根城が見えてきた。徳川家康の側近であった井伊直政が計画して以来、幕末の桜田門外の変で暗殺された井伊直弼に至るまで井伊家の居城であった彦根城は現存12天守のうち国宝指定されている5天守の1つだ(残りの国宝天守は姫路城、松本城、犬山城及び松江城)。

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彦根城遠景

 彦根城は以前見学したことがあるので、ここは遠景での写真撮影のみ。既に薄暗くなり、この辺りからナイトランになった。
 18:23(190.7km)すっかり暗くなった頃、道の駅近江母の郷に戻ってきた。総所要時間12時間18分で、無事ビワイチ達成となった。

*無事完走して
 公式には193kmのビワイチだが、琵琶湖大橋西岸で昼食を摂るため数kmショートカットしたことが影響したようだ。気温は3~10℃くらいだったと思うが暑さでバテることがなかったのでビワイチには良い時期だと思った。完走後は近くの温泉で疲れをいやし、車の充電時に仮眠をとりながら一晩かけて帰京した。


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