冬ラン 中伊豆レポート

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冷川峠手前の展望
by 宮村(投稿日: 13 Jan 2022)

Map, Click to Expand 日程:2021/12/18(土)~ 12/19(日)
参加:G(計画)、宮村、浦野、天皇、原
コース:=伊東→七滝温泉→下田=

 ツーリング記録 参照
<はじめに>
 秋ランはGくんの「10月-11月走りませんか」メールで始まった。10/23(土)“ヤビツ峠ラン”、10/30(土)“三峰神社ラン”、11/6(土)-11/7(日)“妙義荒船ラン”。閉めが11/20(土)-11/21(日)“房総ラン”で、11/10(水)にその計画メールが届いた。
 そして30分後、冬ラン「12月-1月走りませんか」打診メールが届いた。12月“塩山→増冨温泉→小海ラン”だった。日程は皆の都合上、12/18、19の土日になった。Gくんの検討が進み、“増冨温泉”では雪の懸念があり、温泉を残し“伊豆七滝温泉”となった。20年前の12月21-22日、中伊豆ランがベースだった。
 参加は、DAZさんが不可になるも、天皇さん(中村さん)と原さんが加わり、深み?が増した。
 20年前は寒さが穏やかだったようだが、今回は寒く向かい風が厳しかった。その分、途中の野外休憩や散策が最低限になり、河津七滝散策に十分時間を使えたり、下田から早めに帰れたりした。行く先々で世界ジオパーク伊豆半島(2018年ユネスコ認定)の自然や自然を利用する工夫に出会い、感動があった。


Map, Click to Expand 1日目:12/18(土) =伊東駅→冷川峠→筏場わさび田→国士峠→天城湯ヶ島→浄蓮の滝→天城峠旧道→七滝温泉 (53km/1390m) 快晴、強風
 メンバ:G、宮村、浦野、天皇、原

*伊東駅出発~冷川峠
 伊東駅8時台、三々五々に集合。けっこう寒かった。次第に陽だまりが暖かくなった。
 9時過ぎ、浦野さん先頭に出発。山が迫る地形なので、すぐ登りになった。西からの寒風がまともだったが、ペースは順調だった。登り始め、海や白い建造物が目立つ初島がチラチラ見えた。ところがすぐ建物・竹藪・広葉樹で海側が見えなくなった。
 ずいぶん進み景色が良いポイントに出た。遠景が三浦半島・相模湾、近景が川奈・小室山だろう。少し休憩。10時過ぎに冷川峠に着くも陰で寒く、すぐ出発。

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伊東駅 
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冷川峠手前の展望 | 冷川峠

*筏場のわさび田~国士峠
 大見川に沿ったなだらかな登りを進み“筏場”の集落に入った。道の左にわさび田・稲田・茶畑が広がった。右に石垣とその上に立派な家々。趣があった。集落を過ぎると林に囲まれた坂道を少し登った。抜けると左が“筏場のわさび田”だった。11時15分ごろ着。世界ジオパーク解説板があった。ここにかかる小嵐橋から沢の上流から下流まで“わさび田”を見渡せた。橋を渡り奥へ進みそうになったが、切り上げた。
 11時20分ごろ“筏場のわさび田”を出発。本格的な登りになった。11時30分過ぎ国士峠着。陰で寒く、写真と次ポイント“荒原棚田”&昼食候補“来伊豆”確認etc.を手早く済ませ、11時40分過ぎに出発。

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筏場の集落
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筏場わさびた、小嵐橋から上流側と下流側
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国士峠

※後で調べた①: “筏場”集落下流にある山が凹んだように見えた。調べると“筏場の大崩壊”によるとのこと。1958年9月の台風22号“狩野川台風”の時、この集落で北向きから東向きに曲がる大見川が、鉄砲水となり山に激突、山を二つに割った。そこが凹。
※後で調べた②: 小嵐橋を渡って奥へ進んだところに大見川(筏場川)が流れる。大見川沿いに小嵐橋からの風景以上にだだっ広い“わさび田”がある。
※後で調べた③: ここの“わさび田”は石垣で区切られた棚田だった。この様式を“畳石式”と言う。“畳石式”は伊豆で、多雨な天城山系から来る適温で豊富だが急な流れの水を効率的に使うために開発された。今では、日本各地のわさび栽培に使われている。

*天城湯ヶ島~昼食~浄蓮の滝
 下りの終わりごろ、小さい十字路で天皇さんが左に行くと荒原棚田だろうと地図をチェックしていた。しかし皆暖まりたい一心で、“来伊豆”を目指した。しかし、行き過ぎ、若干戻って探した。建物の上のほうに“RAIZU”とあるカフェがあった。見逃すわけだ。加えて休みだった。土曜なのにけっこうお店が閉まっていた。
 昼食は414号に入りすぐの第二候補“寿司大増”にした。走行が順調で12時若干過ぎに到着。テーブルの下をストーブからの暖気が流れていた。そこに足を入れほっとした。お茶が体内を温めた。全員茶碗蒸し付き海鮮丼とあら汁を注文した。わさびの効きが印象に残った。具沢山だった。身体の冷えが残っていたからか味を覚えていない。
 13時時過ぎにお店を出発。ところどころ7%を越える坂を進み、13時25分ごろ“浄蓮の滝”駐車場着。寒い、ここからも体力を使う、早めに宿に着こうetc.で、滝壺がある下まで降りず駐車場からすぐの展望デッキで滝を眺め、世界ジオパーク解説板を読み、写真を撮影。13時30過ぎに出発。

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寿司大増で昼食 | 浄蓮の滝(展望デッキ)

※後で調べた④: 展望デッキは2020年3月設置とのこと。以前は、下におりないと滝を拝めなかったので、今回ちょうど良かった。

*天城峠~七滝温泉
 向かい風では無かったと思うが、宮村は時折7%強になる坂が効いてきたのか、速度が落ちハンドルがブレ始めた。旧道分岐200mほど手前で、路肩の細い溝に入りそうになり立ゴケした。何とか14時過ぎに旧道分岐に到着。
 分岐では若干の停止だったが、その間に車2台が旧道へ入っていった。車が来ると嫌だなと思った。天皇さんは新道へ、4人は旧道を進んだ。旧道は未舗装で残雪が道の上にすぐ目立ちはじめた。道に集中していたからかあまり苦しいと思わなかった。車は対向車一台で助かった。
 14時30分ごろ旧天城トンネル前に到着。到着後天皇さんから原さんに最初の天城峠新旧道合流点で待つと電話があった。14時40分ごろ出発。トンネルを抜けた側も雪があり慎重に下った。浦野さんはランドナーの真骨頂を見せ勢い良く下って行った。

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旧道の天城トンネル
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旧道をショートカットして合流

 合流後の新道下りは、気温5-7°Cで標高差400m強だった。宮村は身体がとても冷えた。
 ループ橋を通り左に折れ、通ったループ橋を見上げながら進み、若干登り七滝温泉へ。15時10分ごろ今日の宿“民宿しゃくなげ”前に。時間があるので一日目に河津七滝へとなった。
 七滝では、かに滝→初景滝→蛇滝→海老滝→釜滝~出合滝→大滝の順に散策した。宿に着いているも同然という安心感と滝以上に巨大な柱状節理の変形やうねりに心を奪われ、寒さを忘れ1時間以上、散策した。出合茶屋前と大滝にあった世界ジオパーク解説板に地形変化の内容が載っていた。

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かに滝 | 初景の滝
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ねじれ柱状節理と遊歩道
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横倒し柱状節理と鎌滝

 16時半ごろ“民宿しゃくなげ”に無事到着。

 宿泊:民宿しゃくなげ

*「雰囲気」: おかあさんが暖かい感じだった。自転車を玄関内に停めることができて良かった。
*「温泉」: 泉質が“硫酸塩泉”でキリキズ、皮膚乾燥、筋肉・関節のこわばりに効くらしい。身体の癒しになる。我々以外のお客さんがあまりいないようで、屋内の男用女用両方を我々が使えた。温めと熱めだった。
*「部屋」: “うめ”と“さくら”の2部屋を使えた。寝る以外は“うめ”に集まった。テーブルに夏みかんより小ぶりの柑橘が盛られていた。聞くと宿で栽培しているポンカンとのこと。あっさりした酸味・甘味で食べやすかった。
*「夕食」: キンメダイの姿造りと様々なお造りが乗った舟盛り中心に、おかず6品、汁物、漬物だった。生わさびが一本付いていた。ビールで乾杯し、豪華な食事をおいしく頂いた。天皇さんと原さんは、日本酒を頼んでいた。3人はご飯を食べながらビールを飲んだ。終盤に全員ご飯になり“おひつ”は空になった。

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舟盛り

*「洗濯」: 玄関の外にある洗濯機を使えた。洗濯・脱水後、部屋干しした。だいたい浦野さんが面倒みてくれた。
*「食後の2日目コース相談」: 最初の案は、七滝温泉→七滝観光→大鍋越峠→松崎(昼食)→蛇石峠→龍宮窟→下田64.9km/1139mだった。そこに原さん天皇さんから以前のやり取りメールで提案していた2時台下田乗車案の再考が出た。七滝観光を終えているし、蛇石峠から婆娑羅峠に変更すれば間に合う。「翌日月曜で遅い帰宅を避けたい」や「寒さが加わり身体にきている」はだいたい皆同じで、コース変更の方向に。大鍋越峠を下った大沢温泉付近の道の駅でお茶できればと下田着後に爪木崎水仙祭へ行く話も出た。
*「Gくんのコースつくり」: 最近距離を短くしている。だがエネルギー消費や体力鍛錬が低下しないよう獲得標高を上げているとのこと。勾配が急になるわけだ。計算について天皇さんが訊いていた。
*「地図」: 最近スマホマップだけだったが、5万分の1地図の深さを感じさせられる日だった。例えば、“筏場”への途中、大見川に沿う道に入る分岐を行き過ぎそうになったが、5万分の1地図を見ている天皇さんが声かけしてくれた。国士峠を下り“荒原棚田”への十字路の時もそうだった。
 民宿では食事後、天皇さんと原さんが、5万分の1地図を見せ合いながら、大鍋越峠からのルート談義をしていた。天皇さんの地図は原さんのものより古く、峠から115号だけなく南方へショートカットする道の記載があった。
*「朝食」: あら汁が出た。美味だった。昨日のキンメダイのあらを使っていると思った。


【Gコメント】寒波到来により冷えと強風はあったが、基本的には快晴の中を走れて良かった。コースはそこそこハードで、20年前は女子も含めたメンバで良く走っていたなあ、と思う。初日は三つの峠、わさび田の絶景、残雪の天城越え、奇妙な柱状節理の七滝、温泉民宿、思ってた以上に盛りだくさんになった。

【浦野コメント】前日午後に半休をとって道の駅開国下田みなとで車中泊、18日早朝に伊東まで輪行。原さんとは10月のヤビツ峠ラン以来2回目、天皇(中村)さんとは初めてのランであった。天城旧トンネル、河津ループ橋は走ったことがあるが河津七滝は今回が初めて。滝自体よりも周囲の柱状節理、中でもねじれ柱状節理が印象的だった。”蛇滝の由来は滝見橋から観ればわかる”と現地案内板にあったが、滝の周りの玄武岩がウロコに似ているのが名前の由来と知ったのは数日後にパンフレットを見直した時だった。宿の夕食は船盛り付きの豪華版でお腹いっぱい。

【天皇コメント】コロナウイルスの影響で2年ぶりのツーリングである。七滝までの下りではあまりの寒さで、目の焦点が合わなくなる怪症状が現れた。下りきってから回復したが、初めての経験であった。

【原コメント】横浜線淵野辺駅早朝、久々の輪行で、ホーム上でガチガチ震えながら電車を待った。乗り換えを減らすため、新横浜経由で熱海着。JR伊東線の窓からは、チラチラ雪が見えた。とても寒い日だった。走りだすと少し暖かくなった。冷川峠は追い風が寒かった。サイクリングウエアの構造上仕方がない。ワサビ田は、こんな奥まであるのかと驚いた。圧巻は河津七滝の柱状節理。滝でも見ていくか程度に思っていたら、すげぇ地球の活動痕でした。宿の夕食は金目鯛のおつくりが大量だった。よし、飲むぞーっと思ったら、ビール一杯程度で済ませてご飯を食べ始める人3名。レロレロ話し出すまで飲むのが普通の人生だった自分には、HUCCにも異世界があることを確認し、天皇さんと目を見合わせた。でも、腹いっぱい食べておやすみ。


Map, Click to Expand 2日目:11/7(日) 七滝温泉→大鍋越→大沢温泉→婆娑羅峠→下田 (46km/892m) 快晴、強風
 メンバ:G、宮村、浦野、天皇、原

*出発
 出発前に宿のおかあさんに集合写真をお願いした。宮村のスマホのシャッターがうまくいかず天皇さんのデジタルカメラに登場してもらった。おかあさんは自分のスマホでは撮れるのにと笑っていた。
 8時10分ごろ出発。414号を下り分岐で115号に入り、なだらかな登りを進んだ。途中、建設中の伊豆縦貫自動車道の下を通過した。次に犬を散歩中のおばさんとすれ違った。「行くのはきついよ」とか言われている横を会釈しながら通過した。時々言われる言葉なので軽く聞いたが、後で思い知らされた。

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民宿しゃくなげ前で

*大鍋越峠
 しばらく進むと道が狭くなり、小さな集落通過時に道がコンクリートになった。家々の庭には夏みかんやポンカンがたわわに実っていた。
 8時40分過ぎ、二股を右に入ると木々が増え本格的な登りになった。幅は軽トラが一台通れるぐらいか。宮村のガーミンだと七滝温泉と同じ標高約200mだった。標高300mほどまで登ると舗装が切れた。だが、若干進むとコンクリート舗装になりほっとした。
 9時過ぎ、標高400m辺り、道路を挟み急斜面を上下に伸びるわさび田があった。天城峠登坂中、標高480mあたりでわさび田を見たがもっとなだらかな場所だった。こんな急なところにと思い写真を撮り通過。50mほど登ると未舗装になった。9時15分すぎ、標高470m辺り、谷側の急斜面に先ほどより大きいわさび田が出現した。驚いた。道の下には大口径で蛇腹の管が貫通していた。山側からの湧水が豊富なのだろう。皆で眺めた。9時20分過ぎ出発。こういう凄い場所に世界ジオパーク解説板を立てればと思った。

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コンクリートの細道 | 最初のダート上り
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追い着いた天皇さん目線 | こんな所にわさび田

 走行を再開して標高490mを過ぎた辺りから、20cm前後の角張った岩が路面にゴロゴロし始め、路面が岩で洗濯板っぽくなり、相当な荒れ道になった。一部にコンクリート枠の残骸があった。枠内の舗装は割れてしまったのだろうか、舗装を途中放棄したのだろうか。その上、時折急勾配になった。しばしば自転車を降り押した。登りが150mほど残ることを考えないようにして黙々と進んだ。走れそうな“わだち”になると自転車に乗った。凸凹でハンドルがとられた。谷側を走ると崖が恐く山側にへばりついて走った。
 途中の標高530m辺りで、ラジオの音声が聞こえ、右奥の暗がりを眺めると数人がわさび田に入り収穫中だった。厳しい環境でのわさびづくりに敬服だった。ラジオと人の姿に励まされ、大鍋川のせせらぎにかかる小橋をわたった。
 10時少し前、標高650m弱、大鍋越峠に到着。峠の向こうは晴れて明るかったが、到着点は陰で寒風の通り道になっており極寒だった。天皇さんが示した陽だまりまで若干下ると別世界のように無風でポカポカだった。そこで下りの準備をした。

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強風の大鍋越えピーク | 無風の陽だまり

※後で調べた⑤: なぜ、こんな厳しい環境なのにわさび田と思い、伊豆や静岡で栽培する水わさびを若干調べた。年中収穫するが、旬ものは寒い晩秋から2月ごろ。生産者が減少傾向(新しい入植者はいる)。栽培が難しい。だが決まった引き合いに加え新しい需要が海外を含め増加。よって、山間の一般農産物に比べ売り上げが耕地面積あたり10~30倍(経費は高いが)。素晴らしい。

*大沢温泉付近~道の駅“花の三聖苑伊豆松崎”
 大鍋越峠を10時10分前に出発。下りは最初からコンクリート舗装だったが、細かい落石や亀裂で路面が荒れ、強くブレーキングしながら下った。標高430mあたりからアスファルトになりきれいな路面になった。下りも様々なわさび田を見かけたが、もうすっ飛ばした。
 ほぼ下りきり、大沢温泉付近、長靴を履き仕事していたおじさんの前で皆停止。向いの川の岩の上には石像が立っていた。気の良さそうなおじさんは大沢温泉に寄っていけばとか声掛けしてくれた。
 おじさんに会釈して、左下田・右西伊豆のT字路まで行った。天皇さん原さん宮村はT字路で道の駅があるか確認に行った浦野さんを待った。邪魔にならないよう気を付けたつもりだったが、車にクラクションを鳴らされたり、邪魔という素振りをされたりした。自転車には分からなかったが、とても見通しが悪いT字路なのだろうか。
 10時45分ごろ道の駅“花の三聖苑伊豆松崎”に到着。30分ほどゆっくりとお茶休憩した。その時、Gくんが12月20日から開催する下田爪木崎水仙祭のパンフをもってきて、19日でも咲き始めているはずと話しかけていた。

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声をかけられた | 道の駅を出る

※後で調べた⑥: 道の駅出口へ向かう途中にアンティークな館があった。調べると松崎出身の実業家依田佐二平が私財を投じつくった小学校“大沢学舎”の復元とのこと。おじさんと出会ったところにあった石像も依田佐二平だった。
 道の駅の名の三聖は幕末から明治に活躍した松崎出身の三偉人で、漢学者土屋三余、実業家依田佐二平、十勝平野開拓者依田勉三とのこと。北海道と縁がありちょっと嬉しかった。

*婆娑羅峠~下田
 11時15分ごろ道の駅出発。婆娑羅峠登りは途中から若干追い風の気がした。11時40分ごろトンネル前に着き、下りへ。下り始めてすぐに浦野さんの前輪がパンク。原さんがGくんに電話をかけようとしていた。宮村は3人を残し知らせにすぐ出発。風は最初追い風のような気がしたが、全体には巻いているようだった。12時過ぎにGくんが待つ箕作のT字路に到着。Gくんは原さんからの電話に気づいてなかった。下りで飛ばしていた時だったからだろう。15分後、3人が到着、すぐ出発。12時40分ごろ伊豆急下田駅に無事到着。

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婆娑羅峠
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久しぶりのパンク | 再度合流

*昼食~解散
 昼食は、駅前の“めん処玄”で全員味噌ラーメンを注文。こじんまりしたお店だったが、お客さんが出るとすぐお客さんが入ってきた。時々お客さんが覗いた。店を出ると外で家族さんが待っていた。繁盛店のようだった。確かにスープ濃くボリュームあり満足感が高かった。
 食事中、天皇さんと原さんは14時台「いける」と相談をしていた。水仙祭のほうは、浦野さんが3人で車ならと行けると案を出した。彼は箕作あたりから疲れが出ていたようだった。ラン前日夜に下田まで車で移動し車中泊&早朝下田から輪行で伊東、全日Gくんと原さんを率い緩めず先頭走行、二日目大鍋越、婆娑羅峠下りのパンク追い打ちで相当消耗していたのだろう。宮村も浦野案に魅かれたが、結局Gくんと宮村の自転車二人旅になった。
 13時20分ごろ天皇さん原さんとお別れし、浦野さんとは爪木崎へ行く途中、道の駅“開国下田みなと”でお別れした。

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めん処玄

【Gコメント】二日目は、上りダートのある、大鍋越えだけで十分お腹一杯になった。おまけで行った爪木崎のんびりサイクリングも含めて、最高の走り納めになった。

【浦野コメント】一般車通行止めの大鍋越えはコンクリートの簡易舗装とこぶし大以上の石がごろごろしているダートの繰り返し。ダートでも勾配がゆるくならない箇所が多く苦労したが、下りは一転して走りやすい道だった。大鍋越えを制覇したところでこの日は別の意味で”お腹いっぱい”。婆娑羅峠下りのパンクでは大先輩2人を修理に付き合わせてしまい恐縮至極。下田手前でエネルギー切れ、昼食の味噌ラーメンが胃に染みた。解散後、道の駅で着替え・買い物して14時過ぎに自宅へ向け車で出発。ドライブ、車中泊、サイクリング、温泉民宿泊とコンテンツ盛りだくさんで充実した週末だった。

【天皇コメント】普段走っていないせいで遅れ気味だったが、また、いつか走りましょう。 やはり、体力維持には日々のトレーニングが必要なことを痛感したツーリングでした。

【原コメント】もう大鍋越につきる。舗装道路を走っている時に、地元の人が「大変だねぇ」と驚いていた理由が砂利道に入ってわかった。こんなに長距離の砂利道を自転車を押したのは超久しぶり。握りこぶし大の石がゴロゴロ。下り坂も結構急で、ブレーキを握り疲れることも。砂利道の振動のせいか、帰ってみたら、フロントバッグ用サポーター(φ6mm、ステンレス棒)がポッキリ折れていた。こんな状況で大鍋越えたら充分満足し、計画コースを短絡してバサラ峠経由で下田へ。思い出深いrunとなりました。企画、手配してくれたゴキちゃんありがとうございました。


2日目オプション: 下田→爪木崎→下田= (12km/175m) 快晴
 メンバ:G、宮村

*下田~爪木崎
 13時20分過ぎ出発。行きは追い風で心地よい走行だった。ただ帰りが向かい風になるので心配だった。13時50分ごろ爪木崎自然公園駐車場着。

*爪木崎散策
「爪木崎自然公園の丘」: 駐車場があり世界ジオパーク解説板がある丘から見た海は、浜辺近くがエメラルドグリーン、沖が深い群青色で綺麗だった。爪木埼灯台と爪木島の向こうに大島、利島、宇都根島、三宅島、新島が良く見えた。
「野水仙の群生地」: 丘から爪木崎水仙園のゲートをくぐり、水仙園がある浜辺に降りて行くと部分的にまとまって野水仙の小ぶりな花が咲いていた。葉は園一帯に出ていた。満開時は見ものだろう。 一方、水仙より縦に長いオレンジ色の花が目立った。葉がアロエみたいと二人で話した。
「爪木埼灯台」: 浜から岬に伸びる階段を進み、爪木埼灯台へ行った。灯台の東側は今来た浜辺で穏やかだったが、西側は強風が吹き荒れ、海は激しい白波だった。神子元島とそこの灯台は見えた。

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爪木崎駐車場から | 水仙祭りのエリア
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水仙の自生

※後で調べた⑦: 長いオレンジ色の花を咲かせていた植物は、アロエの一種キダチアロエだった。最近話題になる特定外来生物かと心配したが違った。伝来が鎌倉~室町時代で寒さに弱くこのような自生は貴重らしい。花は水仙より1か月ぐらい早いので今だけキダチアロエが目立つらしい。薬としても重宝されている。特定外来と疑って悪かった。
※後で調べた⑧: 灯台の西側に今回知らず行かなかったが俵磯という磯がある。そこに多数の巨大な柱状節理があり見る者を圧倒するとのこと。行かなくてちょっと残念だった。

*爪木崎~下田
 14時40分ごろ爪木崎出発。帰りは途中まで向かい風が弱くて助かった。最後あたりで強い向い風になった。15時過ぎ伊豆急下田駅着。

*おまけ「宮村の忘れ物トラブル」
 15時半ぐらいに、輪行準備が終り、Gくんが切符を買うと言うので、サドルバックを入れたナップザックを持って駅構内に入った。しかし、その後16時前に乗車準備しようとするまでザックのことをすっかり忘れていた。隣の“下田時計台フロント”でお茶をしたり、買い物したりしていたのに。
 構内でGくんを待っている時、アルコールで手を洗ったが、ザックを無意識に椅子に置きそのまま忘れたらしい。幸い貴重品は入れていない。乗車でザワつく構内をざっと歩いたが、ザックは無かった。Gくんを見送り、構内が落ち着き駅員室に行くとザックが届いていた。届けていただい方は分からなかったが感謝。今後ザックは輪行バックに入れておこう。気を付けよう。
 Gくんに知らせると「四国の栗林公園行った時もあったから、 気をつけないとね」と返信。ですね。


<おわりに>
 寒波に襲来されず、暖かさが残っていたら、“筏場のわさび田”を奥まで散策したり(もしかしたら“筏場の大崩壊”跡探検も)、“荒原棚田”へ行ったり、“浄蓮の滝”では滝壺まで下りたりして、河津七滝にここまで余裕なかっただろう。こんなタイムスケジュールも良いかも。
 冬ランをずっと経験していないので、防寒が難しかった。天城峠の下りでめちゃくちゃ寒くなった。十分な装備と早いウエア着脱ができるようパッキングを工夫したいと思った。
 景色が良く気持ちよい登りから相当に荒れた未舗装の登りまで濃厚な走りだった。地球の脅威を感じさせる柱状節理、険しい谷に横たわる“わさび田”などダイナミックな景観に出会えた。下田名物キンメダイ、伊豆の生わさび、七滝温泉を堪能できた。オプションの爪木崎で咲き始めの水仙に、ほのかな春を感じた。贅沢な走り納めでした。


関連リンク: