2022 奥蓼科ラン レポート

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白樺湖と蓼科山の展望
by DAZ(投稿日: 25 Sep 2022)

Map, Click to Expand 日程:2022/8/6(土)~ 8/7(日)
参加:G(計画)、浦野、DAZ
コース:=佐久平→奥蓼科温泉郷→佐久平=

 ツーリング記録 参照
<はじめに>
 Gokiさんから「7月半ばに走りませんか。」と題するメールが届いたのは6月26日のことだった。「7月16~18日の三連休を想定して、日帰りか一泊で、涼しさのある高原、蓼科とか。」とのご提案だった。浦野さんとダズが参加表明するも、三連休一週間前の時点で天気予報が芳しくなかったため、この三連休は見送りになった。(ちなみに、この時期の天気予報は直前までフラフラと変動していて、7月14日時点では天気予報が持ち直してきて、結果的には走るチャンスは有ったようだ)
 翌週23~24日の場合は参加者なし、30~31日の場合はダズのみ参加表明あり。ということで一応30~31日に実施予定としたのだが、ダズもコロナ第7波の影響などで都合が変わってきて、一週間前の24日に、再延期の希望をGokiさんに打診した。この時点で30~31日の天気予報をチェックすると悪い予報になっていたことも有り、再延期して次のターゲットを8月6~7日にした。
 8月1日(月)の時点で、なんとかいけそうな週末の天気予報だったので、Gokiさんから8月6~7日で再提案のメールを発信して浦野さんとダズが参加表明し、水曜まで天気予報を注視してから宿取り完了、ついに実施の運びとなった。今回も直前まで天気予報は変化し続け、最終的には「奇跡でもない限り一回は降られそう」との予想となったが、各自雨対策を準備して、予定通り出発することとなった。


Map, Click to Expand 1日目:8/6(土) =佐久平→道の駅「ヘルシーテラス佐久南」→八千穂→麦草峠(国道299号)→こまくさ平別荘地→奥蓼科温泉郷(61km/1657m) 曇り時々晴れ
 メンバ:G、浦野、DAZ

*佐久平、合流まで
 集合地は長野新幹線/小海線の佐久平駅、9時半出発の予定である。Gokiさんとダズは、佐久平8:51着の新幹線に乗車。浦野さんは金曜夜に車で出発して、最寄りの道の駅で一泊し、ここで本隊と合流する計画だ。新幹線の車中、軽井沢辺りでは雨と濃い霧の様子で、「こりゃー大変かも・・・」と思いつつ過ごす。
 佐久平に着くと薄曇りの空だったので一安心。佐久平駅の標高は約720mとのことで、東京と比べるとぐっと涼しいので、ウインドブレーカーを着てスタートする。まずは国道141号で6kmほど南下、千曲川に向かって緩く下っていく。時折日差しがあるのでやっぱり暑くてウインドブレーカーは途中で脱いで、国道142号との交差点を右折して道の駅「ヘルシーテラス佐久南」へ向かう。10時ちょうど、予定通り浦野さんと合流し、ここで忘れていた出発写真を撮った。

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道の駅で合流 

*麦草峠に向かって
 また国道141号線に戻って南下していく。麦草峠の登り口までノンストップで約14km走り、10時50分ころ国道299号との分岐に着いたところで小休止。ここで標高は810m、昼食予定の「レストハウス ふるさと」までは約870mの登りだ。昼食は13時半くらいかなぁ、とか話して、11時頃から登りをスタート。
 最初のうちは勾配も緩めなので、皆さんの夏休みの計画などを話しながら楽しく登っていく。空も晴れてきてかなり暑いので飲料をけっこう消費し、11時半ころ標高1000mを越えたあたりで駒場池キャンプ場に向かう道との分岐にちょうど良く自販機が有ったので、ここで小休止して飲料を補充する。
 この後はひたすら登る区間が続き、12時少し前にキャベツ畑が広がった辺りで写真ストップ、12時40分頃に標高1500mを越えたあたりで15分程度の休憩。だんだん雲の高さまで上がってきた感じで、昼食ポイントの「レストハウスふるさと」が見えてきた辺りで路面は少し濡れた箇所も出てくるが、でも雨に降られてはいない。  

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キャベツ畑前で休憩 | 登りが続く 
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雲の中のレストハウス | もう少し

 13時20分にレストハウス(標高1685m)に到着、裏手は展望所になっていて、雲の切れ間から少し展望も望める。ここに家族連れがいて、展望用の岩の向こう側(谷側)に下りてみようとする男の子を、お母さんが叱りつけていた。「そっちに落ちたら、トンボには会えるけど、お母さんとおばあちゃんにはもう会えないんだよ!」と大きな声で叱っているのを、(そんなに怒らなくてもいいのにねぇ・・)と思いながら僕らは店内に入っていき、とりあえず昼食だ。Gokiさんとダズは天ぷらそばと炊き込みご飯の定食、浦野さんは山賊焼き定食。特に山賊焼き定食はボリュームたっぷりで、満足の昼食となった。ゆっくりと休憩して外に出たら2時過ぎ、先ほどと同様、雲の中にいるような天気だが、展望所から少し下界の眺めがある。さっきのお母さんのモノマネをしたりしてから出発したところ、後方からまたあのお母さんの大きな声が聞こえてきたので、「あら、まだいたんですね、、」とモノマネして笑ったことを少し申し訳なく思いつつ、午後の部をスタート。

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お昼の定食 | レストハウス横から展望 

 ここからは九十九折れのカーブを繰り返してじわじわと進み、5km弱で300mほど登った所で白駒池入口に到着する。ここはハイキングコースの起点になっている所らしく、一帯の「苔の森」が「ジブリのもののけ姫の舞台のようだ」として人気があるらしい。駐車場とレストハウスがあって車も多く出入りしていて、僕らもここで一旦脚を止める。ここまで来ると雲の中のような天気ではなく青空が少し見えてきた。麦草峠までは残り約2kmで、いったん少し下ってから最後の登りで15時3分、標高2127mの麦草峠に到着!

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白駒池入口付近 

 峠では日差しも有って少々暑い感じ、青空の色も濃くて標高の高さを感じる。峠で晴天に恵まれて、日ごろの行いの良さを確認できたね?と皆で喜び合う。写真を色々撮ってしばし達成感を楽しんでいると、後ろからソロのサイクリスト(僕らと同年代か少し若いくらい?)が到着したので、お互いのスマホで記念写真を撮り合う。ちょうど一時的に交通量が増えてシャッターチャンスを待つのに手間取った。

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麦草峠 

*奥蓼科温泉郷へ
 撮影会が無事に終了して、15時15分頃から下りを開始。10分足らず下ったところで「日向木場展望台」があり、立ち寄ってみたが、ここら辺はまた雲の下端にいるような天気だったので、下界が微かに見えるもののそれほどの展望は得られず。

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日向木場展望台から

 更に九十九折れを下って標高1600mくらいまで下ったところで、こまくさ平の別荘地を経由して奥蓼科温泉郷に向かう道への分岐に到着、国道299号から分かれて県道に入る。別荘地帯から川を越えるとキツイ登り坂となり、路面も少し荒れていてウンウン言いながら登って県道191号(湯みち街道)に出た。

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別荘地帯からの分岐

 ここからは路面状態は良くなったけど、キツイ坂が既に疲労した身体にはこたえる。「渋・辰野館」の素敵な佇まいを眺めつつ、本日の宿「渋御殿湯」まであと2kmの道のりが、本日一番厳しい区間だった。ただこの道は交通量も極小で、途中右手の林の中に鹿が姿を現したりして、静かで雰囲気の良い道だった。山の中を進む県道の終点が「渋御殿湯」で、16時20分頃、標高1880mのお宿に到着! 到着門限の17時前に無事に到着できて良かった。ダズは30代の頃に八ヶ岳登山でここまでバスに乗ってきたことがあるので見覚えがある建物で懐かしい感じがした。Gokiさんも90年代に、ランのあと車でここまで温泉入りに来たはず、と記憶を辿っていた。

 宿泊:渋御殿湯

 宿のチェックインを済ませたら、さっそく温泉だ。お風呂は2か所あって、片方は石鹸を使える方、もう片方は源泉側で、こちらは石鹸なしで入浴のみ、とのことなので、まずは夕食前に石鹸使える方へ向かう。古い木造のままの温泉は雰囲気も良くて硫黄の香りもしてとても気持ちが良い。大きい浴槽は沸かして42°Cくらい、もう一つある小さな浴槽は沸かしてないので25°Cくらい?こちらは冷たくて、ちょっとだけ身体を沈めてプチ体験のみで出たけど、僕らだけの貸し切り状態で、素晴らしいお湯でゆったりとリフレッシュできた。
 夕食は17時から18時の間にスタートすること、という決まりなので、17時半ころ食堂へ。ビールで乾杯し、本日のコースを振り返りつつ、話題は明日のコースへと移っていく。明日のコースは二案あって、どちらも白樺高原~大河原峠を越えて佐久平へ行くのだが、その前に霧ヶ峰湿原を入れるかどうかで違いが生じる。霧ヶ峰無しのA案だと走行距離73km・獲得標高1225mで、霧ヶ峰ありのB案だと走行距離91km・獲得標高1641mとなる。さてどうする?ということになり、浦野さんとダズは、本日の走行がかなりきつかったのでA案に賛成。GokiさんはB案推しだったのだが、二人が意外にも弱気の意見だったため、「んじゃあ、A案で早めに終了にするのも良いかもね、」と少し残念そうに同意して、(いったん)意見がまとまった。

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乾杯後に夕食

 夕食のあとは、布団で横になって休憩中の浦野さんを残して第二回温泉入浴、今度は源泉側の浴室へ向かう。こちらも総檜造りの渋くて素晴らしい浴室で、浴槽は3つある。沸かしたお湯(42°C)、昭和28年発掘の新しい源泉「長寿湯」(31°C)、武田信玄軍の負傷兵も療養したという源泉「渋御殿湯」(26°C)の3種類。長寿湯は足元からプクプクと湧き出してくる特殊噴泉で、長く入っていられる快適さだ。Gokiさんは26°Cの冷たい源泉に、かなり長時間つかって楽しんでいた。
 部屋に戻ったらすっかり眠くなり、9時前には早くも消灯して本日は終了~。

【Gコメント】八千穂からの上りではすぐに暑くなってきたが、高度があがると(曇ったこともあり)涼しく走れたのは狙い通りだった。峠付近では晴れてくれて、普段の行いがちょっとは良いのかな。別荘地分岐から渋温泉側に出る道は短いのだが、ひどく凸凹で疲れた。温泉では珍しい三種とも良くて楽しめた。1990年に那珂たちと蓼科ランの後に車で来たのは、この宿の湯か、他の宿かは思い出せなかった。

【浦野コメント】初日はとにかく疲れ果て、宿についた時はフラフラでした。二つあるお風呂も片方しか入る事ができないほど。夕食はいつものようにお腹いっぱいいただきましたが、白米の味がイマイチだったのが少し残念でした。


Map, Click to Expand 2日目:8/7(日) 奥蓼科温泉郷→県道192号~県道424諏訪茅野線→霧ヶ峰湿原→ビーナスライン(県道40号)→白樺湖→女神湖→大河原峠(蓼科スカイライン)→佐久平=  (94km/1657m) 晴れ、一時雨
 メンバ:G、浦野、DAZ

*爽やかな朝に心変り
 朝も温泉に入りたいので、6時頃起床する。窓の外を見ると、意外にも青空が広がり爽やかな空気だ。それぞれ温泉に向かい、また素晴らしいお湯を堪能して部屋に戻ると、一泊して元気を回復した浦野さんが「やっぱり霧ヶ峰湿原も含めたB案にしたい!」とGokiさんに打診したとのことで、「じゃあダズの意見も聞いてみよう」となって二人が待ち構えていた。そうなると2対1で多数決は逆転したわけなので、「分かりました~」という他なく、本日のコースはB案に変更と決定。思えば浦野さんは金曜夜に出発して車で仮眠しただけだったので昨日はお疲れ気味だったが、温泉と布団でゆっくり休めば本来の活力溢れる浦野さんに戻るので、こうなることは充分予想できたことだ・・・。
 さてそうなると早出したいので朝食を早々に済ませ、8時には出発しようと急いで準備する。ところで印象的だったのが宿のトイレ、泡洗浄式トイレ「ネポントイレ」というのが全館共通の仕様で、これは少量の水を効果的に利用する、という趣旨の節水式トイレのようだ。ボタンを押すとジャーっと水が流れるのではなく、ジワジワっと泡がゆっくり出てくる、山小屋に近い設備仕様になっている。何はともあれ、素晴らしい温泉を堪能してお世話になりました。
 8時に出発写真を撮った後、道の終点から更に砂利道を遡ると神社が有ようだから御参りして行こう、ということで、徒歩で行ってみる。現在の渋御殿湯の建物から上流側に、朽ち果てたような大正時代の旧館らしき建物があり、その先に、右手は登山道入り口、左手には石段があってその上に小さな御社がある。グーグルマップによると「渋山権現神社」というらしい。ここで昨日の晴天のお礼と本日の安全祈願をしてから宿まで戻り、8時15分に自転車で本日のランをスタート。

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宿前で出発写真 | 渋山権現神社

*霧ヶ峰湿原経由でビーナスラインへ
 まずは昨日苦労して登ってきた県道191号線をぐんぐん下る。標高で200mほど下ったところにある「御射鹿池」(みしゃかいけ)まで来ると、カメラを構えている人が何人かいて、何を撮っているのかな、と思って僕らもいったん停止する。ここは東山魁夷の絵画「緑響く」のモチーフになった場所として有名らしい。農業用のため池だが、奥蓼科温泉のおかげで酸性が強く魚が生育できない環境のためきれいな水が保たれ、風のない日は水面が鏡のように周囲の森林を映し出し、美しい風景写真が撮れる場所である、とのこと。

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御射鹿池

 僕らもしばし景色を楽しんだ後、またどんどん下り、さらに標高を300mほど下げて県道484号と交差したところで右折して国道299号に向かう。この辺りで青空になってきて日差しが暑いのでウインドブレーカーを脱ぐ。この先からはGokiさんが先導し、まっすぐ白樺湖に向かうA案の国道152号をパスして細かい分岐をいくつか経て、標高890m程度まで下がって(本日のスタート地点から1000mダウン)、9時過ぎころに霧ヶ峰湿原方面へ向かう県道424号(諏訪茅野線)に入っていくと、まもなく道は登りとなってくる。じわじわと登りつつ、霧ヶ峰農場の辺りで道がぐいっと北に曲がるところで10時少し前に小休止、牧草地帯や建物の感じがなんとなく北海道みたいだなあ、などと話しをした。

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細かい分岐 | 霧ヶ峰農場あたりの牧草地

 更に30分ほど登っていくと、10時35分ころ「天然記念物 霧ヶ峰湿原植物群落」に到着。ぱぁーっと視界が開けて丁度青空も広がってきて、天候を心配したランとは思えないほど爽快な景色が広がった。お花も最盛期は過ぎているけどまだ少し咲いているし、嬉しい気分で景色を堪能する。
 ここから10分程度登り進むと、こんどは植物群落の一帯を上から見下ろせる場所に来て、再度脚を止める。この辺りの景色は最高で、なおかつ交通量も極小で実に良い気分、今朝浦野さんがコース変更を言い出してくれたおかげでこんな良い景色を見られて、霧ヶ峰経由にしてホントに良かった~、と皆で喜び合う。

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霧ヶ峰湿原植物群落(踊場湿原) | 上から望む湿原

 静かで快適な霧ヶ峰を堪能しつつ、やっぱり霧ヶ峰といえばエアコンの話題に。エアコンに「霧ヶ峰」って名づけたのはどういう訳だろう、それはやっぱり爽やかで快適だからでしょ、などと話しながら登った。後で三菱電機のHPを見てみると、エアコンがクーラーと呼ばれていた時代、夏でも涼しい気候の霧ヶ峰高原のイメージがピッタリということで命名された「霧ヶ峰」は1967年に登場したということで、実は他にも「軽井沢」「志賀」「上高地」などの製品があったらしいがそれらはやがて姿を消し、「霧ヶ峰」だけが現在に至るまで進化しながら続いている、ということだ。
 空にゆったりと舞うグライダーが見えてきて、おぉ~っと眺めながら登っていくと、やがて前方に県道40号ビーナスラインとの交差点が見えてくる。ここまでのゆったりと快適な道と違い、ビーナスラインはかなり交通量が多いようだ。ビーナスラインに入ってからもまだ登りが続くが、車に注意しながら路肩に寄って、休まず登るしかない。お腹も減ってきてGokiさんと浦野さんに着いていけず遅れをとるが、登り切ったところに「チャプリン」というレストランが有って駐車場に多くの車が出入りしているので、ここで小休止する。先ほどまでの静けさとは一変し一大観光地帯に入ったようで、たくさんの人でごった返している。ダズはここでなにか食料調達できないかな、と「チャップリン」に入ってみるが、売店に食べ物系は無くて、仕方なくペットボトルの飲料だけ買って戻る。
 ここからは下りだけど、とにかく車に注意して慎重に走り、途中「富士見台」の展望台に立ち寄ると、青空が広がっているが富士山までは残念ながら見えないようだ。ちなみに浦野さんはつい数週間前?にも家族旅行で、ドライブでここに来た、とのこと。更に下って「白樺湖展望台」にも立ち寄る、眼下には白樺湖が、そしてその向こうに蓼科山の雄大な姿が見えていた。

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富士見台 | 白樺湖と蓼科山の展望

 更に下って白樺湖の北岸辺りまで下りてくると、池の平ファミリーランドという家族連れ向けの施設が有って、まさに高原の観光地って雰囲気だ。ちょうど12時で、ローソンも有るし食堂もありそうだけど、僕らはここから更にあと5km、標高1500mの女神湖まで進んでから昼食にしたいよね、と事前に話していたこともあり、ここは道の確認をしただけで先へ進む。女神湖までは標高差で120m程度登るだけなんだけど、やけにきつかった。12時半ころどうにか女神湖近くの集落まで到着し、何軒かお食事処があるが、事前に目をつけていた「珈琲軽食たんぽぽ」に向かう。
 ここはメインストリートから少し脇道に入ったところの木陰に佇むすてきなカフェで、白樺湖周辺の喧騒とは打って変わって穏やかな良い雰囲気が流れている。テラス席で爽やかな風に吹かれていると気持ちも落ち着き、Gokiさんと浦野さんはミックスピザ、ダズはビーフカレーに、それぞれコーヒーを注文。Gokiさんはデザートにたんぽぽパフェも追加する。近くの野外音楽堂からは演奏の音が聞こえてきて、あとランニングチームが高原で練習しているようでランナーが時々通っていくが、なんか爽やかな雰囲気がとても良い。ここで小一時間、とてもリフレッシュした。

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たんぽぽのテラスでお昼

*大河原峠に向かう
 昼食を終えたら、ダズが補給食を切らしてしまっているので補充するべく、女神湖畔の「女神湖センター」になんか売店あるだろう、と行ってみる。売店はあったが、サイクリングの補給食になりそうなものとして唯一有ったのが「ぷちくるみかれん」という、茅野市のケーキ屋さんが作っているお菓子で「全国菓子大博覧会金賞受賞」とのことだが、5個入で900円とお高い。でももう他に店も無さそうだし、高原リゾートでは高級菓子しかないのね、と諦めてこれを購入したが、浦野さんからは「コスパ悪いね~」との評を頂く。ともあれ元の道まで戻り、白樺高原ホテルの前の自販機で飲料も補給して、午後の部は13時40分ころから「蓼科スカイライン」でスタート。大河原峠までは約600mアップである。
 14時頃、視界が開けて女神湖を見下ろせるポイントで小休止、そのあと14時半に「御泉水自然園ビジターセンター」(標高1830m)でまた小休止。この辺りまで、まだ青空が見えていた。

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上り途中、女神湖を望む | また小休止

 地図ではこの先、大河原峠の2kmほど手前に「兜巾(トキン)の岩」(巨大な岩峰)という見所が記してあるので、そこでもう1回休めるかなあ、と話していたが、ちょうどそのあたりから霧が出てきて、谷側の左手に「トキンの岩」の看板を発見したものの、何も見えそうもない状況だったので残念ながら通過。霧の中を抜けてまた視界が開けるとまもなく、15時15分に大河原峠(標高2093m)に到着~!
 峠では青空も見えてまずまずの天気だ。時折頭上の雲が取れると、濃い青色の空が見えて、ここでも標高が高いことを実感する。峠の看板で記念写真をたくさん撮って、ここで補給用に購入した「ぷちくるみかれん」も食べてみた、金賞の味がした(ような気がする)。

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大河原峠 | 蓼科山

*最後は蓼科スカイラインの下り
 ぼちぼち出発しようというところでダズのサドルバックを点検すると、輪行バックを括り付けていたストラップが、振動時に後輪と接触してちぎれる寸前まで損傷していた。切れる前に発見できてほんとに良かった。でサドルバックの振動を軽減できるようにGokiさんがストラップのルートを改善して下さり、サドルバック側の振動は心配しなくて良くなったのだけど、実はフロントバックの方もしょっちゅう振動で下がったりしてるんですよね~とか、もう全部新しくしちゃおうかなとか、余計な話をしていたらけっこう時間が経過してしまった。長い下りに備えてウインドブレーカーとレッグウォーマーをつけて、15時40分頃、下りを開始した。
 下り始めて間もなく、ぽつぽつと雨を感じた。ついに、ついに来てしまったか~、まあ今回のランでここまで降らずに持ちこたえてきたのは既に奇跡的だし、仕方ないね・・・と思いつつ、「蓼科仙境都市」(別荘地の名前らしい)の辺りではかなりの本降りに。でも、まだそれほど寒くないし、このまま気を付けて下ろう・・・とブレーキを強くかけながら我慢して下って行ったが、JAXA美笹深宇宙探査用地上局の所でGokiさんが一時停止していた(ちょっと見学を希望?)のを過ぎたところで、あまりの土砂降りに耐えかねて、雨を遮るものは何もないところでカッパを着込む。

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雨にけむるJAXA地上局

 そしてまたブレーキをかけながら長い下りを下っていき、県道150号との交差地点少し手前あたりで、雨が小降りになってきてGokiさんと浦野さんが待っていてくれた所までたどり着いて、「いや~すっごい雨でしたね~」と言いながらカッパを脱ぐことが出来た。そこからまだ7kmくらい更に下り続けて国道140号線に到達したころにはもう雨は止んでいた。ガーミンの気圧センサー部に雨水が入って標高表示が狂ってしまい、ここでまだ標高1200mを表示していた。
 16時40分ころ、道の駅ヘルシーテラス佐久南に向かう浦野さんとお別れ。ここから佐久平まで残り5kmの道も、ちょっとの坂もきつくてGokiさんの後ろを必死でついていく感じでどうにか走り、17時ちょうどに佐久平駅にゴールイン!

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第一解散 | 佐久駅にゴール
【Gコメント】大回りして霧ヶ峰植物群落(踊場湿原というらしい)を通るのが、とても気持ち良く走れる道だった。車山からの下りは車も多くて結構怖かった。これを契機に、減った体重に合わせたタイヤ圧変更(6.4→6.0bar)、オークリーのレンズ作り直しを行うことにした。白樺湖から先の道はまた静かになって良かった。昼食に入ったたんぽぽは、高原らしい雰囲気でゆっくりできた。大河原峠への上りでは、中盤から最近試しているペダリングがハマリ大分先行したのだが、バテがきて峠直前で二人に追いつかれ抜かれプチショック。今回のランで唯一残念なのは、この下りで一時土砂降りにあったこと位で、全体を通しては充実したランだった。

【浦野コメント】この日朝の心変わりの件、一晩布団で寝たら元気になり霧ヶ峰にも行きたくなったのは事実。でも登り始めてすぐに自分の言動に後悔したのも事実でした。なんとか走り切れたので結果オーライということで。


<おわりに>
 二日連続1600mアップの行程を無事に完走出来た。当初の狙い通り、ずっと標高高いところを走ったので真夏なのに涼しさを感じながらのランだったし、山の中の渋い温泉を堪能し、雨も最小限で済み、霧ヶ峰を含めて全ての予定を楽しむことが出来たのは本当に良かった、と皆さんに感謝のランでした。


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