ショートレポート: 冬ラン(ロウ梅) 尺里峠

Photo, CLick to Expand
ロウ梅を愛でる
by G(投稿日:23 Jul 2023)

Map, CLick to Expand 日程:2022/1/30(日)
参加:G(計画)、宮村、DAZ、浦野
コース:=鴨宮駅→尺里(ひさり)峠→松田駅= (49km - 6.9h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 原さんのメールで曽我梅林の話がでたのを切っ掛けに、周辺を地図で調べたところ、ちょっと面白そうだった。そこで、走ったことの無いこのエリア(酒匂川、松田、山北)でコースを作成することにした。観光ポイントを寄(やどりぎ)のロウ梅として、走りのメインを尺里(ひさり)峠とした。久々に獲得標高が1000m以下のコースとなった。天気予報がふらついていたが、直前に好転してくれた。


1日目:1/30(日)
コース:=鴨宮駅→勝福寺→酒匂川→渋沢→土佐原林道→寄ロウ梅園→尺里(ひさり)峠→山北→松田駅=
参加:G(計画)、宮村、DAZ、浦野
天気:曇
距離:49.37km
獲得標高:1122m
走行時間:6h55min


*集合まで
 まだ薄暗い時間に御殿場を出発。裏山の長尾峠を越えると、箱根まではずっと下りで、約42km。寒さ対策はぎりぎり大丈夫だったが、目の調子がひどくて片目状態。せっかくの長い下りも、コーナーをとろとろと進まざるを得ず、残念ながら楽しめなかった。明るくなってきた小田原の街を抜け、鴨宮駅に着くと、皆は既にスタンバイ状態だった。

Photo, CLick to Expand
JR鴨宮駅を出発
*勝福寺、酒匂川サイクリングロード
 予定の9時より少しだけ早めに出発。今日のコースはツーリングマップルでは細かすぎるところが多い。そこで、作成済みのコースをGarmin Edge530に表示して(ナビはオフ)、めずらしく自分が先導することにした。おかげで駅周辺はすんなり脱出できた。地図に巡礼街道とあった道はクランクして細くなると古道の雰囲気。すぐに最初の観光ポイント、勝福(しょうふく)寺。Garminの画面を見すぎて危うく行きすぎるところ、ここじゃないの?と皆に声をかけられる。
 おばちゃんが近づいてきて話しかけられた。最初はここを管理している人かと思ったが、工務店をやっていて旦那を継いだ息子がどうとか身の上話をされる。自分とそんなに変わらない年かなと思ったら70才だと、元気だ。このお寺には、立派な仁王門があり、名の知れた古刹のようだ。ここに止まったのは、設定したコース沿いのポイントを最近google mapで隈なくチェックしている結果。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
勝福寺の仁王門と境内

 勝福寺を出て、すぐ裏の土手沿いに酒匂(さかわ)川沿いを北上する。出だしがダートだったのはご愛嬌。途中から対岸のサイクリングロードに入り、のんびりウォームアップラン。酒匂川はその昔は大変な暴れ川だったようで、江戸時代の大整備には二宮尊徳が関わっていたとか。尊徳の整備したという松並木も通る。

*渋沢丘陵、畑の展望台
 松田近くで橋を渡り、川音川沿いを遡ってすぐ小田急線に近づいた所で、大井松田IC横の急坂を上って低山地帯(渋沢丘陵)に突入する。高速から離れ旧道っぽい狭い道に入って少し上り富士見塚近くで一息付く(見晴台まではいかず)。ここにはトイレがあった。道路脇に小さな看板があり、古道である矢倉沢往還()に入ったようだ。単純に面白そうな道を選んだだけだが、それが古道の波長に合うのかもしれない。
 ※)矢倉沢往還は、江戸に発して、相模国(大山、善波峠、渋沢丘陵)、足柄峠を経て、駿河国沼津宿まで行く。東海道に対して脇街道。
 トンネルがある新道を避けていると道はいい感じに緩くうねる。丘陵地帯の真ん中くらいに来た所で、畑の中を突っ切る急坂に入る。皆いきなり押しが入って面食らっていた。これで稜線上の道に出ると、少しで畑の展望台とgoogle mapに記載されていた場所。明確な場所は分からなかったが、確かに秦野盆地〜渋沢方面の住宅街が一望できた。止まらず進んだのであまり良く見てなかったが。古い道はここから下りに入り、大きく折り返してから一気の急坂で住宅街に出た。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
富士見塚近くで一息 | 畑を突っ切る急坂で
*寄のロウ梅、たなーたん
 渋沢丘陵を抜けた後、午前中のハイライトとなる寄(やどりぎ)を目指す。渋沢駅横を通過した後、交通量の少ない街中の道でゆっくりと高度を稼いで行く。川音川上流の四十八瀬川を渡って、三廻部(みくるべ)へ向かう。その途中ではこの辺まで完成している第二東名を越えた。
 三廻部のどんつきから土佐原林道に入って上り出す。乗馬クラブの横をすぎた辺りから、ハイカーの長蛇の列(何かの団体?)に出会う。我々と同じくロウ梅園に向かっているのかな。ひと上りが終わると土佐原林道記念碑があった。この少し先から北に向かう細い道へと分岐する。車両通行止めだが「自転車は除く」で良かった。ほぼ等高線上の道をゆっくり進むと土佐原休憩所があって、その一帯にロウ梅が咲いていた。しばし休憩。ちょうど満開で良い香りを間近で感じることができた。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
土佐原林道記念碑 | 土佐原休憩所のロウ梅

 休憩所から少しだけ下った所で、何やら人だかりに遭遇。止まってみると、町を見下ろす斜面上端の小広場で、その斜面には寄(やどりぎ)ロウ梅園があった。下から登ってきた人たちが集まっていたのだった。中には数人のサイクリストグループも居た。我々は上から来たので楽ちんで大正解だったなあ。
 ここから人混みに注意しながらゆっくりと下る。下る道はロウ梅園の上部を横切っていて、写真撮りに何度も止まってしまった。ただ、道沿いのロウ梅はちょっと旬を過ぎている感じで少し残念。降り切ると、寄ロウ梅園の入口門の前に出た。今ロウ梅祭りの真っ最中でたくさんの人出。入園は有料だったみたい。ロウ梅の切り枝を買って帰る人たちもちらほら。人が歩く場所のロウ梅は旬の状態なのだろう。でもまあ、後から考えると土佐原休憩所のロウ梅が一番旬で香りも楽しめたと思う。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
ロウ梅園上の小広場で | ロウ梅園を横切る道の途中で

 ちょうどお昼になった。事前にgoogle mapで面白そうだなあとチェックしていたお店に向かう。中津川沿いを少し下って寄の住宅街の中に入る。しばらく探すかなあと思っていたら、宮村が勘良くすぐに見つけてくれた。コミュニティカフェたなーたん。女性オーナーが仲間たちと自力で建てたみたい。インド好きが高じて店を始めたのか、インド雑貨のコーナーもあった。こだわりのインドカレーに、コーヒーも美味しくて、ゆっくりといい時間を過ごせた。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
住宅街の真ん中のたなーたん | こだわりのインドカレー
*尺里峠、高松分校、松田
 午後のハイライトである尺里(ひさり)峠に向かう。1時半すぎに店を出て、すぐの分岐で中津川を渡り、支流(虫沢)沿いに緩く上り出す。途中で数人の外国人男女のハイカーグループが降りてくるのとすれ違った。マニアックとも思ったが、この周辺の古道歩きは結構有名なのかもしれない。古道を調子よく上っていたら道の様子が何かおかしい。地図をチェックすると尺里峠への分岐を大分行き過ぎていた。このまま進むと秦野峠に行ってしまう(秦野林道はかなり前から通行止めになっている)。
 分岐まで戻り、気を取り直して再スタート。ここから300m弱の上り。しばらく進むと分岐が現れた。Garminに設定したコースは真っ直ぐ進むことを示しているが、道なりは右方向な感じ。近くにいたおばさんが、そっちで行けるよと言ってくれたので、真っ直ぐ進むことにする。これがとんでも無く激坂で、一気に50mくらいの標高を稼いだようだ。本線に戻る道が少し複雑で、後ろに逸れた浦野からの電話に道を指示する場面もあった。後でチェックすると、ここはショートカット道。Garminコース作成時に勝手に引かれた部分を良くチェックしなかった私のミスでした、すいません。
 残り200m弱。林の中、皆で固まって、じんわりとかなりいいペースで上っていく。途中で一人小トイレ離脱したら、もう追いつか無かった。尺里峠には2時半少し前に到着。特に展望は無かったが、近年整備された幾つもの古道への案内板があった。どれかの道を少し行けば展望があるかもしれない。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
尺里峠に遅れて到着 | 古道案内板の多い尺里峠にて

 早々に峠を出て下り出す。途中で高松分校跡に寄る予定。下り出してすぐに高松分校を示す分岐があった。ここはGarminに設定したコースでは無いが、近いんじゃない?と突っ込む。すぐにダートになってしまった。ダートを抜けた所で、いつもの呪文「OKグーグル!」。宮村のgoogle mapを呼び出して道を確認する()。ところが、そのあとグルグル、行き止まりなど、訳わかめな道に入ってしまった。最終的には20分ほどかかって旧高松分校前の通りに出た。大分大回りしたようだ。
 ※)相当後になって分かったのだが、彼のgoogle map設定では北を固定していなかった。そのため複数人でMapを見てると誤認が誤認を生んでしまうのだ。
 旧高松分校は近年廃校になった小学校だ。小ぶりな木造の校舎と校庭。自分が小さい頃の学校と似た雰囲気で懐かしく見学。それもそのはずで、高松集落は第二次大戦後の引き揚げ者が入植した所らしく、同時代のものだ。最近は少子化の反映でこれほど辺鄙な所で無くても廃校になっているのを良く見かける。自分の出身中学校も数年前に地域統合で廃校になった。ちょっと寂しい。

Photo, CLick to Expand  Photo, CLick to Expand
旧高松分校

 ここからは、荒れた舗装の急坂ヘアピン群を楽しみながら、一気に山北まで降りた()。そこから酒匂川沿いに出て、住宅地と川に挟まれた車の来ない道をのんびり下り、まだ明るい3時40分すぎにJR松田駅に到着。ここで今日のランは解散、おつかれさまでした。自分はここで輪行。DAZと宮村はすぐ近くの小田急線新松田駅で輪行。浦野はここから朝車を停めた道の駅足柄まで4kmほど走っていった。
 ※)ちなみにこの辺りの地下では第二東名の高松トンネルの工事が行われている。かなりの難工事になっているようで、そのために第二東名の23年度完成が再度延期されたと聞く。

Photo, CLick to Expand
JR松田駅で解散
*まとめ
 今まで走ったことのない地域(酒匂川、松田、山北)でコースを作って、走り始めを行なった。想定外も良い方にころぶことが多く楽しめた。メインディッシュの、寄のロウ梅は十分に堪能できた。曇りがちだったが、風が無かったのでそれほど寒く無くて良かった。何度かのミスコースもあり、獲得標高が1000mを超えてしまったことは、計画者としては少し残念。

【宮村コメント】良かったこと:サイクリングロードに入る前に立ち寄った勝福寺の重厚感。寄ロウバイ園の香りと花。ランチした「たなーたん」のこだわりインドカレーとコーヒー。旧高松分校の郷愁そそる風情。 萎えたこと:「畑の展望台」途中にあった激坂、押した。尺里峠途中のショートカット激坂、押した。曇りで富士山が残念だった。旧高松分校のへの分岐方向をGoogle Mapでチェックしたのに間違えた。 印象的だったこと:勝福寺門前で気さくに声をかけてきたおばあちゃん。ぶらぶらオヤジ風情の我々に親しみをもった?

【DAZコメント】読み方の難しい地名がまず第一印象。酒匂川、尺里、寄など。スタートすぐの「巡礼街道」も、なぜこの名前?と思っていたが、実際に行って勝福寺についてみたら仁王門や本殿がとても立派だったので、なるほどだった。初めての蝋梅はとても良い香りで、たくさん人が来てるのも、春を待ち遠しく思っている一人として共感。たなーたん!の中は暖房で暖かくてホッとした。午前午後とも、激坂を含む難しいルート続きで、先導していただいたので走れたけれども、自分だけではもう一度走るのも難しいかも。

【浦野コメント】山の斜面に広がる寄ロウバイ祭りは、下から入園すると入場料がかかるのだが、我々は上側からアクセスしたため無料で楽しむことができた。緩すぎる管理体制に感謝。近くのカレー屋さんは住宅街の中に紛れるような店。ロウバイ祭り期間中は限定メニューのみだったが思いがけずインドカレーを堪能できた。


関連リンク: