Touring Report  

'94 GW_南九州ツアー

by M(投稿日:10 May 1994)


日程:1994/4/28(木)〜5/6(金)
参加:M、G、橋本(全員で計画)
コース概要:=宮崎−日南−志布志−桜島−国分−えびの高原−人吉−五家荘−熊本=

Map, Click to Popup  南国の南九州をめざし橋本、GOKI、Mの3人が走リ通した1週間のツアーの御報告。


1日目:4/28(木) 東京=宮崎−日南  快晴
 羽田発7時55分宮崎行きの全日空803便、橋本さんとMは15分前にチェックインするが、GOKI氏は例によってなかなか姿を見せず二人の不安が最高潮に達したそのとき姿を見せ自転車を持ったまま搭乗口に走り何とかセーフ。いつもはらはらするひとこまだ。昼に宮崎に着き、さっそく走り出す。何と暑いことか。南国情緒あふれるしゅろの並ぶ道をひたすら走る。空港から走ったバイパスは高速道路を走っているようで以外と感じが良かった。第一の観光ポイントの青島は鬼の洗濯板と呼ばれる岩石群に囲まれたきれいなところ。続いて本日唯一の峠、堀切峠より海岸線を眺める。鬼の洗濯板が太平洋に広がり美しい。しかし珍しいと思った鬼の洗濯板もその後海岸線沿いにひたすら続きだんだん感動が薄れた。
 途中サボテン園に寄りサボテンのアイスとジュースを食するも今一つ、という具合にのんびり走りつつ最後の観光ポイントの鵜戸神宮に着く。海蝕洞窟内に社があったりして雰囲気のあるお宮さんだった。ここのおすすめは運玉。これは「運」と書かれた小球を10m位離れたところにある小穴(30cm四方位か)に投げ入ると幸運がくるというものである一回100円で5つの運玉を投げたが穴の中に入ったのはなんと橋本さんの1球だけ、運を分けてもらいたいなあ。ちなみに男は左手女は右手で投げねばならず、穴に入らなくても穴をあけてある大きな亀石に当たるだけでも運がくるとのこと(これは簡単)。
 走行距離 50.9km  日南市油津 旅館ふじやす 泊  


2日目:4/29(金) 日南−都井岬−志布志  快晴
 天気には恵まれているが、今までの海岸線とは違い今日の海岸線はアップダウンが多く少しハード。観光ポイントも少なく、途中寄った虚空蔵島の亜熱帯林は荒れ放題。しかも昼食を途中でとりそこね結局メインの都井岬まで走ってやっと昼食になる。ハラペコで走って疲れたせいか昼を食べたホテルから都井岬灯台が遥か高いところに見え、結局灯台までは行かず。GOKI氏も出発前の徹夜の準備からの疲れがでてるようだ。しかしながら都井岬一帯は野生馬が山の草原で遊んでいるところが絵になっていた。道すがら野生猿も多かったが観光客から餌をとっているところは野生とは思えず、人が猿にうまくのせられているようだ。串間駅で水を補給し宿泊地の志布志まで比較的楽な海岸線をひた走る。途中でGOKI氏がボトルを串間駅に忘れたのに気づくが、時すでに遅く引き返すのには遠かった。いまごろ駅で花瓶として活躍しているかもね。
 志布志の手前の小高い丘を2つ3つ越えたあたりで車でスイカを売っていた。のどが渇いて、腹減って、疲れてるときってスイカが実においしそうに見える。スイカなんてまだ季節じゃないのに橋本さんはスイカ売りが見える前からスイカが食べたいなと頭にイメージしていたそうな。とするとあのスイカ売りは橋本さんの運玉の運が呼んだのか、ーーーでも切り売りはしてなかったので結局パス。宿泊地の志布志に着いてからは宿のおばさんに今日が志布志で1年に一度のお祭りだと教えられ夕食後遊びに行くことになる。お釈迦様のお祭りでお釈迦様に歳の数だけ甘茶をかけた。以外と大きなお祭りで露天がかなりでていて舞台が派手だった。夕食はえび類中心のおいしいめしだと思った。
 都井岬:自動車は有料、自転車はただ
 走行距離 79.8Km  志布志町 ホテル山海荘 泊


3日目:4/30(土) 志布志−桜島  快晴
 垂水市まで国道をはずし大隅湖、高峠経由で桜島に向かう。今までのコースは海岸線でかつ避ける道がなかったので狭い割に車が多かったが、国道をはずれると車も少なく快走、快走。途中で買った昼食を大隅湖畔で食べる。大隅湖は観光ポイントになっているようだが、特にコメントすることはない。またあまり整備されていない。そこから高峠にでる。峠から海岸まで裏道を通ることにしたおかげでつつじ丘公園のつつじを観賞できた。山の斜面につつじが群生しちょうど花が咲いてる様はのどかでいいなあ。ところがその後が大変で裏道はあまり人も車も通らないらしく荒れており、峠のあたりは峠一帯にある養鶏場の鶏を運ぶ大型トラックとごみ処理場の大型トラック型がたまに通って路面は大荒れ状態。しかも昨年の集中豪雨の爪痕がまだ残っており、所々崩れていた。とはいえ下に降りるにつれだんだん道路はきれいになりダウンヒルを少し楽しむ。
 桜島へは溶岩で九州とつながった垂水側より渡る。左回りに東岸を走るが溶岩がかなり堆積しているせいかやたらときつい坂が多い。しかも悪いことには火山灰が目に入り進路を阻む。ここに住むのは大変だ。黒崎と言うところでは大正3年の噴火で埋没した鳥居がそのまま保存してあった。途中ハラペコ状態に陥り宿まで持って行くつもりだった枇杷(安かったですよ)と甘夏の一部を激しい勢いで食べた。今日はほんとに長く感じ、みんなヘトヘトになった。宿の周辺にフルーツを売ってるお店がなっかたのが心残り。夕食の鯛のあら煮はおいしかった。
 走行距離 89.6Km  桜島町 民宿美和荘 泊


4日目:5/1(日) 桜島−鹿児島−国分  快晴
 まずフェリーに乗り鹿児島港に渡る。フェリーの料金所で橋本さん小学生にまちがわれ喜ぶ。たった15分の船旅だけど250円は安い。今日は走行距離も短く観光がメイン。鹿児島といえば西郷さん、ということでまずは銅像のところへ。上野の西郷さんと違ってこちらは陸軍大将のりりしい姿。ところが移動中、私(M)の前輪のサイドが裂けてバースト。真っ青になったが、そこはGOKI先生の腕の見せ所で見事に修理をしていただいた。しかしまだサイドが裂けそうなところは何カ所かあり不安は消えず自転車屋を探す。たまたま道を尋ねた親切なお巡りさんが知っていたトミハラと言う自転車屋が3階建ての大きな自転車屋で無事にタイヤを買い換え安心。ついでにGOKI先生もボトルを買うことができみんなハッピーになった。橋本さんの運玉の御利益がまだ効いているのか?
 続いて鶴丸城跡にできた黎明館に立ち寄り鹿児島の歴史をひもとく。立派な歴史資料館で十分に見応えがあり結構長くいたような気がするが、とくに明治維新の頃の人物に興味のある私としてはもっとじっくり観たかったなあ。次の観光ポイントは西郷洞窟でこれは城山の中腹にあって西郷さんが最期を過ごしたところ。敬天人愛、やっぱり西郷さんて偉かったんだなーと感慨深い。次に薩摩藩島津家別邸の磯庭園を見学する。庭園脇の磯珈琲館で昼食をとるが、次から次へとでてくるサツマイモを生かしたメニューに舌鼓を打つ。桜島を借景にした立派な庭園だが、橋が流されたり崖崩れの跡があったりして昨年の集中豪雨の傷跡が痛々しかった。ここから国分までは車が多かったものの追い風に乗って快走。国分は以外とにぎやかな町だった。
 走行距離  45.8Km  国分市 ホテル国分荘 泊


5日目:5/2(月) 国分−霧島神宮−えびの高原  快晴
 今日の夜はキャンプ場なので国分で買い出しを行い分担して運ぶ。コースはほとんど上り。まず天孫降臨ゆかりの霧島神宮で参拝を済ます。ここまでは比較的軽快に上ったが、ここから高千穂河原まではやたらと勾配がきつかった。平均10%という説がある。高千穂河原の茶店で食べた手打ちそばは全くうまいそばだった、これはおすすめ。また途中咲いていたノカイドウは桜に似た可憐で美しい花。ちょうど花びらが散るところだった。この辺より高千穂峰や韓国岳などの秀麗の山々を望むことができる。景色に見とれて走ってるうちに意外と早くえびの高原に着いた。
 今頃のキャンプ場は車で結構な重装備できてる人を多く見かける。我々は装備といってもGOKI氏のコッヘル程度の簡単なもので久々のキャンプ場なのにエッセンの腕をふるえず一同悔しがる。なんたって夕食のメニューはレトルトのごはんにカレー、シチューと団子汁。とにかく薪に火をつけて湯をわかすだけだった。しかしここのキャンプ場の気に入った点は温泉が自由に入れることで、露天風呂もあり狭いながらもグッド。今回唯一の温泉だった。売店で試飲した日向夏のお酒は香りが最高。
 走行距離  40.1Km  えびの市 えびの高原キャンプ場バンガロー 泊


6日目:5/3(火) えびの高原−えびの−人吉  曇りのち雨
 今回初めて空が曇る。朝のうちの晴れ間を縫って付近の白紫池、六観音御池、不動池を散策する。雲が低く一帯を覆い昨日までよく見えていた韓国岳はほとんど見えなくなってしまったが、六観音御池など火山性地質の影響でコバルトブルーのきれいな池だった。この一帯はミヤマキリシマ(つつじの一種で可憐な小さい花が一面に咲き群がる)で有名なところだが少し時期がずれたのか橋本さんが唯一つの花を見つけたのみ。またこのへんのすすきは成長するとえび色になるのが特徴だそうで、秋になると一面えび色に染まり町がえびの市と呼ばれるようになったとのこと。
 そのえびのの町までは一気に下るが途中から雨が激しくなってくる。えびのから人吉への峠越えははじめ国道を通るが道が狭く交通量が多いことから(ずっと渋滞していた)途中から旧道に入る。はじめは舗装していた道も次第に舗装が切れ大荒れ状態になる。雰囲気はいいのだが雨は依然強く降り疲れもたまってきたので国道に戻る。ここは途中何カ所か国道と旧道の連絡道があった。国道は峠の長いトンネルの両側に大きなループがあり車で通るとおもしろそう。下りも渋滞中の車を後目に走るがマナーの悪い一台の車に一同大激怒。
 依然降り続く雨の中、人吉城跡を見学の後宿に入る。人吉は人情に厚い、宿のおばさんの暖かいもてなしに感謝する。それにしてもおもしろい宿で至る所に張り紙、注意書きがしてあって、宿泊している人間は何も考えなくていいようになっていた。トイレに「雨の日の大の時は窓を開けて終わったら閉めてください」と書いてあったのは印象的。GOKI氏の疲れもピークに達したようで、夜はストレッチの途中で寝こんでしまう。洗濯物を持ってきてくれた橋本さんがその寝姿を見て目を丸くしていた。
 走行距離 51.7Km  人吉市 味万旅館 泊


7日目:5/4(水) 人吉=熊本=東京  曇り 午後からお別れし輪行で東京へ
 最終日、今日は何とか天気が持ち直したようだったので人吉から球磨川下りに乗る。2時間半と少々長いが、5つの大きな瀬を含む雄大な川下りを楽しむ。瀬を下るときは緊迫感があったが梅雨時はもっと水量が増しもっとスリルがあるとのこと。
 川下から元の地点まではJR、バスがあるにはあったが、1時間以上待たねばならず困っていたところ、GOKI氏が偶然人を下ろしているところのタクシーを見つけ、何と半額で元の地点まで運んでもらうという幸運もあり、昼過ぎには3人とも人吉に戻った。そこで私は自転車をばらしJRで熊本まで行って飛行機で帰ってきた。その後二人はまだツアーを続け、当日は五家荘に宿泊したとのことである。


<あとがき>
 以上、全体に天気も良く今回は快調に走ることができ、南九州には非常にいい印象を持った。日南海岸、桜島、鹿児島、霧島、えびの高原とポイントも適当にあって今回のツアーは気に入っている。


<残り分の補足>
7日目:5/4(水) 人吉−五家荘  曇り
 走行距離 50.8Km  泉村五家荘 久連子旅館 泊
8日目:5/5(木) 五家荘−=熊本  曇りときどき晴れ
 走行距離 61.2Km  熊本市 熊本ビジネスホテル 泊
9日目:5/6(金) 熊本=東京  晴れ


関連リンク:
 1991年GWの九州横断ツアー