ショートレポート: 春ラン(桜) 足利

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藤坂峠を軽々と上ったアコ氏
by DAZ(投稿日:24 Apr 2022)

map, Click to Expand 日程:2022/3/27(日)
参加:G(計画)、宮村、DAZ、アコ、浦野
コース:=館林駅→名草→足利市駅= (62km - 7.6h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 前回3月13日の「大野山ラン」にて、足柄神社での会話の中で「このところ獲得標高多めのラン企画が続いていて、久しぶりに走ってみようかな、と思う人にはちょっとハードル高いんじゃないかな」との話が出て、次回は登り抑え目で企画してみる、とGokiさん。これを受けて今回の企画案内では「獲得標高をぐっと抑えました。獲得標高591m、距離62.8kmです。」とのお誘いメールが届いた。始まりかけの桜、終わりかけの梅や白鳥、その他の見所もいろいろ散りばめられて、お昼ポイントも良さげな喫茶店、という企画。
 そのおかげか久しぶりのアコも参加となり、前夜の雨は当日明け方までに上がって、ぐっと春らしい暖かな気候のなかでゆったりと楽しいランとなった。


1日目:3/27(日)
コース:=館林駅→多々良沼→出流原弁天池→須花峠→中名草→臥竜院→名草厳島神社→藤坂峠→織姫神社→足利市駅=
参加:G(計画)、宮村、DAZ、アコ、浦野
天気:晴れ時々曇り
距離:61.53km
獲得標高:557m
走行時間:7h35min

*館林駅の出発まで
 集合地は東武伊勢崎線 館林駅、9時半出発の予定である。JR久喜駅で乗り換えのときに、宮村さんと合流した。春休み期間だけど意外と部活の高校生とかで混んでいた。終点の館林駅に9時少し前に到着し、外に出ると晴れて暖かく、Gokiさんと浦野さんは既に到着していた。前日まで「参加するかも」程度の表明だったアコが来たので皆さん喜んでくれたようだ。館林駅西口側は新しく整備された感じで周囲はすっきりと清潔な感じ、輪行袋をたたむのもきれいな路面で気兼ねなく、トイレもすごくきれいだった。駅前に店などは何もないので、自販機でボトルに飲料を補給する。

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館林駅

*多々良沼→出流原弁天地→須花峠
 まずは駅から西へ住宅地のなかを3kmほど進むと、多々良沼が見えてくる。沼の南西側の辺りは桜並木となっていて、満開にはまだ早いものの、さっそくきれいな桜を楽しみながら走ることが出来て幸先の良いスタートだ。沼の周囲は遊歩道になっているのでそちらに入り、沼西岸の浮島弁財天に立ち寄る。浮島の付け根部分にも桜の木々があって、ここでは五分咲きくらいか。満開だと大勢の人出になりそうだが、今日は今のところ程よい人出なので、かえって僕らには良かったかも。浮島弁財天の由来を書いた石碑には、「鎌倉幕府滅亡の時、執権北条高時の弟 泰家が多々良沼の北に恩林寺を開山して北条家の菩提寺とし、北条家代々の護り神である江の島弁財天の分霊を迎えて浮島弁財天を建立した」というようなことが書かれていて、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を楽しんでいる人なら興味深いポイントかもしれない。僕らはどちらかというと、この周囲の自然環境に興味をひかれていた。沼にやってきている鳥については、宮村さんが野鳥観察中のおじさんにも確認したところによると、沼を歩いている白いのがシラサギ、岸にいっぱいいるのはカワウ、沼に浮いているのはヒドリガモ。冬に飛来する白鳥は2月末に飛んで行った、とのことだった。また遠くに見えている、白く雪を被った山は男体山と女峰山だ、というのはグーグルマップにて確認した。

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多々良沼の浮島入口、咲かけの桜 | 浮島から多々良沼、遠くに男体山

 この弁財天辺りで20分程度滞在してから再スタート直後、多々良沼公園の北西側にあるガバ沼に向かう遊歩道も、桜並木がとてもきれいだったのだが、さっきまでゆっくり過ごしたばかりなのでまた脚を止めるのもなんとなく憚られて、つい写真も撮らずに眺めながら通り過ぎてしまった。
 多々良沼北岸の野鳥観察棟まで来たら公園沿いの道から離れて、多々良駅方面へ北上する。県道148号で渡良瀬川の南岸まで来たら、川沿いの菜の花がきれいで、蜜の香りが辺りに漂っている。県道20号の橋で渡良瀬川を渡り、やや交通量の多い県道128号に入ってすぐのところで、Gokiさんの後輪がパンク。タイヤを調べると、ホチキスの針のようなものが刺さっていた。工事用か農作業用か、何かの資材だと思われるが、さっき橋を渡るとき歩道に入ったので、車道だったら車の風圧で吹き飛ばされちゃうようなものが、歩道だと落ちてるんだよねぇ、とのGokiさんのコメント。

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Gのパンク修理

 さて修理完了後は県道128号を3kmほど東へ進み、県道175号(日光例幣使街道/山形寺岡線)に入って北上する。ここも路肩が菜の花で彩られて、良い眺めと香りだ。西光院の辺りでは、白い花の木、ピンクの花の木などがこれまたきれいに見られて、これはコブシとヒメコブシであろう、と後で宮村さんに教えてもらった。

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菜の花の道

 その先のY字を左に分岐すると、日本名水百選にも選ばれている、出流原(いずるはら)弁天池湧水に到着。「名水の大神 涌釜神社」の赤い幟がたくさん立っていて目立つが、また磯山弁財天というのもすぐ隣にあるとかで、どういう関係になっているのか良く分からないが、出流原弁天池はすごく透明な水を湛えたきれいな池で、鯉がたくさん泳いでいたのと、カルガモも浮かんでいた。ホテル一乃館の玄関脇にある竹樋で名水を汲むことが出来るようで、大きなボトルを何本も持ち込んでいる先客のおじさんがいたが、僕らの小さなボトルを見て、先にどうぞと譲ってくれた。汲んだ水を一口飲んでみると、まろやかで美味しい水、という気がした。ここもポカポカと暖かいのでのんびり30分くらい滞在し、12時過ぎて出発する。

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出流原弁天池

 ここからは県道66号に入って彦間川沿いをゆるゆると登り、70mアップしたところで須花トンネルへ向かう県道209号線の分岐に至る。ここで12時半、お腹が空いてきたので補給食を軽く採って、残り1kmちょっと、50mほどのアップを登ると、10分ほどで須花トンネルに到着した。ここから左手の小道を進むと「明治トンネル」で、急坂になっているがほんのひと頑張りで「明治トンネル」の入口に到着だ。姿を現した明治トンネルは、岩盤に掘られた素掘りの荒々しいトンネルで、「この先危険につき入らないでください」の看板と木製の柵がある。トンネルの中は真っ暗で、中は湿っていてぬかるみ等もありそうだが、その向こうに出口の光が見えているので、「やっぱりここは行ってみましょう」というわけで、LEDライトの光を頼りに皆で入ってみた。中には一部大きな岩が落ちているところもあったが、おおむね安全に通過。出口は土砂崩れで半分埋まったような状態だが、徒歩なら屈んでなんとか外に出られる。向こう側を確認したら、長居できる感じでもないのでまた入口側へ戻る。改めて看板を読み、玄能とタガネを用いた手掘り作業で、明治14年から22年まで掛かって完成させたトンネルであるとのこと。貴重な土木史跡を見学することが出来た。

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明治トンネルへの分岐 | 手掘りの明治トンネル

 もとの県道まで戻り、今度は須花トンネル右手の小道を進むと、こちらには煉瓦アーチ造の「大正トンネル」がある。こちらは入口が金網と鉄パイプで厳重に塞がれていて、通ることは出来ない。後で調べたところによると、昭和55年に現在の須花トンネルが開通したあとしばらくは、大正トンネルは歩行者自転車用のトンネルとしてしばらく使用されていた後に、崩落の危険などから閉鎖されたらしい。これも後で知ったことだが、須花トンネルをネットで検索すると「心霊スポット」としての情報がたくさん出てくるのだが、少なくとも僕は知らなかったしそんな雰囲気は全く感じなかったので楽しく見学できて良かった。(知っていたら、明治トンネルを通るのは躊躇したかも・・・)

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大正トンネル

*中名草(昼食)
 さて二つの旧トンネル見学を楽しんでから現在のトンネルを通って下り、県道218号に出たら、Gokiさんが目星をつけていたお昼ポイントに向かう。名草中町の小道を入りこんで、隠れ家的な雰囲気で佇む「AND NYC」というしゃれたカフェに、午後1時ころ到着した。先客も何組かゆったりと過ごしている感じだった。僕ら5名が入店したところ、お昼のお食事メニューは終わってしまった、とのこと。お腹も減っていたので、え~~とは思ったけど、せっかく来たし飲み物は出来る、ということだったので、とりあえずここでお茶休憩しながら昼食ポイントの再検討をすることになった。
 二人で運営しているお店なのでそれなりに時間がかかるようだったが、注文をして待つ間に一口コーヒーを出して繋いでくれたりとサービスも良かったし、内装やグッズにもこだわりが詰まった感じ、トイレもすごくきれいで快適だった。それに皆もそれほど走り疲れているわけでもないので心に余裕があって、お茶タイムを楽しく過ごした。このお店にはまたチャンスが有れば来てみたい。結局ここで40分くらい滞在し、県道218号を2kmくらい進んだ先にも「T&M FARM」というカフェ(ソフトクリーム屋さん?)があって軽食はとれるようなので、そこを目指すことにして13時45分出発。
 一時かかっていた雲もまた晴れて、日差しが暑くなってきた。14時ころに「T&M FARM」に到着、ここはロッジ風の店舗のカウンターでホットサンドと飲み物を注文し、野外のパラソル下のテーブル席で食べる形式だ。遅めの昼食を楽しみつつ、少し上の方にはBMXのコースが有ってレンタルMTBで楽しめるようになっているらしく、浦野さんと宮村さんは食後に見物に行っていた。店主のお兄さんは自転車に興味があるらしく僕らの自転車もみて「ツーリング、いいですね~」って感じで声をかけてくれた。さっきのAND NYCもここも、適度なユルさとおしゃれな感じで若い人にもうけそうなお店だ。

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T&M FARMでお昼(ホットサンド)

*名草厳島神社、巨石群
 14時半過ぎ、無事に昼食を済ませてT&M FARMを出発。ここからは今日のコースの中では一番の登りとなる。ほどなくして右手の川の対岸に、エドヒガンザクラで有名な臥龍院が見えてくるが、お昼休憩ですっかり時間を費やしてしまったのでここは立ち寄らず遠くから眺めるだけ。枝垂桜のような?ピンク色が遠くから垣間見えたような。あれがエドヒガンかな?と、Gokiさんと声をかけ合う。
 臥龍院から1kmちょっとで名草厳島神社への分岐に到着、神社方面へさらに登っていく。道の終点から遊歩道を5分くらい徒歩で登っていくと、弁財天の社殿に着く。「弁慶の割石」とか「胎内くぐり」などの巨岩を見物して社殿にお参りし、ここから国指定天然記念物「名草巨石群」へは更に山道を登るようだが、浦野さんが「どうする?」と聞いてくれたので、ここまできたからには行きましょう、というと浦野さんも我が意を得たり、という感じで山に向かって登っていった。5分ほど登ると天然記念物の石碑が現れ、ここら一帯がその場所らしい。一見して、どう味わったら良いのか戸惑うような天然記念物だが、もとはここの巨石群と社殿の辺りの巨石とは全て一体の、直径1.5kmほどの巨大な岩だったものが、花崗岩特有の玉ねぎ風化という風化現象により現在のような巨石群になった、という解説を(後から)見ると、なるほど貴重なものなのだな、ということが分かってくるのだった。ここでの散策で木の祠のなかの小さなお地蔵さんを発見したりして楽しんでから、自転車まで戻ったらもう15時半頃だ。

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分岐から厳島神社への上り口
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厳島神社の前景 | 左の大岩を胎内くぐり
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名草巨石群 | 木の洞に小さなお地蔵さん

*藤坂峠→織姫神社→足利市駅
 ここからは分岐まで下ってから藤坂峠(250ⅿ)までの約1kmの登りでは、アコが快調に飛ばしてみんなが追いかける、という感じで、なんか久々のランのはずなのにみんなより走れるかも?とGokiさんから声がかかる。

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藤坂峠を軽々と上ったアコ氏

 15時50分ころ峠に到着して写真を撮ったら、県道219号に出て両毛線沿いまで一気に下る。市街地に出てからは足利駅方面に向かいつつ、最後のポイント織姫神社の少し手前で、西渓園の梅を見るプランとなっていたのだが分岐を見落としてしまって織姫神社まで来てしまった。まあしかしここで16時半なので、西渓園は今回パスとして最後に織姫神社を見学して締めとすることになった。
 ここから229段の階段を登っていくと展望の良い高台になって、広々とした敷地に出る。残念ながら社務所はもう閉まっていて、宮村さん恒例の御朱印は貰えなかったが、夕刻の足利市の街並みを眺めたりそれなりに楽しんだ。縁結びの神様とのことで、ここからの夜景を楽しんだりとデートスポットとしても有名な場所らしい。

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織姫神社下、ここから229段 | 厄除けの木打ち

 さて階段をまた下って自転車に戻ったら、ほどなくして車のデポ地に向かう浦野さんとはお別れ。東武の足利市駅に向かっていくときにちょっと行き過ぎて引き返したりしたが、17時過ぎに無事に駅に到着!実際に走り終えてみると獲得標高は計画時より更に下がって500ⅿ未満、今回は観光ポイントや各所でのきれいな花も楽しめたし、ゆったりと楽しいランでした。皆様おつかれさまでした~。

【Gコメント】前半のんびりしつつも、春を感じられたり、楽しめるポイントを多く設定したので、充実したサイクリングができたと思う。初めて行った多々良沼、須花峠の明治トンネルはスマッシュヒット。メインの厳島神社、名草巨石群は3度目でも楽しかった。なお、記録データはGのGARMINからで、DAZとは高さに少し差が出ている。また、今回の写真選定で気づいたのだが、2012春の足利ラン記録ページで馬打峠とした写真は藤坂峠の間違いだった。

【宮村コメント】良かったこと:久しぶりにアコさんに会え、ブランクを感じさせない走りに驚かされた。色々な春の花々を楽しめた。興味深ったこと:明治トンネルの狭い暗がりを出口まで行ったり、厳島神社で大岩胎内くぐりをしたり、名草巨石群では巨石と巨石の隙間を通ったり、人はなぜか穴を通ってしまう。

【アココメント】コロナ禍以降、サイクリングはすっかりご無沙汰でした。2021年元日に荒川を走ったのが唯一かも…最近RinRinの週末ランが質量ともにパワーアップしてるとの噂は聞いてましたが走力的についていく自信がなく参加を見送っておりました。今回、Gさんがゆるいコースを企画してくれたので重い腰を上げて走ってみる事にしました。つらい早起き&輪行を乗り切ってしまえば、ご当地名所の訪問(トンネル、巨石群など)、オサレなカフェでのランチなど盛りだくさんで参加して良かったです❤️ 皆さんには物足りないかもしれませんが、このようなアップ少なめの行楽的サイクリングをたまに企画いただけると嬉しいです。

【浦野コメント】この日は足利駅にほど近い渡良瀬川の公園(渡良瀬グリーンプラザ)に車を停めて集合地の館林駅に向かった。予定していた喫茶店で食事できず立ち寄ったカフェで食べたホットサンドが思いがけず美味しかった事が印象に残っている。名草巨石群は行くまで全く覚えていなかったが、行ってみたら記憶が蘇ってきた。上りほどほど、疲れもほどほどで楽しく走れた1日だったが、花粉症で鼻水に悩まされた1日でもあった。


関連リンク:
 2012春ラン 足利