2017年GW 東北ツアー

by 野田(投稿日:8 Jan 2018)

日程:2017/4/28(金)~ 5/2(火)
コース:=新潟空港→瀬波温泉→湯野浜温泉→仁賀保→成瀬温泉→一関=


プレリュード1日目:4/28(金) =新潟空港→瀬波温泉
 参加:野田
 宿泊:瀬波温泉はまなす荘
 天気:晴れ
 距離:60 km
 獲得標高:212 m

 新潟から走りたかったので、会社を休んで金曜に神戸を出発して新潟空港へ飛ぶ。昨年6月に受けた四頭筋腱断裂修復手術の経過が思わしくないので、今月3日に、痛みの原因である補強ネットとアンカーを取り除く手術をしたばかり。痛みは術前より良くなったが、膝全体がまだ熱を帯びてるので、アイスパックを装着して走ることにする。その結果、結構目立つ格好となり、どこにいっても見知らぬ人が心配してくれるのでおいしい。氷は2時間ほどで融けてしまうので、予備の氷を保冷剤と一緒に保冷袋に入れてサイドバッグに詰めているものの、お昼のお店や宿では氷を補給しなければならない。結構面倒だが、今年こそは完走したいのだ。
 新潟空港からはひたすら海岸線を北上する。単調なコースだが、桜や雪を纏った山並みがきれいなので退屈せずに走れた。お昼は、網元の家「さぼてん」というお店を見つけて魚ではなくジンギスカン定食に惹かれて注文。ビールを呑みたいところだが我慢。新潟は潟が多いと聞くが、大体埋められてしまっている。途中寄った紫雲寺記念公園も昔は紫雲寺潟という潟だった。潟跡にできた公園に寄ると、チューリップが一面に!あまりにもきれいなのでチャリをバックに1枚。
 胎内(たいない)という町に入ると海岸沖に、日本唯一?の海底油田の基地が浮かんでるのが見えたので、また1枚。天気がいいと写真も映えるし気持ちいいいのだ。宿の瀬波温泉には予定通り17時にとうちゃこお。夕日で有名なところなので期待したが、思ったほど赤くならず、今一のまま沈んでいった。

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   紫雲寺記念公園 | 沖合に見える海底油田


プレリュード2日目:4/29(土) 瀬波温泉→湯野浜温泉
 参加:野田
 宿泊:湯野浜ホテル
 天気:曇りのち雨
 距離:38km
 獲得標高:170 m

 村上市にある温泉を出発して今日もひたすら海岸線を北上するのみ。予定走行距離は75㎞。8時半に宿を出て、20㎞ほど行くと、日本有数の奇岩が並ぶ海岸美の笹川流れがある。そこを通り過ぎた孤崎の辺りで、喫茶店が海岸べりにあったので、氷補給を兼ねて休憩。おいしい珈琲を頂いて外へ出ると雨が降ってきたので、今回のために購入した黒のポンチョを出す。勝木という町から国道7号線になり、車が増える。その時刻が11時40分。そこから3㎞先のトンネルであの事故が…今思い返せば、喫茶店に寄らなければ…との思い。山形の県境まであと5キロのところに府屋というトンネルが二つあり、その最初の府屋第2トンネル内。前のライトが雨に濡れて点灯しないので、トンネルを出たら停まろうとペダルをこがずに速度を落としていた時、突然、バーンと音がしてハンドルが取られ、車道側に転倒。後ろを振り向くと後続車は止まってくれたので、前を向くと、白っぽい車がブレーキランプを灯さずにそのまま遠ざかっていく。チャリを狭い歩道に置いて20mほど先の出口へ出ると、後続のワゴン車が止まってくれ、「ここは危ないからこの先の側道まで。」と声をかけてくれ、雨が降ってるので、パトカーが来るまでワゴン車に乗せてくれた。優しい人で大感謝。その人が曰く、「前の車が蛇行運転していて怖かったので車間を空けていた。ナンバーは覚えてないが庄内ナンバーだった。」と。その庄内ナンバーとドアミラーが有力な手掛かりとなり、犯人逮捕に繋がる。後日、警察から連絡先を聞いてお礼の品を贈ったのは言うまでもない。
 10分ほどすると、パトカーが1台来て、その後3台ほどに増えて、現場確認のための交通規制をしている。事故現場に戻ると、黒いドアミラーと砕けた鏡が散乱していて、これが体に当たり大きな音がしたと推察。チャリはハンドルが横を向いただけでペダルも車輪も異常なし。体の方は、こけた際に左手を強打したらしく、中指の付け根が腫れて痛かったが、一応動くので旅は続けられそう。でも、担当警官は、病院で診察して診断書が出れば、当て逃げでなくひき逃げになり、刑事事件として罪を問えるというので、とりあえず病院へ行くことに。山形県の病院へ行けば一石二鳥だったが、新潟県警なので、チャリも一緒にパトカーで村上市へ戻ることに。折角30㎞ほど走ったのに、ショック。現場を13時半に出て、村上に戻ったのは14時半前。もうチャリで今日の宿へ行くことは無理。しかも病院は土曜なので整形外科の医者はおらず、レントゲンは撮ってくれたものの内科の医者なので、診断書は書いてくれず。そのあと、村上警察署へ移動。16時15分発のJRに乗りたかったので、聴取を受けながらチャリをばらして輪行袋へ詰めて、村上駅までパトカーで送ってもらい何とか間に合う。鶴岡駅手前の羽前大山駅で降りて、5㎞ほど走って何とか暗くなる前に宿へ着く。昨日より赤くてきれいな夕陽とあわび、ナマコ、カニの豪華料理が悲惨な一日を癒してくれた。

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パトカーに乗せられるマイチャリ | 夕陽             

 (後日談)ひき逃げ犯は、GW明けに鎖骨骨折の診察を受けた医師に書いてもらった左手挫傷の診断書を村上警察へ送った翌日に逮捕された。しかし、ひき逃げ立証のために、チャリと一緒に村上まで来てほしいと言われ、やむなくまた行くことに。新潟県警本署の鑑識係員がパトカーで新潟から村上まで送迎してくれたものの、結局金曜夜に新潟へ入り神戸へ帰れたのは日曜だった。チャリと押収した車の接触箇所を鑑識がチェックしたり、改めて事故状況の調書を作成したりで、ほぼ1日がかり。犯人は、わき見スマホの若い人かと思ってたら、なんと75歳のおじいさん。その上、本人は任意保険に入っておらず。自分も自転車保険に入っていなかったため、息子さんと直接電話で話し合い、交通費や診察代などの実費はもらったものの、慰謝料等の請求はかわいそうなので、しないことにした。本人は、免許取り消しの上、10日間ほど拘束されてから釈放、略式起訴されたと担当警官から聞く。調べると、被害者の怪我が軽いと、罰金刑のみらしいだが、まあいいかって感じ。新潟の地方紙、新潟日報に記事が載ったと鑑識の人から聞いたので、新潟の泊まったホテルで新聞を入手。その記事内容を以下に記してこの事件報告は終わります。
【新潟日報5月12日朝刊】(見出し)ひき逃げの疑いで山形の男逮捕 村上署と県警交通指導課は10日、自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、山形県鶴岡市、左官業○○容疑者(75)を逮捕した。逮捕容疑は4月29日正午前、村上市府屋の国道トンネル内で乗用車を運転中、関西から旅行に来ていた50代男性の自転車に接触して転倒させ、左手に全治約2週間のけがを負わせたまま逃げた疑い。


プレリュード3日目(本ツアー1日目):4/30(日) 湯野浜温泉→酒田→ 象潟→仁賀保
 参加:野田、浦野、那珂
 宿泊:ホテルキクスイ
 天気:晴れのち曇り
 距離:88 km(野田)
 獲得標高:500m(野田)

 8時に宿を出て、県道からふと畑の脇道へ入ったら、道に迷ってしまい、雑木林のダート農道を彷徨う羽目に。なんとか農道を脱出して、県道に戻ると、雪を纏った鳥海山が見えてくる。南から眺める鳥海山は、左の海側から緩やかに高くなり、ピークの辺りは富士山のよう。右側もなだらかで、イメージは横に広がる普通の山って感じ。浦野と那珂が待つ酒田駅には9時半の集合時間より20分ほど遅刻して到着。二人はぐるぐる巻きにしている膝を見て、心配そうな顔。事情を説明してとりあえず一緒に走り出す。途中、菜の花と鳥海山をバックに記念撮影。天気も最高。
 二人の今日の目標は鳥海山を登ること。チャリで行ける最高地点は1200mほど。海抜ゼロからのアップなので自分は装備と膝を考えて、国道の海岸線を選択。鳥海ブルーラインの入り口で別れ、海際の溶岩に刻まれた不気味な十六羅漢をちらっと見て、国道を北上。松尾芭蕉が象潟(きさかた)という名勝へ行くために通った有耶無耶の関を越えて、秋田県に入る。西から見る鳥海山は南北に細長い小山にしか見えないが、火山活動で磐梯山のように上部が吹っ飛び、そのあとに今のピークの新山が北側にできたのがよくわかる。流れた溶岩でできた象潟の地は奥の細道の最北地だったそうで、松島のような小島が並ぶ九十九島を見て芭蕉は「松島は笑ふが如く象潟は憾(うら)むが如し」と評したらしい。しかし、その百年後、この地を襲った地震で海底が隆起したことにより、象潟は一夜にして陸地となり、今は、田んぼのあちこちに松が生えた小山があるだけ。でも、田植えの時期になると、一面の田に水が張られるため、海に浮かぶ島みたいに見えるらしいが、今は残念ながら水はない。象潟のレストランガストで遅い昼食をアルコールなしで食べて、一気に仁賀保のホテルへ。途中偶然あった田舎の焼き鳥屋で3本買って、ホテルの部屋でビールや酒を呑みながら二人を待つ。朝一番に彷徨った時は焦ったが、その後は順調で終わってみれば楽勝の一日だった。

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       菜の花と鳥海山 | 東から見る鳥海山(象潟にて)


 >>>那珂記録の本編も参照。


2日目:5/1(月) 仁賀保→(R7、県43、R107、県13、県57、R342)→成瀬温泉
 参加:野田、浦野、那珂
 宿泊:東仙歩(とうせんぼ)
 天気:晴れのちうす曇り、追い風
 距離:84 km
 獲得標高:765m

 今日は海岸線を離れ、鳥海山の北側と東側を廻り、湯沢温泉の先まで。真北から見る鳥海山はまっしろな新山がきれいに見えたが、北東側からはその新山が富士山のように左右対称に見えて、一番の眺めだった。
 (中略)

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真北から見る鳥海山


 >>>那珂記録の本編も参照。


3日目:5/2(火) 成瀬温泉→ (R342)栗駒峠→一関
 参加:野田、浦野、那珂
 宿泊:東横イン一関駅前店
 天気:晴れ 、追い風
 距離:80km
 獲得標高:1140m

 自分にとってまさかの本ツアー最終日となる日。7時半に宿を出て、20㎞ほど南下してから本日の目標である標高1130mの栗駒峠にアタックするのだが、峠への道は夜間通行止めで9時にならないと通れない。ゲートがどこにあるのかわからないので、ゆっくり進むが、宿から15㎞先にあって8時半には着いてしまう。警備員に交渉したが、あっさりだめと言われ、寒い中9時まで待って再スタート。成瀬ダムというダムを建設中で既に完成しているつまんない新道を過ぎると、本格的な上りに入る。上り始めてちょうど2時間で峠にある須川温泉に着き、めちゃきれいなエメラルド色の温泉に浸かって疲れを癒したあと、栗駒山荘で秋田名物の稲庭うどんを食す。ここからも富士山のような鳥海山がくっきり見えて、この山は絶対東から見るものだと思った。

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  須川温泉にて | 東から見る鳥海山

 時刻は13時20分。ここから一関の宿まではほぼ下りの40㎞だが、峠の長い下り坂が続くので、いつもより慎重にブレーキングしながら下る。しかし、標高400mまで下った最後のカーブ(あとで判明)で前輪がパンクして転倒。右肩を強打したが、2年前の左鎖骨骨折よりは痛くない。でも力が入らずタイヤを外せないので、那珂に電話したら、すぐに来てくれた。数百m先の温泉で休んでいたとのこと。近くで良かったが、あと少しだったのに、と思う。チューブを交換してもらい、ハンドルは握れそうなので、30㎞先の一関まで頑張ることに。那珂が先導、浦野が後ろに付いてくれて、1時間半もかからずに病院へ着いて、診察を受けたら、結果はやはり鎖骨骨折。二人も何とも言えないような顔。これでGWツアー3年連続の怪我による離脱が決まる。ホテルに入り、金沢から遠路着いた潤子を迎えて、生ビールと焼肉のお別れ夕食会。
 翌日は、平泉駅から参加するダズとアコを迎え、事情を説明してから、ひとり一関へ戻り、チャリをヤマト便で送ったあと、新幹線で神戸の自宅へ無念の帰宅。


 >>>浦野記録の本編も参照。


<おわりに>
 今回のGWツアーは、2日目に車にはねられたもののほぼ無傷で、不幸中の幸いだったのに、5日目にまた骨折するというまさかの展開となったが、話のネタとしては最高で、営業マンとして取引先には、この話で十分楽しんでもらいました。一昨年の五木村、昨年の白浜、今回の一関はいつかリベンジする所存である!ではまた。


関連リンク:
 RinRin Report 参照(統合版)
 ツーリング記録 参照