2017年GW 東北ツアー

by 宮村(投稿日:5 Sep 2017)

日程:2017/5/3(水)~ 5/7(土)
コース:=気仙沼→気仙沼→石巻→川崎町→上山温泉→米沢市=


5/3(水) =気仙沼→陸前高田→気仙沼 (48.7km/778m)晴れ
 メンバ:宮村

*一本松と唐桑半島のつけ根越え
 5/3をどうしようと考えていたが、午後一番で到着し陸前高田「奇跡の一本松」(大震災の後に枯死したがそのままの形で保存)を拝むことにした。新川崎6:29発の横須賀線で6:49東京着。東京7:16発「はやて」111号で一ノ関9:30着。やや待って一ノ関10:19発大船渡線で11:47気仙沼着(車中で昼食)。駅の構内に気仙沼線と大船渡線(大船渡方面)BRT(Bus Rapid Transit)ホームができていた。

Photo, CLick to Popup
気仙沼駅

 愛車を組み立て、駅でガイドパンフをもらい12:50気仙沼駅を出発。県道45号;東浜街道に入り、唐桑半島つけ根愛宕山北側の唐桑トンネルを通過、三陸海岸に出て海を右手に眺めつつ走行。交通量少なく順調。14:00一本松手前の駐車場に到着。一本松とユースホステル遺構までは徒歩で約10分。かつてこの浜は約7万本の松で覆われていたそうだが、背の高い一本とユースホステルだけが残った。巨大津波は計り知れない破壊力だった。

Photo, CLick to Popup  Photo, CLick to Popup
一本松までの歩道 | 一本松

 NHK番組からすると日本列島の動きは激しい。この地域だけでも平安時代に巨大津波があったし大噴火で今の十和田湖が形成された。この力に人は無力過ぎ、予知技術の重要さを感じる。など考えながら駐車場で八木澤商店のしょうゆソフトクリームを食べた。少しの醤油が甘さを引き立てた。15:00出発。

Photo, CLick to Popup
しょうゆソフトクリーム

 復路は唐桑トンネルを避けたかったので途中から唐桑半島方面に入り(県道239号)、愛宕山南側を回った。ただ県道26号途中から厳しくなり大島瀬戸側の浜から約3kmで150mほど登った。下りはもっと急で路面が悪くバッテリーライトが外れ落ちた(固定が甘かった)。下るとほどなく街に入り、気仙沼バイパスを南下、17:05宿着、皆と再会。

Photo, CLick to Popup
大島瀬戸

 宿泊:ルートイン気仙沼


 本隊のラン詳細は浦野/DAZ記録の本編を参照。


5/4(木) 気仙沼→志津川→神割崎→石巻  (89km/879m) 晴れ
 メンバ:浦野、那珂、野田潤、アコ、ダズ、宮村

 詳細はDAZ記録の本編を参照。
【コメント】海岸沿いのコースで下った平地には必ず津波の高さを示す記録標示があり、「津波がこんな内陸まで達したのか」を実感するランだった。


5/5(金) 石巻→松島→仙台北環状線→川崎町  (85km/812m) 晴れ
 メンバ:浦野、那珂、野田潤、アコ、ダズ、宮村

*出発~松島;Reborn
 6:30から朝食タイム。ここのお薦めは烏骨鶏とニワトリを掛け合わせた鶏の卵。殻の色に青みがあり見た目とっつき難いが、生卵・温泉卵・目玉焼きが用意されており、食すると濃厚で美味だった。あわせる白飯も粒が立ち、ツヤツヤ・フカフカしてほのかに甘味があり秀逸だった。今日も頑張ろうという気になる朝食だった。

Photo, CLick to Popup
出発

 8:18出発。旧北上川の下流から石巻湾西端の鳴瀬川河口へ南西に通じる北上運河に向かい走りはじめ、運河沿いを進んだり、離れて南下したりしているうちに、家屋が疎らになり工事現場が増え、石巻港界隈に入った。そこを松島方面(西方)に折れ、県道247号線に入り、北上運河と石巻港にそそぐ定川(ジョウガワ)両方を越え東松島市大曲区域に入った。そこには褐色の草々ばかりの漠々とした空き地に道だけが通じていた。海側の大規模護岸工事は着実に進んでいるが、空き地がどのように変化していくのだろうと思いを巡らしつつ走った。しばらくした福殿稲荷神社あたりから地図では北上運河沿いに自転車道がありそうだったので探してみた。しかし、分からなかった。ダズたちはここで、たくさんの青い鯉のぼりが泳ぐ広場をみつけた。後で調べると毎年5月5日に子鯉(青い鯉)を空に掲げ大震災に遭った子らを追悼しているとのこと。祈りの子鯉は増え、今年1792匹を数えた。

Photo, Click to Popup  Photo, Click to Popup
道だけが走る | 青い鯉のぼり

 ここからダズくんの「青い鯉のぼりプロジェクト」レポート。石巻から松島に向かう朝、地図に載っている「奥松島自転車道」に入れないかと色々さまよったとき、なぜか青い鯉のぼりばかりがたくさん泳いでいるところを通りましたね。僕は何も知りませんでしたが珍しく思ったので写真だけとって進みましたが、ツアーを終えて家に帰ったあとで「青い鯉のぼりプロジェクト」というものだったと知りました。(ネットで検索してみてください)ここでやっていると知っていて来る人でなければ、偶然通るようなことはないはずの場所でしたが、せっかく遠くから来たのだからこれも見て行って・・・という見えない力に導かれたかのような気がしました。
 県道247号線にもどり、航空自衛隊松島基地につきあたり北上し、西方に曲がる角のファミリーマートで9:17から10分ほど休憩。さらに西進し、鳴瀬川を渡った。後にネットでみると、大震災前は石巻市新橋から松島手前の松島町高城まで、北上運河(旧北上川下流-鳴瀬川)と東名運河(鳴瀬川-松島湾東岸)に沿って、「奥松原自転車道」が通じていたとのこと。那珂、浦野、ダズの3人はその跡や再建場所をたどりながら走っていたのですね。宮村はそれを知らず、いろいろ思いにふけりつつ走っていただけでした。
 鳴瀬川を渡った後もかつての奥松原自転車道はなく、東名運河沿いに復興中の奥松原パールラインを走った。工事中の運河と残った松並木を左に眺めながらの通過だった。途中からパールラインは東名運河からはなれアップダウンを繰り返す地形に入り一路松島へ。下り降りる浜ごとに、山積みされたカキ養殖用のホタテ貝殻が目立つようになり、何だか人の気配とか生活感が強まるように感じられた。陸前大塚駅を過ぎ一回アップダウンしたところの海側に菜の花畑を見渡せる広場があった。そこで10:05から約10分休憩。菜の花畑の中にたたずみ写真に盛り上がる面々。畑の海側がJR仙石線でそのすぐ横に高い防波堤があり海が見えないのが少し残念だが、平穏であった。10:35松島観光船五大堂営業所前の駐車場着。松島は4年ほど前に出張の合間訪れたが、まだ重い雰囲気が残っていた。だが今回は観光客でにぎわいとても活気があった。

Photo, Click to Popup
菜の花畑

*松島観光;遊覧船、豪華昼飯、五大堂
 本日の目玉、松島観光。まずは五大堂営業所10:55発の松島湾遊覧に興じた。1500円で約40分。後で写真から判断すると乗船した船は「マリンブルー」だったはず。椅子席40席、立席60席の中型遊覧船。ここからは那珂くん動画ガイドに合わせて内容説明。右手に亀島、次に低い長い島;鯨島(2つ合わせて双子島と呼ぶ)。振り向くと左手に経ヶ島。少し進み、右手に椀を伏せたような島;布袋島、次に角張った大きな島;大黒島、その間の奥に見える島;恵比寿島、左手に細長い島;毘沙門島。このあたりは鯛がよくとれたので、七福神にちなんで名前が付けられたとのこと。また、少し進み、左手にまず伊勢島、すぐ次に小町島。松島湾でも特に女性的で可憐なこの二島を過ぎると、右手に馬の鞍掛島、重なった奥が化粧島。次に松が茂る大きい島;在城島、すぐ先に崩れ落ちそうなかたちの岩島;鎧島。この周辺は戦道具やお城に因んだ名前の島が点在している。ここから塩竃港を遠く右前にみて、今までより長く進むと右手に、岩だけのドウラン島、次に松の木が茂る島;モンド島。モンド島の奥に見える端が垂直な崖の島;材木島。地層の横縞が材木を積んだように見えるため名づけられた。かつて島には洞門があったが、昭和45年に上部が崩れ落ち今のかたちになった。次に火附島。昔は祭事に使ったあとの道具をここで焼いた。左手を向くと四つの洞門をもつ横長の島;鐘(金)島。洞門に打ち寄せる波音が鐘の音に聞こえる。続けて左手に小藻根島(この南端に洞門;長命穴があったが、東日本大震災によって崩壊したと後に知った)と大藻根島を眺め、有名な仁王島に到着。仁王様が葉巻をくわえて座っているように見える。てっぺんに海鵜が一羽くつろいでいた。ここを回り帰路につくと、右手に大きな島;桂島、左手に白く美しい断崖の大藻根島。また右手を向くと桂島の先に蓬莱島。次の左手の小さい島が駒ひき島、大きい島が駒(狛)島。駒島北端の岩の形が狛犬様に似る。ここから遊覧船が速度を上げ始めると、右手遠くに野々島、寒風沢島(さぶさわじま)、朴島(ほうじま)など浦戸諸島と言われる大小合わせて90あまりの島々を見渡せた。なぜだかこの島々は松島町ではなくて塩竃市の一部と繰り返し説明されていた? カキ養殖のイカダを眺めつつ松島港に近づき、右手に千貫島。 最後右手に東屋(あずまや)が見える大きな島;福浦島。11:35下船。※本文とは別に地図や島々の写真ページを用意しました。
 11:45から港そばのお食事処「櫻井」で昼食。松島定食でカキフライ、ホタテ焼き、つぼ焼き・・・堪能、貝焼セット定食で焼きカキ、ホタテ焼き・・・堪能などなど。食後、瑞厳寺五大堂へ散歩。お堂へは、隙間があり下に海面が見える「すかし橋」を渡るが、この高さと隙間なら高所恐怖症の宮村でも全く大丈夫。伊達政宗が造営したお堂の周辺の欄間部分には、十二支の干支が名工によって彫られている。正面には午、その左側に未。旅の安全と順調なる復興を祈った。

Photo, Click to Popup  Photo, Click to Popup  Photo, Click to Popup
松島の遊覧船 | すかし橋 | 瑞厳寺五大堂

*松島~川崎町の宿;激坂の北環状線、前遠方に蔵王
 13:00松島発。松島海岸駅から仙台方面に向かう仙石線をくぐると県道144号は長い登り坂、頂上あたりで若干休憩。三陸自動車道をくぐり左折、県道8号(利府バイパス)を交通量ある中じっと我慢して走行。仙台市中心に入るとさらに交通量が増しそうなので、13:56洞ノ口交差点を右に折れ県道35号へ。そこから歩道を走る中学生?マウンテンバイクと並走。彼はペダリングを緩めることなく、追い越されるが信号ストップのたびに追い抜くパターンで「運転免許センター」あたりまでいっしょだったので4kmほど頑張っていたはず。我々は七北田川を渡り、八乙女から 県道37号仙台北環状線に入る。
 ここからずっと登り坂が続く、それもけっこうな激坂。14:40加茂2丁目コンビニサンクスで休憩、14:50発。激坂は延々と続き15:08南中山1丁目北の交差点で右手の大観密寺仙台大観音を拝みつつ通りすぎても、相変わらず急勾配だった。イオンショッピングセンター仙台山中をすぎるとやっと勾配がややゆるくなり、その先の南吉成交差点あたりから下りに入りほっとした。「権現森丘陵」というらしいがイオン峠と名付けたいと思った。県道35、37号は、交通量が多く路肩と溝のふたに若干の段差があり神経を使う走行だったので疲れが増したのかもしれない。助かったのは宮城・仙台ナンバーに、対向車が多いと強引に自転車を追い越さない気配りドライバーが多かったこと。 37号を下り折立交差点から県道31号に入り、15:27仙台宮城ICを通過すると広瀬川支流沿いにまたけっこうな登りが始まった。15:40過ぎトンネル前で5分程度休憩。トンネルを通過するとすぐに長い下りが始まり、せっかく貯めた標高を吐き出し、中ノ瀬中のT字路まで。

Photo, Click to Popup  Photo, Click to Popup
大観密寺仙台大観音 | 仙台宮城ICからトンネルへ

 右折し入った国道286号は、名取川沿いのなだらかな登り坂で、交通量が落ち着き穏やかな気持ちがもどってきた。16:05ミニストップ仙台坪沼店で休憩、16:20発、あと12km。16:50「釜房湖」の釜房大橋を通過、雲間からの日光、遠方の連山、静かな湖面を眺めながらしばらく走行し、内陸に入り「みちのく公園」を通過。駐車場には家族連れと思える自家用車が溢れていたが、徐々に帰り始めている模様だった。 遠方の蔵王連峰がより見えるようになり、絶好の撮影場所を探しながらも、17:20旅館山城に到着。

Photo, Click to Popup  Photo, Click to Popup
釜房湖湖岸 | 釜房湖と蔵王連峰

 宿泊:旅館城山

Photo, Click to Popup
ゆったりした振る舞いの宿の猫

5/6(土) 川崎町→蔵王刈田岳→エコーライン→上山温泉  (60km/1626m) 
 メンバ:那珂、野田潤、宮村、(離脱)アコ、ダズ、浦野

 詳細は野田潤記録の本編を参照。
【コメント】蔵王登りは後半萎えた。そして頂上は霧だった。もう一度チャレンジしたい。旅館「いせや」さんの夕食はこの地方の山菜づくしだった。ただ、疲れていたからか潤子さんの好きな俳優談議で盛り上がったからか、味をお覚えていない。


5/7(日) 上山温泉→米沢市= (35.7km/265m) 晴れ、西風最高6m
 メンバ:宮村、(離脱)那珂、野田潤

*上山温泉、朝の散策と朝食
 6:00から上山城へ散歩。開城(中は資料館)は9時からなので、天守閣の周りを一周。城は江戸時代、幕命により壊されたが35年前に再建されたとのこと。そこから煙っている蔵王連峰が見えた。宿へもどる途中、上山観音で旅の安全を祈願し、茅葺屋根の武家屋敷が四軒残る屋敷通りを巡った。きれいに整備されている街だった。7:00ぐらいから朝食。山菜ウコギのお浸しを初めて食したが、特徴を思い出せない(味付けでうまくまとめていた?)。米沢あたりでは戦国時代から食用として親しまれているらしい。昨日の夕食も同じウコギ科のコシアブラのお浸しなど様々な山菜を食したが、なぜか特徴を覚えていない。この名前の由来は木の樹脂(アブラ)を濾した液がウルシのように有用だったから。8:30ごろ那珂君、潤子さんの車を送り出した。

Photo, CLick to Popup  Photo, CLick to Popup  Photo, CLick to Popup
上山城 | 共同温泉と蔵王 | 車を見送る

*上山温泉~米沢;向かい風に閉口
 宮村は8:50ごろ米沢市へ出発。予報では西からの風、最高6m。南陽市に入る手前まで強烈な向かい風、下り坂でもペダリングしていた。南陽市を通過後も、強い右からの風か向かい風。米沢駅約4km手前の宮町から最上川サイクリングロードに入るが強風であまり景色を楽しめず。11:35米沢駅に到着。まず米沢ラーメン(特徴は、縮れ麺とあっさり醤油スープ)で気分転換。駅近くのラーメン店和幸で黒ネギしょうゆラーメンを頼む(12:17)。確かに色が濃いわりに味は濃過ぎず食べやすかった。13時ごろ松が岬公園に入り上杉景勝・直江兼続像、上杉鷹山像(「なせば為る成さねば為らぬ何事も成らぬは人のなさぬなりけり」で有名、ケネディ元大統領が尊敬し娘のキャロライン・ケネディ前大使も訪問)に一礼し、上杉神社を参詣した。次にゆっくり上杉記念館と狩野永徳実洛中洛外図を公開中の上杉博物館を回った。締めを米沢牛の牛丼にしようと有名な「登起波」分店「登」を訪ねたが、仕込みが無くなり閉店だったので米沢駅前「杵」の牛丼となった(17:20、¥1300)。米沢18:19発つばさ192号で東京20:28着。

Photo, CLick to Popup  Photo, CLick to Popup  Photo, CLick to Popup
米沢駅 | 上杉鷹山像 |上杉神社裏龍旗毘旗

関連リンク:
 RinRin Report 参照(統合版)
 ツーリング記録 参照