ショートレポート: 春ラン(桜) 大野山

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春めき桜の前で
by 宮村(投稿日:20 Mar 2022)

Map, Click to Expand 日程:2022/3/13(日)
参加:G(計画)、宮村、浦野、DAZ
コース:=新松田駅→大野山→足柄峠→新松田駅= (68km - 8.3h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 3月に入り、Gさんから3月12日(土)or13日(日)日帰りランの誘いが来た。コースは、梅開花が遅れ気味かつ桜開花前なので、花見系ではなく松田を起点に大野山&足柄峠を回る眺望系になった。花見系は3月26日(土)or27日(日)予定とのこと。眺望系は自ずと獲得標高が高くなる(大野山723m、足柄峠759m)・・・。
 実施日は、3月初めの天気予報では崩れそうだったが参加希望が多かった13日に、好転したので落ち着いた。また直前にDAZさんから仙腸関節を痛めたとの連絡だったが大事に至らなかった。
 当日は、温暖で日差しが薄雲にさえぎられ、風の影響がほぼなく走り易かった。富士山はおぼろで幻想的だった。「大野山」への途中が印象的で波乱にみちた。


1日目:3/13(日)
コース:=新松田駅→山北駅→大野山→カフェリーフズ→小山駅→誓いの丘→足柄峠→足柄神社→春めき桜→新松田駅=
参加:G(計画)、宮村、浦野、DAZ
天気:晴れ後曇
距離:67.85km
獲得標高:1607m
走行時間:8h18min

*出発まで
 宮村は、早めの小田急に乗車でき7時52分に新松田駅に到着した(標高69mとのこと)。途中の車窓から霞がかかったような富士山が見えた。もう少し雲が切れてくれると嬉しいと思った。駅で組み立て中、早くもDAZさんが到着した。
 組み立て終わったところで、「イソヒヨドリ」らしき鳥がビルの屋上から綺麗な声で鳴いたり、ホバリングしたりしているのに気づき、ブレーキなど最終チェックの手が止まってしまった。この野鳥はふつう海岸や河口などの崖地にいるので違う鳥かほんとなら珍しい。観察やスマホでボイスレコードをしていると次に富士裾野のスキー場「スノーパークイエティ」に行く娘さんと待ち合わせ中のお母さんに「自転車の人を沢山見かけるけど何処へ行くの」と声をかけられ自転車やスキーの話になった。
 そんないつもと違う時間を費やしている間に、浦野さんが「道の駅足柄・金太郎のふるさと」に車をデポして、Gさんが自宅から自走で長尾峠→矢倉沢峠を通り、早々に到着した。宮村以外整ったところで「大野山」登坂の起点となる山北駅付近へ行くコースの話がはじまり、Gさんから予定の9時より早いけど行こう、最初宮村先導する?となった。そこでハッと、ブレーキチェック前だったことを思い出し、チェックしている間に、Gさんが出発した。その後をDAZさん、浦野さん、宮村が追いかけた。そんな出発だった。
 「イソヒヨドリ」のことだが、WEBで調べると松田駅周辺でよく観察されているらしい。

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新松田駅前

*山北町八丁、大野山への道に入るゲートまで
 Gさんを追いかけ酒匂川にかかる十文字橋を渡り、サイクリングロードに入った。ここからGさんDAZさんが入れ替わりながら先頭になる感じ。春の雰囲気が溢れ始めており、野鳥も人も嬉しそうだった。河原では、眉の白さが眩しい「セグロセキレイ」が飛び回り、「カワラヒワ」「ホオジロ」他分からない野鳥たちが合唱していた。幅が狭いサイクリングロードは、散歩、ジョギング、サイクリングでにぎわっていた。
 次に酒匂川にかかる大口橋を渡り、74号を北上、木造のJR山北駅舎を左に見て過ぎ、9時15分ごろ皆瀬川沿いに「大野山」へ通じる725号に入った。若干進むと皆瀬川の川岸に菜の花が咲き誇っていたので、一時停止して撮影会。再出発後、緩やかに登り始め東名高速を見上げ通過、建設中の新東名をこんな細い足場の集合体みたいな建て付けで大丈夫なのだろうかと思いながら通過。しばらくは里山をつなぐような725号を、皆瀬川対岸を走る鹿の小さな群れを見て驚いたり、木々を飛び移る野鳥の「カケス」に出会ったり、多くの良く分からない野鳥のおしゃべりを聞きながら気持ちよく登った。勾配の高まりを感じ始めた山北町八丁の地蔵堂?前で小休止。9時44分ごろ、標高300m強ぐらいか。そこから少し登り、右「はなじょろ道入口」と書いた道標がある分岐を「大野山」へ向かうため左に入るとゲートがあった。
 ところで、今年1月30日尺里峠ランの時、通過した松田町虫沢あたりにも「はなじょろ道入口」と書いた道標があった。調べるとかつて山北町(かつて共和村)八丁と松田町虫沢が婚姻関係にあり、生活道であるとともに花嫁さんが牛や馬に家財道具を乗せ八丁からヒネゴ沢乗越をまたぎ虫沢へ向かった山道でもありこう呼ばれてきたとあった。深い歴史がありそう。

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皆瀬川の菜の花 | 八丁の地蔵堂前

*大野山山頂まで
 ゲートを抜けると本格的な登りになった。道は舗装だったが小石などが目立った。ある程度登るとダートになったがガタガタでは無かった。また舗装になったところで、Gさんが休憩したほうが良いと思ったのだろうか、一時停止。10時12分ごろで、八丁の地蔵堂前から3km強で220mくらい上昇した。けっこう登っていた。気温も上がってきた。水分補給などした。
 再出発し、若干登ると山の南側に出た。ここから印象的で波乱に満ちた道程だった。勾配が緩やかになるも大き目の岩石が散らばる厳しいダートになった。次に大規模に山が崩落し、道を塞いだり、道をはぎ取ってしまったりした場所に遭遇した。しばし呆然だったが、崩落で積もった岩の上を歩いて越えた跡があるということで、続いて越えた。道から下を見ると沢深くまで崩落が続きゾクッとした。大きな崩落は三カ所あった。

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一番目の崩落
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二番目の崩落
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三番目の崩落

 岩石や崩落後の岩肌が緑っぽく「ブラタモリ」的に言うなら、このあたりは伊豆半島が日本に衝突しめり込んだ先端あたりで、伊豆が海底火山だったころにできた岩盤(海中で噴出すると種々反応し緑色系になる)が盛り上がって山になっている。だから、山が急な上に風化し易く、暴風雨で水分を蓄えると崩落し易いとかになるだろうかと思いつつ通った。
 また道も、岩石に加えフカフカした砂をまいたカ所が増え、数メートル間隔でゴム製?の横目地板が地面から数センチ突出し、かなり走り難くなった。板と板の間を通るか、板を乗り越え走った。乗り越えた勢いで砂地に入るとタイヤが滑った。
 注意深く走っていたが、宮村は三カ所目の崩落を越え、一つ目の通行止めを抜け(崩落の後に通行止めが二つ、ゲートが一つあった)、緩やかな登りを少し走ったところでついに大きく滑り左側に転倒した。さらに悪いことに、起き上がり200m強走ったあたりで右背中のポケットからスマホが無くなっていることに気づいた。転倒した時の勢いで落ちたと思った。すぐ前にいた浦野さんにその旨伝え引き返した。案の定、転倒したところに赤スマホが見えた。やっぱり赤は分かり易いと思った。あったからの余裕です。ここからスマホと財布をフロントバッグに入れた。何かあった後「すぐに」背中ポケットを触ることも大事と反省した。戻る途中DAZさんから電話があり「あった」と伝えた。浦野さんに伝えた場所から若干進んだ場所で皆さん待っていてくれた。経緯を話しているとDAZさんの前にGさんが電話したとのこと。転倒場所に着く前のようだった。マナーモードだったが、鳴っていれば見つける助けになったかも。そう言えば去年の伊豆ランでもマナーモードで朝電話に未反応でしたね。ランの最中は、お休みモードじゃなく仕事&出張モードと同じ着信モードかなと思った。Gさんにタイムロスしてしまったと言うとこの道にかかった時間からみると誤差範囲と言われた。

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スマホを見つけて追いついてきた

 Gさんもここまでの道に遭遇するとは考えていなかったようだ。その後のダートは次第に走り易くなり、ゲートと通行止めを抜け、11時30分前に「大野山」山頂への分岐に到着。一時停止。標高680mぐらい。

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急坂になりやっと舗装 | 最後のゲートで山頂への分岐

 そこから激坂を登り、11時40分前に「大野山」山頂着。標高723m。DAZさんが激坂の最大勾配20%だったと話していた。辛い立ちこぎだった。山頂からの富士はおぼろ過ぎた。撮影と下りウエア着用の小休止をとり下りへ。

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大野山山頂

<ランチ:カフェリーフズ>
 けっこう細い急坂を下りつつ、途中の梅園をさらっと楽しみ、12時過ぎにGさんがランチに選んだ「カフェリーフス」に到着。手作り感ある建物、自家製パン、凝ったコーヒーメニューなど、いい感じのカフェ。何だか皆一日終わった感があった。食事や会話が弾んだ。Gさんはほぼ全メニューを注文しコーヒーのおかわりをしていた。Gさんは朝の出発までに獲得標高700mくらい走っていてお腹すいているからたくさん食べるんですねと浦野さん。13時15分ごろ出発。

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下り途中の梅
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気持ち良いデッキでランチ。全てリーフのお皿。さらにチーズケーキとコーヒーもう一杯
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カフェリーフズ

*足柄峠まで
 ここからは、全般的にGさんがリード。向かい風が出てきたようだった。酒匂川北岸を76号、727号に乗って通過、246号に入り鮎沢川北岸を走り、鮎沢川南岸に渡りローソン小山町白岩店で14時ごろ小休止。飲料補給などした。
 すぐ146号に入りJR御殿場線を渡り、JR駿河小山駅を右に見て通過、東名高速をくぐり足柄峠への登りに入った。東名富士カントリークラブの敷地を通過中、若干勾配が緩くなったところで一時停止。14時40分ごろ。皆、大野山でけっこう身体と精神にきていた。14時50分ごろカントリークラブ入口で一時停止。後ろにおぼろだが富士山がはっきり見えた。 15時すぎ、「誓いの丘」着。標高630mぐらい。10分ほど小休止。「誓いの鐘」の向こうにおぼろだが富士山が良く見えた。しばし撮影会。
 15時25分すぎ「足柄峠」着。標高729m。すごい達成感。「足柄城址」への階段を登ると広場だった。石碑の向こうに富士山とはならなかったが、碑や説明版があり、しばしウロウロ。10分ほど小休止し下りへ。

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カントリークラブ入口からの富士 | 誓いの丘からの富士
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足柄峠 | 足柄城址

*新松田駅まで
 順調に下り、「足柄神社」の入口。神社までは、歩いて急坂を直登と緩やかな坂の二択あったが、もう皆自転車に乗って登りたくなく前者を選択。果樹園を見ながら自転車を引いて登るとりっぱな豚と梅林が印象的な農場につきあたり、すぐ右が神社だった。16時10分ごろ「足柄神社」。説明板に「足柄神社」は坂の神とあったので、ここまでの無事に感謝をこめてお参りした。10分ほど散策して出発。

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農場こぶた畑と梅林
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足柄神社

 街中を走行し桜がありそうもない住宅街に入ってしまったと思った瞬間、右曲がり角の向こうにピンクの絨毯がのぞいた。行ってみるとGさんが目指した「一ノ堰ハラネの春めき桜」だった。16時30分すぎ着。ソメイヨシノとは違う種類。まだ蕾が多かったがその蕾が鮮やかなピンク色で、木々全体がピンクに見えた。花の色は蕾より淡いので開花すると色変わりするだろう。二度おいしい感じの桜。日が陰りはじめていたが、見物するお客さんの出入りが続いていた。10分ほどワイワイ撮影会。

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一ノ堰ハラネの春めき桜

 ここから松田駅方面へ向かった。途中のガソリンスタンドがある交差点で、車をデポしている「道の駅」へ向かう浦野さんとお別れ。3人はお寺の前を通り、十文字橋を渡り、真ん前で桜色になった山の中腹(まつだ桜まつり)を眺めながら小田急新松田駅前に17時すぎ無事到着。

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小田急新松田駅到着

 GさんはJR御殿場線に乗るために松田駅へ。宮村とDAZさんは小田急で登戸・新宿方面へ。

【Gコメント】かなりへばったが、一日中、変化の大きいコースを走ることができて楽しかった。大野山からのタイトな下りも良かったが、足柄峠からの下りは舗装が改良されて以前より格段に走りやすかった。菜の花や春めき桜で春を感じられたし、カフェリーフズでは自家製パンが美味しかった。ただし、初めて走った大野山へのアプローチの道に関して、事前チェックを怠ったのが反省点。google mapにしっかり記載があっても鵜呑みにしてはいけないということ。

【浦野コメント】この日印象的だったのは、大野山の崩落現場と昼食時の宮村さんの発言だった。ケーキの食べ方について、多くの人はフォークで縦に切って(上部の生クリームと下部のスポンジを一体にして)複数の味を同時に楽しむが、宮村さんは上部(生クリームなど)を先に完食してから下部(スポンジ)を食べるとの事(中間にフルーツ層が有ればさらに多段階に分けて食べるらしい。ミルフィーユなどは大変そうだ…)。何でも各構成要素の味覚をそれぞれ確認するためだとか。一種の職業病ですね、と皆で爆笑。でも奥様には甚だ不評らしい(誰にも迷惑かけてない、とは本人のコメント)。何となく奥様の気持ちが分かるエピソードだった。

【DAZコメント】先月までのランと比べるとぐっと暖かくなって、服装も少し軽めに出来たし、寒さに耐えるような場面はほとんど無くなって良かった。大野山の登りでは土砂崩れの連続もあったけど、砂地に動物の足跡を見たり、水溜まりにオタマジャクシがたくさん泳いでいるのを眺めたり、いろいろな変化やハプニングを楽しんで登れたのも春の暖かさのおかげだと思った。大野山の直下の案内板には、たしか「平成22年の土砂崩れで通行止め」と書いてあったので、もう10年もあの状態だとすると、今後も修復は期待出来ないかも? お昼のカフェでは軽食メニューのみと聞いていたので、つい食べ物系をどんどん頼んでしまったが、自家製パンのピザトーストとコッペパンに、黒米おにぎり(2個パック)を頼んだら思ってたよりボリュームたっぷりで美味しさもばっちりで、充分すぎる補給が出来た。(Gokiさんは更にケーキも。)足柄神社が坂の神様だったとは、まさにサイクリストなら一度は詣でておくべきポイントでこれも良かった。最後に一足早く桜を眺めることが出来たのも嬉しいコース設定でした。


関連リンク:
 2022冬ラン 尺里峠