ショートレポート: 春ラン(梅) 越生梅林

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越生/宮崎農園の梅林にて
by DAZ(投稿日:27 Mar 2023)

Map, Click to Expand 日程:2023/3/11(土)
参加:G(計画)、DAZ、宮村、浦野
コース:=坂戸→都幾川→越生梅林→黒山三滝→東飯能= (62km - 7.8h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 3月に入ってぐっと暖かくなり、春ランのお誘いがGokiさんから届いた。2015年筑波以来の紅梅・白梅を期待するランということで、開花情報を参照して越生梅林を選定したとのこと。今年の2月初めに越生周辺をダズが個人ランした時は、まだ梅はほとんど咲いていなかった。ただこの時に巡った近隣の大樹はなかなか見応えがあったとGokiさんにご報告していたので、それらも今回のコースに採用され、さらに周辺の見所として北浅羽桜堤公園の大寒桜や黒山三滝なども追加されて、充実の春ラン企画となった。


1日目:3/11(土)
コース:=坂戸→北浅羽桜堤公園→関堀の大銀杏→都幾川→萩日吉神社→西平の大カヤ→上谷(かみやつ)の大クス→越生梅林→黒山三滝→鎌北湖→高麗神社→東飯能=
参加:G(計画)、DAZ、宮村、浦野
天気:晴れ
距離:62.23km
獲得標高:1174m
走行時間:7h46min


*坂戸駅を出発
 集合地は東武東上線の坂戸駅で9時半に出発の予定だ。だいぶ早めの8時半少し前に到着してみると、宮村さんも同じ電車だった。北口に出ると日陰で意外とひんやりして、冬ランより薄着で来て失敗したかな?と思った。駅前から少し離れたところに花壇が見えて、そこは温かな陽だまりとなっており、先に到着していた浦野さんがのんびり座って眠っていた。やはり日なたならだいぶ暖かい季節になったようだ。僕らも花壇まで行ってから自転車を組み立てる。浦野さんは4時半頃自宅を車で出発し、ゴールの東飯能に車をデポしてから15kmほど走ってきたということだ。Gokiさんも9時前に到着して、青空のもと、予定通り9時半に出発した。

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坂戸駅前の花壇
*大寒桜
 駅から北西に4kmほど進んで越辺川(おっぺがわ)に突き当たる。堤防の上がサイクリングロードになっているような感じで、Gokiさんとダズは、まずは堤防の上まで押し上げる。一方、宮村さんと浦野さんは、堤防下の草地に安行寒桜(別名大寒桜)が咲いているので、草地を押して桜の木のそばに向かっていった。堤防の上に上がってみると、大寒桜の並木がここからずっと先まで続いているのが見渡せて、ほぼ満開の状態となっていた。ここから1.2km先までずっと桜並木が続いていて、それは素晴らしい眺めなのに人出は少なめで、「北浅羽桜堤公園(きたあさばさくらづつみこうえん)」という隠れた桜の名所を初めて知った。さっそく花見を楽しむこととなり、春の嬉しい気分が盛り上がって上々の出だしだ。

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北浅羽桜堤公園
*大銀杏
 10時少し前に越辺川を渡って桜並木に別れを告げた後は、県道343、171、41、30号と繋いでときがわ町に向かっていく。左手に大附への分岐が出たところでいったんグーグルマップを確認し、そこから500mほど先へ進んだ道路際に、次なるポイントの「関堀の大銀杏」(大樹シリーズその1)が立っていた。今の季節は落葉しているので割と地味な印象だが、秋ならきっと立派な姿が見られるだろう。交通量の多い道路に面しているので、自転車でなければ中々立ち寄らないところだが、僕らは道を渡って近寄ってみた。案内板によると、西暦807年に植えられたと伝えられている、というから樹齢は1200年以上ということになる。「町指定天然記念物」とのことだ。

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関堀の大銀杏
*児持杉
 さてここから500m先の分岐で県道172号に入り、山側へ向かって行く。この辺りはたくさんのサイクリストが走っていて、すれ違い時に挨拶してくれる人も多くて嬉しい。松郷峠への分岐を過ぎて西平方面へ南下する道に入っていき、11時少し前に萩日吉神社に到着する。ここは2月の個人ランでも訪れた所で、鳥居をくぐってすぐのところに「児持杉」(大樹シリーズその2)が立っている。男杉と女杉が、小さな祠を挟んでしめ縄で結ばれていて、男杉は根回り6.5mで幹が3本に、女杉は根回り8.9mで幹が24本に分かれている。案内板によると樹齢は約800年とのことで、これも「町指定天然記念物」となっている。せっかくなので石段を登って神社本殿も参拝する。この神社は西暦544年に創建と伝えられ、3年に一度だけ流鏑馬祭りが開催されるらしい。どうも今年の1月に行ったようなので、次回は2026年1月となる。また1月と4月の例祭では毎年神楽が奉納されるということで、小さいながらも色々楽しめる神社のようだ。

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萩日吉神社と児持杉
*大カヤ
 さてここを出発したら、本日一番の急坂が始まる。厳しい勾配にヒーヒーいってしまうが、しかしほんの数百メートル進んだら道脇に「大カヤ」の看板があるので自転車を停めて、その先の山道を徒歩で進む。森林地帯を花粉症状に悩まされながら5分ほど登っていくと、森の中に大樹シリーズその3「西平の大カヤ」が現れる。2月に一人で来た時は、薄暗い森林の中で枝を広げる姿が神秘的というか恐ろしげでとても印象的だったが、今日は少し日が届いているせいかちょっとインパクトが弱かったような。案内板によると樹齢は約1000年、「県指定天然記念物」とのことで、先ほどまでよりも格上?となっている。僕は威厳と風格を感じさせるこの大樹がとてもお気に入りだが、皆さんはそれほどでもなかったか、それとも花粉症がつらかったためか、割と滞在短めで自転車まで戻った。スギ花粉の最盛期に、ここは特に濃厚な感じだったかも。

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西平の大カヤ
*大クス
 11時半ころから再び登り始め、森林地帯を抜けると少し勾配が緩くなり、ゴルフ場を横切っていったん下りになる。八坂神社手前の分岐で、南の上谷(かみやつ)方面へ向かうと再び登りで約80mアップ、小ピークを越えて12時頃に、大樹シリーズその4「上谷の大クス」に到着する。ここは周囲も日当たりが良く緑に囲まれて明るく開放的な雰囲気、大クスも圧倒的な大きさで、かつ緑の葉を茂らせて生命力にあふれている。埼玉県で一番の巨木(全国ランキングでは第16位)だそうで、やっぱりこれが横綱級だな、と思っていたら、実は本当に埼玉県民が選ぶ巨樹番付で人気ナンバーワンの「東の横綱」に選ばれていた(令和2年に実施)。幹の周囲に巡らせたウッドデッキが立ち入り禁止になっていて、よく見ると幹の一部に損傷があって折れた大枝が落ちていたので、それに伴う規制だろうか(後で調べると、令和5年2月12日に損傷を確認し、安全のため立ち入り禁止にしたとのこと)。このため今回は幹の直近までは近寄れなかったが、それでも眺めているだけで元気をもらえるまさにパワースポットといえる場所だった。ちなみにこの大樹は幹回り15m、樹齢約1000年、「県指定天然記念物」とのこと。僕らが滞在している間にも多くのサイクリストや見物客が次々訪れてきて、その人気の高さが伺える。その中の一人、60代くらいの元気なおじさんサイクリストは、川越在住でこの辺はほぼ地元ということで、いろいろと周辺の交通事情や生息動物のことなど、にこやかに楽しくお話してくれた。

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上谷の大クス
*梅見より昼食
 ここからは標高で150mほど下っていき、下り切ると「越生梅林」である。梅林に近づくにつれて、道沿いや民家の周囲にも梅の木が多くなってきて、ちょうどいま満開の時期を迎えていた。「越生梅林」は入園料が400円で、園内にはベンチとテーブル、屋台なども出てお花見状態になっており、けっこう人も多いようなので、僕らは入園せずに道沿いの満開の梅を間近で楽しんで、まずは昼食に向かうことにする。Gokiさんが事前に調べた候補は3つくらい有るようで、その中のイチ押しがうどん屋だったのでまずはそこに向かう。やってきた「越生庵 甚五郎」はテレビなどでも紹介された手打ちうどんの有名店で、入店待ちの人もいて僕らも待つことにした。順番待ちのリストに記名し、待っている間に決めるよう渡されたメニューを見ると、すっごく種類が多くて迷ってしまい中々決められない。結局、Gokiさんは「極楽うどん 中盛り(という名の大盛り)+角煮丼 普通盛り」、宮村さんは「ぼたんうどん 中盛り」、浦野さんとダズは「極楽うどん 普通盛り +角煮丼 中盛り」 に決定。店先に「ハイカー割引あります」との貼り紙が有ったのを見て、浦野さんが「サイクリスト割引は無いんですか?」と試しに聞いてみた所、なんと「ありますよ」との回答。後からネットで調べてみると、むしろサイクリスト割引で有名みたいで、なんでも店主さんが元競輪選手でサイクリストには特別の計らい、ということらしい。で、実際食べてみるとこれがまた絶品で、手打ちのうどんはコシがあって、あんかけの具もボリューム満点で、味も最高で大満足の昼食タイムとなった。そしてお会計も、サイクリスト割引はハイカー割引よりお得になっていたみたいでこれまた最高。

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越生庵
*隠れた梅スポット
 昼食を終えたら13時20分から午後の部スタート。県道61号で黒山三滝方面へ向かうのだが、Gokiさんの計画ルートは出発してすぐ右の脇道に入っていく。単に県道を外すのが目的かと思ったら、「宮崎農園」という名の梅林のど真ん中を通る道となっていて、ここも道の両側に様々な色の梅が満開、通る車や人は極小で、改めて梅の花見をじっくり堪能することが出来た。絶妙のルート選定と宮崎農園さんに大感謝だ。この先にある小学校は、「越生町立梅園小学校」という名前で「まさに文句なしのネーミングだね」と感心する。その先の道沿いも、ずっと梅の木がふんだんに植えられていて、越生ってほんとに梅の町なんだな、と実感した。後で調べたところでは、西暦1350年頃に、九州の大宰府からこの地の神社(現在の「梅園神社」)に分祀した際に菅原道真公にちなんで梅を植樹したのが起源と伝わるそうだ。

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宮崎農園

*三滝
 県道61号を5kmほど南下したら、黒山三滝への分岐に至る。昼食ですっかり満腹になったGokiさんがトイレに寄りたいようで、ちょうど分岐にあった建物(→レストランかな?と思ったら、研修所とか書いてある)にトイレご自由に、と書いてあったのをチェックしつつ、滝を見てから寄ることにして先へ進む。黒山三滝は車道を進むにつれて観光客の遊歩道状態になってきたのでどこまで自転車で進んで良いか迷いつつ、天狗滝の入口のところにデポして、その先は徒歩で向かう。昭和時代風の露店跡の小道を通りぬけて、男滝・女滝に到着する。ちょっとこじんまりとした印象だが、それなりに楽しめた。浦野さんが更に遊歩道で高台まで上がって写真を撮ってくれた。自転車まで戻ってから、別ルートで今度は天狗滝方面へ向かう。こちらは岩肌の道で小川の渡りもあり、レーサーシューズのGokiさんはかなり歩きにくそうだったが、男滝女滝より人口的な物が無くて、ブラタモリファンのGokiさんと宮村さんは露出した岩肌の特徴も興味深く観察したりして、こちらの方が印象に残った感じがする。天狗滝入口には写真サークルのグループがいて、光の差し込み具合を色々工夫しながら撮影を行っていたようだ。

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黒山三滝の上り口 | 男滝・女滝
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天狗滝 | 硬い岩上の歩きに難儀
*ちょっと拝借
 14時20分ころ黒山三滝を出発して県道61号まで戻る。近くには公衆トイレも有ったのだが、先ほど見かけた研修所の建物にも確かに「トイレご自由に」と書いてあるので、こちらの方がきれいかな?と期待して行ってみる。玄関には数人の人がいて入っていったのが見えたので僕らも玄関にいくと、「臨時休業」と貼り紙があるものの開いているようなので、僕らも入ることに。ここは「ジャセアン株式会社」の「技能実習生日本語研修センター」ということのようで、なぜか旅館のような作りである。(元は旅館だった建物を転用した施設のようだ。)入口にカメラが付いているようだが人の気配がなく、スリッパに履き替えて中に入ってみる。宴会用大広間のようなところに面した廊下を通り抜けて、トイレに入ると期待通りとてもきれいで、ウォッシュレット付き。でも電源が入ってなくて、業務用設備のためスイッチがどこか分からず、そこは諦める。またトイレットペーパーが、超薄の安物?で全く転がらずに簡単にボロボロとちぎれてしまうので、紙を取るのに難儀した。・・という難点はあったものの、何はともあれきれいなトイレを有難く使用させて頂く。
 玄関に戻ってきて、さてこの施設はいったい何なんだ、とあれこれ詮索し、宮村さんは貼ってあるポスターに写っている代表の顔写真を見て「代表がどうも若すぎる、怪しい会社じゃないか」とか言ってみたり、ダズは「トイレ使わせて貰っといて言うのもなんですけど、・・・」とウォシュレットやペーパーの難点をあげつらってみたり、自由なご意見をさんざん述べ合って皆でガハハと笑い、この謎のトイレ休憩を終了。

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お世話になったのに

*最後の山場
 14時40分に走り出して、今日一番長い登りに入る。奥武蔵グリーンラインに向けて、3kmで約270mアップの登りだ。午前中の登りほどではないがここもかなりの急勾配が多く、黙々と登って一番走りに集中した区間となった。15時10分ころピークに到着し、ここは軽く写真休憩のみで先へ進む。「天文岩」という見所ポイントがあったはずだがスルーしてしまい、そのあとは脚を止めるようなポイントも無く、約80mのアップを挟んでほとんど一気に鎌北湖まで下っていった。鎌北湖でちょっと一息ついて、向こう側に見える黄色い建物は何かな(もしかしてレストランとか?)と思って行ってみたところ、残念ながら用水管理棟だったので、また先へ進むこととした。

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奥武蔵グリーンライン | 一つ目の無名ピーク | 二つめピークを下る前に
*最後のポイント
 下り切って少し夕方めいてきた中をひた走り、今日最後の立ち寄りポイント「高麗神社」(こまじんじゃ)には16時15分に到着。ここに初めて来た僕は、駐車場もすごく広くて境内もきれいで立派に整備されていて、なんか有力者がバックアップする裕福な神社なのかなぁ、という印象を持った。後で調べると、有力者のバックアップがあるかは分からないが、この神社に参拝すると出世のご利益があるということは言われているようで、ここに参拝した後に総理大臣になった人が何人もいるとか。・・・それはさておき、高麗神社は1300年以上の歴史があり、高句麗からの渡来人「高麗王若光(こまのこきしじゃっこう)」を主祭神とする神社とのこと。西暦666年頃に高句麗から大和朝廷に派遣された外交使節団の一人がこの若光であり、その後高句麗が滅亡したことから帰国せず大和朝廷に仕官し、後にこの地に高句麗からの渡来人が集められて創設された高麗郡の長官を務め、この地で生涯を終えた人物とのことだ。郡内の高麗人を良く指揮し、未開の地を開発した若光の徳を偲んで高麗郡の守護神とした・・・ということで、ちょっと風変わりな神社かな、と何となく感じつつ、本殿を参拝し、御朱印受付が17時までOKだったので宮村さんは恒例の御朱印をゲット。そして奥の方にある渡来人住居の展示を見に行ったところ、ここは時間切れのため中には入れず外側の見学のみ。

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高麗神社

 16時45分に神社を出発、当初予定の最後入っていたポイントの巾着田は、だいぶ時間が遅くなったことと曼殊沙華のシーズンでないことからパスとして、残り約7kmをゴールへ向けてひた走る。国道299号に入ってから意外と登りが有ったものの、東飯能駅には17時15分、日が長くなったおかげでまだ明るいうちに無事に到着できた。ここからは各自それぞれの帰路につき、本日のランはこれにて終了~。

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東飯能駅西口

【宮村コメント】良かったこと:①越生梅園で様々な梅を堪能できた。②色々な場所で梅の良い香りを楽しめた。花粉症の鼻でも良く分かった。③色々なご長寿大木に会えた。パワーをもらえたか。④越生梅園から越辺川を上っている途中、川の岩が緑で綺麗だった。「みかぶ緑色岩」だろう。黒山三滝では、一億年以上前に、プランクトン類の死がいが岩になり海から盛り上がった三波川(さんばがわ)変成帯チャートに会えた。岩面ギザギザで硬そうだった。たいへんだったこと:①ここ数年で一番辛い花粉症なので、鼻水、目のかゆみを我慢しながらの走行だった。②勾配が厳しく長い上りが4カ所あり疲れた。

【浦野コメント】大カヤまで上るゲキ坂のきつさと、初めて訪れた黒山三滝が印象に残っている。埼玉一の巨木・大クスに近寄れなかったのは少し残念。雛鶴神社と共に、いつかリベンジの対象にしよう。昼食のうどんはサイクリスト割引もあり大満足でした。

【Gコメント】春の陽気の中、坂戸近くの大寒桜、都幾川周辺の大木、越生の満開の梅、と見れた良いランだった。越生庵での昼食はおいしかったが食べすぎた。後半は、かなり急坂で黙々とザ走りになったが、前半と好対照で楽しかった。


関連リンク:
 2015年 春ラン(梅) 筑波