ショートレポート: 秋ラン 雛鶴峠

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鈴懸峠(鈴ヶ音峠)の上り
by 浦野(投稿日:4 Nov 2022)

Map, Click to Expand 日程:2022/10/15(土)
参加:G(計画)、浦野、シノッチ、コメイモ、天皇
コース:=藤野駅→雛鶴峠→朝日→鈴懸峠→猿橋→鳥沢駅= (44km - 5.0h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 9月から10月にかけて3連休が何回かあったが、台風の影響などもあり宿泊ランはおろか日帰りランさえも実現しなかった。というわけで久しぶりに実現したサイクリングだったが、好天との予報にもかかわらず不安定な天候でのサイクリングになった。


1日目:10/15(土)
コース:=藤野駅→雛鶴峠→朝日→鈴懸峠→猿橋→鳥沢駅=
参加:G(計画)、浦野、シノッチ、コメイモ、天皇
天気:雨のち曇り時々晴れ
距離:44.44km
獲得標高:936m
走行時間:5h00min

*出発まで
 予定はJR中央本線藤野駅を9時出発。浦野は久しぶりのJR輪行のため時間に余裕をみて早起きしたら7:30に藤野駅に着いてしまった。ゆっくり自転車を組み立てたあと持参したパンなどで朝食を摂りつつ皆を待っているとシノッチ夫婦、中村さん、Gokiさんの順で到着。この頃から空模様が怪しくなってきた。

*旧秋山村方面にかかる雨雲の中へ
 9:05小雨の中、浦野トップで藤野駅を出発。国道20号から県道76号に入る交差点を見逃し、後続者に注意される。桂川を渡ってコンビニで買い出しするころには、本降りになる。コンビニ前で雨宿りしていた中年ライダーたち曰く「雨雲レーダー見るとこの辺りだけ降っている」。買い出しを終えて雨の中出発すると、それほど大きな雨雲ではなかったようで、15分くらいで雨が止んでほっと一息。
 9:40県道35号に合流したところで10分ほど小休止。この辺りの県道35号は少し上っては下るアップダウンを繰り返すため、なかなか高度を稼げない。途中の公衆トイレで休憩したあたりから、止んでいた小雨がまたパラツキ始める。雛鶴峠へ向かう途中、コメイモさんが無人販売所でインゲン豆をお買い上げ。「荷物になるのにご苦労なこっちゃ」と思っていたら、次の休憩場所でシノッチのリュックにしまい込んでいた。

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立派な秋山公衆トイレ | ガソリンスタンド横で雨宿り

*雛鶴峠と前後の雛鶴神社を目指して
 Gokiさんの事前調査によると、雛鶴峠の前後(東西)にそれぞれ雛鶴神社があるらしい。11時前に雛鶴峠手前(東側)の雛鶴神社に到着。雛鶴神社は、後醍醐天皇の息子で鎌倉幕府滅亡の原動力となった護良親王(もりなが(もりよし)しんのう)の側室であった雛鶴姫を祭った神社である。鎌倉で殺害された護良親王の首級(くびしるし)をかかえ鎌倉を逃れた雛鶴姫が、峠近くの無生野(むしょうの)での出産時に亡くなったことを憐れんだ村民が神社を建立したと伝わっている。

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雛鶴神社(峠の前)

 11:05に雛鶴神社を出発。標高660mの雛鶴峠を経て下る途中、地上に出ているリニア実験線の脇を通過。リニア開業時には本線となるこの辺りの実験線はほとんどトンネルになっており、地上に出る場所もフードや隔壁に覆われている所が多いので、開業後も景色を楽しむような旅にはならないようだ。

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リニア基地

 11:20峠西側の雛鶴神社入り口に到着。「御朱印あります」という案内板が出ていたので神社としてはこちらがメインになっているようだが神社までは距離600mとのこと。上り坂になっているうえ未舗装でぬかるんでいたため、神社まで行くかどうか皆で一思案。結局、「ぬかるんだ坂道を600m上って行くのはしんどそう」ということで、雛鶴神社は次の機会にしようということになった。果たして次の機会がいつ来るのか(そもそもそんな機会があるのか)わからないが・・・。 これも“サイクリングあるある”のひとつか。
 引き続き浦野トップで下り基調の県道35号線を快調に飛ばすこと5~6キロ。シノッチから「分岐を行き過ぎてますよ」と指摘されてしまう(※)。途中、猿橋方面に向かう県道509号線の分岐を見逃してしまったようだ。今日2回目のコースミスに恐縮しつつ3km弱戻ることになってしまった。分岐にある石舟神社まで戻ったところでコメイモさんがハンガーノックを申告。

※)正しくは、シノッチがGarminでコース外れに気づき、コメイモが三人を追いかけて知らせたとのこと。
 つまり、シノッチ→コメイモ⇒⇒⇒天皇→G→浦野。それでコメイモがハンガーノックになったのかあ。(G追記)
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見逃した分岐

*お昼はどうなる?
 事前にGoogleマップで目星をつけていたインドネシア料理店をGokiさんが探しに行ってくれたが、戻ってきたGokiさん曰く「レストランではなく普通の民家で、インドネシア人っぽいおじさんが言うにはネットで少し販売しているだけ」とのことでエスニックランチは断念することに。残念ではあったがこんな事態も想定内。各自パンやおにぎりを取り出し11:50境内に座り込んでの昼食となった。ところでこの石舟神社、前述の護良親王の首級・頭蓋骨を祭る神社だった。日本最古級の復顔術で再現された首級は今でも年1回、公開されているようだ。

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石船神社の境内で昼食 | やはり、パスした方の雛鶴神社がメジャーだ

*鈴懸峠を越えて猿橋へ
 お腹が落ち着いたところで鈴ヶ音(鈴懸)峠に向けて出発。標高差は230m程度なので30分ほどで峠に到着。この峠の名前について途中ゴルフ場との分岐にあった標識では鈴懸峠となっていたが、頂上では鈴ヶ音峠と書かれた小さな標識を発見。道路地図でも鈴ヶ音峠となっているのでどうやらこちらが正解のようだ。

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鈴懸峠の上り | 峠に到着
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鈴懸峠にて | 天皇さんが執念で見つけた峠の目印

 ここまで来れば後は猿橋まで下るだけだ。猿橋に着くころには天気も回復し日も差すようになった。日本三奇橋(岩国の錦帯橋、甲斐の猿橋は鉄板だがあと1つは諸説あり)に数えられる猿橋は桂川渓谷に架かっており、秋の紅葉も美しいことから国の名勝にも指定されている。深く狭い渓谷に橋を架ける場合、橋脚を建造することが難しいため吊り橋構造が採用されることが多いが、猿橋は両岸から延びる四層のはね木によって橋の重量を支える珍しい構造になっており奇矯の由縁になっている。また、「日立製作所を創業した小平浪平が、偶然再会した渋沢元治(渋沢栄一の甥)と夜通し電気製作事業の構想を練った猿橋の大黒屋云々」とは、橋のそばに今も店舗を構える大黒屋さんの説明板の記載だ。かつては日立社員の猿橋詣でも盛んだったとか。ちなみに猿橋のすぐ下流側に架かる水路は八ツ沢発電所一号水路橋で、上流の駒橋発電所で利用した水を下流の発電所に流すための水路とのことだ。

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下から猿橋 | 猿橋下流の水路橋

 基本的に今回のランは予定通り猿橋で解散になった。御殿場まで自走で帰るGokiさんは13:40に西に向けて出発、4人は交通量の多い国道20号線を東に向かった。大型トラックにヒヤヒヤしながらも10分ほどで鳥沢駅に到着。藤野駅前に停めてある車まで自走するシノッチ夫婦と別れ、中村さんと二人ゆっくり輪行して帰路についた。

【天皇コメント】最近は雨の中は走らなくなり、しばらくぶりにポンチョを被ってのランでした。みんなで走る雨のランはやはり良い。30年ぶりのこのコースは適度な勾配で楽しめました。シノッチの鈴の音を聞きながら鈴ケ音峠も越えられて、宿題も一つ果たせました。またの機会に御一緒を。

【シノッチ&コメイモコメント】晴れる予定が半分以上雨で”ナンデー”という感じのランでした。猿橋解散後、国道20号から四方津から脇道にそれて走ったのですが、その脇道が結構きつかったのでした。

【Gコメント】今回のランで残念なことは、雛鶴神社2をパスしたこと。何とかリベンジしたい。印象に残ったのは、ランそのものでは無くて、コメイモが今も古いツーリングマップ(※)を持って走っていたこと。1990年発行のそれには、走ったコースとメモがサインペンで書き留めてあり、今となっては貴重な資料だ。今回の地域にも昔の記録があった。上野原から山側の旧甲州街道を通って、鈴懸峠(昔は地図記載がなく、小沢峠と呼んでいた)を越えて雛鶴峠へと行く、今回の逆回り。鈴懸峠は逆に登ると結構ハードだ。彼女らが登っている姿の朧げな記憶がある。ただし、雛鶴峠を越えたあたりで暗くなり、車に回収されたとのこと。後で調べると、1994/11/23の紅葉時期に伴走車付きで走っていた。当時はナイトランになってしまうことは良くあったし、女性陣にはなかなか過酷だったかもしれない。その分、皆、今の自分よりも速かったように思う。 ※)ツーリングマップルの前身で、サイズがよりコンパクトで、何より縮尺が絶妙で自転車に最適だった。また登山道や林道の点線道も良く書かれていて重宝した。


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