冬季集中講座(第2回):ツーリング計画
by G(投稿日:8 Feb 1992)
(負荷係数)=(速度比)x(速度比)(式1)
ただし、(速度比)=(走行速度)/(基準速度)(式2)
例えば、ツーリング速度(注3)、すなわち平地の平均時速、15km/hで走ると負荷係数ば約0.5となります。すなわち、基準速度で走るのに対して半分の運動強度です。
自分の体力/技術レペルの50−60%くらいで走ると、丁度良い運動という感じがします。この運動強度では大部分が筋肉中の脂肪を中心燃料に使います。自分のレベルの70−80%くらいて走ると結構きつくなってきますが、気持の良い状態がきます。この運動強度では、後半で筋肉中のグリコーゲンを中心燃料として使います。レベルアップを目指す新人のトレーニングでは、そのレベルの100%近くに運動強度を設定することも必要です。
(注1)技術が向上し、フォームが安定してペダリングがスムースになると、無駄な力を使わなくなるので、同じ速度を低い運動強度で走ることができます。
(注2)約24km/hで50分走っては10分休むペース。このペースに耐えられることは、競技を行わないサイクリストが目指すべきレベルです。
(注3)約18km/hで50分走っては10分休むペース。初心者はこのレベルから始めます。
(注4)負荷係数:これは走行抵抗の大部分が空気抵抗によることから求められています。
(走行ポイント)=(負荷係数)X(走行時間)(式3)
自分のレペルの100%に近い運動強度(負荷係数1)ならば、5−6時間くらい走るのがいっぱいでしょうか。式(3)はトレーニングの評価にも使えます(注6)。例えば、平地100kmを5時間で走るのと、平地150kmを10時間で走るのとで、走行ポイントば同じ5時間です。このように走行距離だけ、または走行時間だけでトレーニング量を判断してばダメなのです。ちょっと計算すれば分かりますが、走行ポイントが同じなら(同じ疲れなら)、走行距離は走行速度に反比例して(小さいほど)伸びます.
(注5)私は、一応メンパー全員が基準速度で走れるレベルにあると考えて、通常ツーリング速度(負荷係数0.5)で9時間くらいを上限にコースを設定しています。すなわち、走行ポイントで4〜5を上限にしています。
(注6)一年のトレーニングや長いツーリングのプランとしては、次のような進め方をベースにするのが良いと考えます。短い距離をゆっくり走る(短い時間)一一>長い距離をゆっくり走る(少し長い時間)−−>短い距離を速く走る(少し長い時間)−−>長い距離を速く走る(長い時間)一一>長い距離をゆっくり走る(少し長い時間)
(コースポイント)=
(総距離/20km)+(登り総標高差/500m)+(地道部分の総距離/20km) (式4)
この式によって、どんなコースに対してもスケジユーリングができるようになります。
すなわち、基準速度で走るならば、(走行時間)=(コースポイント)です。また、ツーリング速度で走るならば、(走行時間)=(コースポイント)X1.4です。
適当にコースを設定したら上式にしたがって、コースポイントを計算してみましよう。例えば、距離が55km、400mの登りが3回、砂利道が2kmのコース(先日の伊豆半島ツーリングの初日)のコースポイントは5時間21分(平地距離に逆換算すると107km)です。これをツーリング速度で走ると、走行時間は7時間30分になります。
(注7)この式は経験に基づくもので、登りの評価など理論的には不正確でしょう。しかし、平均的な計算精度(近似度)はかなり良いと思います。地道部分の評価については、通常のレーサータイプの自転車て走れる程度の道を想定しています。ランドナーなら40kmで割っても良いでしよう。