チェ−ン潤滑(パラフィンコ−ティングのその後)

by G(投稿日:17 May 1994)


 前号で、浦野氏がチェーンへのパラフィンコーティングについて報告しました。元ネタは雑誌ニューサイクリングの記事で、これを浦野氏が実際に試したものです。パラフィンコーティングは汚れにくいのが特長で、潤滑についても氏の実験結果では「その後60km位走りましたが、パラフィンのカスが少し出ている他は今のところ順調です。」というように悪くないようでした。ただ、雨にあたると内部にサビがちょっとでるとのことでした。
 ところが、上記ニューサイクリングの記事にケチがつき、その次号では上記記事の真偽についてペンデイングする旨の記事が載りました。その後、なしのつぶてになっています。このケチとは、上記記事が基づいているイギリスの古い自転車雑誌の記事中で[パラフィン]を誤訳していたことです。日本ではパラフィンといえば、パラフィンろうを指しますが、英語(イギリス)では、パラフィン油を指すということです。パラフィン油は米語ではケロシンという軽油なのだそうです。とんだ誤訳なのですが、使えてしまったところが偶然にも良かった訳です。Gが上記のことを浦野氏に伝えたところ、実験継続はあっさりやめてしまい、チェーンには普通の油をやっているそうです。
 ところで、自転車用の潤滑材としては最近良いものがいろいろ出ているようですが、私はCRC−556(または、クレ556)を使っています。サビ、汚れが落とせて、潤滑も良いです。チェーンを回しながら上からスプレーし、ゴミが付かないようにボロきれで余分をかるくふき取っています。ときどきは横にもスプレーします。雨に当たった後に自転車をしばらく放置しておいたりすることがある不精者には強い見方です。ただし、雨に濡れたまま一晩放置すると556は簡単に流れ落ちてチェーンがサビますので、とりあえず水分をふき取るか、または回転で飛ばしてください。この後にスプレーすれば完璧です。ツーリングのときには、CRC−556の持ち運びが難しい(浸透力が高いので密閉度の高い容器が必要)ので、普通の油を指しても構いません。私は2回分だけ556を持っていっています。