2021 妙義荒船ラン レポート

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落ち葉の尾根筋@妙義荒船林道(廃道区間)
by DAZ(投稿日: 15 Feb 2022)

Map, Click to Expand 日程:2021/11/6(土)~ 11/7(日)
参加:G(計画)、宮村、DAZ
コース:=松井田→(佐久市)中込→横川=

 ツーリング記録 参照
<はじめに>
 2021年の夏は緊急事態宣言下での東京オリンピックと共に過ぎていき、9月末にようやく長かった緊急宣言期間が終了した。10月からは秋ランの計画が活発となり、今回はその第3弾で、Rinrinとしては5月以来久しぶりに泊りがけでのランとなった。紅葉時期を迎える妙義・軽井沢周辺での計画をGokiさんが立案し、当初は内山峠のそばの「初谷温泉」に宿泊を考えたが予約がとれず、佐久市中込に宿を決定してコースがほぼ確定。2週間前の天気予報では日曜日が不安定だったため、二日目の行程はショートカットも一時検討されたが、最終的には土日とも好天の予報となって、雨具を持たずに行ける感じで出発当日を迎えた。



Map, Click to Expand 1日目:11/6(土) =松井田→妙義山(妙義神社・中ノ嶽神社)→中小坂→荒船風穴→神津牧場→内山峠→(佐久市)中込 (57km/1381m) 快晴
 メンバ:G、宮村、DAZ

*出発まで
 集合地までの移動手段は3人とも輪行である。当日朝7:53の送信で、移動中のGokiさんからメールが入った。「(前略) 宿の備品をチェックしたら浴衣がありません。着替え持ってきてないのでピンチ。(後略)」とのこと。宮村さんとダズは、多少の着替えがあるので浴衣は無くても大丈夫です、と返信する。高崎駅からは3人とも同じ電車に乗るのでいったん合流し、8:50発の信越本線(横川行)に乗り込む。本日の宿は、現在はシェアハウス&ゲストハウスに衣替えしているが元は和風旅館だった所なので、そうは言っても浴衣くらい有るんじゃないの、頼めば貸してくれるんじゃないか、とGokiさんは移動中に宿に電話して問い合わせたが、宿の主人の回答は「浴衣はありません」「浴衣じゃ寒くて寝られませんよ(笑)」だったそうだ・・・。
 信越本線の車内は登山者風の中高年客が多かった。9:13松井田駅に到着、登山者風の人たちはここで降りずまだ先に行くようである。松井田駅は予想外の無人駅で、駅周辺にはお店など何も無く飲料の自販機があるだけだった。

*前半:松井田→妙義山(妙義神社・中ノ嶽神社)→中小坂
 外に出ると快晴で、駅前からもう妙義山のゴツゴツした山並みが眺められる。順調に組み立てて、予定より早い9時50分ころには出発!

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松井田駅前

 まずは標高160mアップの妙義神社を目指す。厚着してスタートしたけど、駅からさっそくゆるゆると登っていたので100m登ったあたりで暑くなり、ウインドブレーカを脱いで薄手の長袖一枚となる。10時10分ころ妙義神社の入口と思われる大鳥居に到着した。大鳥居から山に向かって急坂の参道が伸びているのが見えて、自転車で進むにはちょっと躊躇するような坂だ。もうちょっと先に参拝者用の駐車場があるようなので、そこから参道の先に至るような回り道があるかも?と少し期待して駐車場に自転車を停めることにする。何か良い迂回路があるかな、と思ったけど無くて、結局もとの大鳥居まで歩いて戻り、急坂の参道を歩いて登ることとなる。参道を登ると現れるのが総門、これをくぐって先へ行くと、本殿に向かう長くて急な石段が現れる。まだ全然走ってなくて脚に疲労もないので、ポカポカ陽気の中で元気に登った。156段の直登の石段を登り切ると本殿に到着する。妙義神社について僕は何の予備知識もなく来ていたので、この時は何気なく立ち寄って普通にお参りして、何となく降りてきてしまったのだが、後からネットで調べてみると、この石段を登り切ったところにある唐門と本殿は1756年に建造され、色彩豊かで見事な彫刻の装飾が施されていて貴重な文化財だということで、確かに自分で撮った写真にもその一端が現れていた。せっかく行ったのだからもっとじっくり見学してくれば良かったなぁと後になって思うが、まぁまた次の機会に。
 登ってきた石段の方角に広がる眺望をしばし楽しんでから、帰りはこの急な石段をスリップしやすい自転車シューズで下るのがけっこう怖いので、緩い勾配で下れる遠回りの迂回路を利用して下る。 僕のシューズはまだ歩きやすいもののGokiさんと宮村さんのシューズはレーサー仕様でかなり危ない。それにしても、ガニ股気味にしてゆっくり慎重に下る様子は、知らない人から見ればちょっとおかしいだろうと思う。下り切って安心したところで、宮村さんは恒例の御朱印をゲット。

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妙義神社

 さて序盤から予想以上に観光に時間を費やしてしまったが、10時50分に再スタートする。ここから300mアップした地点の中之嶽神社を目指して進んでいく。中之嶽神社への道は、天気は良いし勾配はさほどきつくないし、荒々しいギザギザした岩峰の素晴らしい景観を仰ぎ見ながら進んでいくので何度か写真を撮ったりしながら、絶好のサイクリングルートを嬉しい気分で登っていける。

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登り途中の妙義山

 11時半ころ中之嶽神社に到着した。ここは入口が真っ赤な鳥居で、その先に黄色くて巨大な大黒天の像(コンクリート製?)が見えていて、ずいぶん俗っぽい感じがしてスルーしても良いくらいの第一印象だったが、奥の参道の石段や社殿はやはり見ごたえがあるし、時間があるなら石門めぐりというスリルあるハイキングも出来るのでやはり良いところかもしれない。今回は石門めぐりルートの一部が崩落で通行止めにもなっていたのと、何よりもこの先の長い行程を考えると余り時間を費やすわけにいかないので、社殿の参拝と宮村さんの御朱印までに留めて、12時ころ出発する。

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中之嶽神社

 ここからは妙義山にお別れして、標高にして400m以上を一気に下る。下り切って国道254号の中小坂に出てからは昼食ポイントを探しながら西へ進み、2kmほど行った所で「下仁田こんにゃく観光センター」というドライブイン的なところで食事が出来そうなので、12時半、ここで昼食休憩とする。宮村さんが単品で頼んだ下仁田ネギメンチカツが最初に出てきたので3人でシェア、遠慮なく頂いたら宮村さんの分がだいぶ少なくなってしまった(スミマセン)。なぜかコロッケ定食がここの一番人気らしいので僕はこれを注文、Gokiさんはコロッケカレー。コロッケの具に下仁田ネギとこんにゃくがふんだんに入っているということのようだ。

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粗方無くなった下仁田ネギメンチカツ

*後半:中小坂→荒船風穴→神津牧場→内山峠→(佐久市)中込
 午後の部は13時15分に出発、国道254号で8km余りを西へゆるゆると200mほど登り、標高500mを超えたあたりで荒船風穴への県道44号に入る。この県道は荒船風穴が世界遺産に認定されてから一方通行規制となり、車はこちらから登れないのと、土日は自動車通行止めなのだが、自転車はOKだ。交通量は極小で良いのだが、すごい急坂が続き、一番きついところはガーミンの表示で19%! 余りにもきついので、その先の日当たりの良いところに実をたくさんつけた柿の木が有ったので、その脇で小休止する。後ろから来た宮村さんにカメラを向けると、宮村さんもきつさのあまり、道脇に置いてあったGokiさんの自転車にガーンとぶつかってしまったが、みんな激坂でテンションが上がっていたせいか何だか大笑いしてしまい、ワイワイと楽しいシーンとなった。

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風穴直前の柿木の前で

 そこからは10分足らずで荒船風穴に14時半ころ到着。2014年に世界文化遺産に登録されたとのことだが、僕は荒船風穴のことを今回のランまで全く知らなかった。地面から吹き出す冷風を利用して、蚕が卵を産み付けた台紙(=種紙)を貯蔵した施設跡で、明治から昭和初期にかけて利用されていた、ということだ。毎週楽しみに見ている大河ドラマ「「青天を衝け」で、暴落した種紙を焼き払うエピソードをちょうど先週見たばかりだったので、個人的には興味を持って見学できるタイミングだった。この時は見学者も少なくて、入り口の案内係のおばちゃんもちょっと暇だったのか、嬉しそうに色々話してくれる。ガイドさんがアテンドして解説してくれるということで、ガイド役のお兄さんがすごくゆっくりした物語調で語り始めたのだが、日陰となって少し冷えてきたのと、この先の行程も考えると余りゆっくりもしていられないので、途中で申し訳なくも巻きを入れて端折ってもらい、短めの解説となった。とはいえ周辺の野生動物や、紅葉の具合とかも色々お話してくれて楽しかったし、案内係のおばちゃんが出発時に持たせてくれた、しるこ味の飴が美味しかった。

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荒船風穴

 14時50分ころ荒船風穴を出発、ここからは勾配がやや緩くなったけど、それでも10~15%で相変わらずの急坂だ。15時過ぎに神津牧場のエリアに入ってきて少し走りやすくなり、日差しもまた届くようになってきた。15時15分ころ、牧場の中心部近く、牧舎の脇で視界が開けたあたりで小休止。秋らしい紅葉に色づいた山の景色が楽しめる。
 ここからは細かいルートを辿りながら内山峠へ向かう。県道44号と旧国道254号の交差するポイント(内山峠方面へ向かう分岐)で、初めて荒船山の姿が見えた。僕らのいる道路はもう日陰になっているが、向こうに見える大きな軍艦のような荒船山には太陽が当たっていて、迫力ある素晴らしい山容に感動してみんなで写真を撮る。ここから10分くらいの登りで、15時50分に切通しの内山峠に到着! 内山峠では、「荒船山の案内」という看板が有ったけど、峠からは眺望はきかないようだ。

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荒船山 | 内山峠

 あとは国道254号に出て15㎞ほど西へ、中込の街までずっと下る。千曲川まで来たところで宿までの道をグーグルチェックして、飲食街の中にある、という宿を探す。本日の夕食は外食なので、どんなお店があるかな~と周辺を見ながら進む。いろいろお店はあるようだけどみんな閉まっているな~と思いつつ、16時半に本日のお宿「シェアハウス&ゲストハウス 柏屋旅館」に到着! 大きな紅葉の木がある、いかにも和風旅館という感じの建物だ。

 宿泊:柏屋旅館

 迎えてくれたのは30代くらい?の若めのお兄さん。愛想が無く長髪の自由人、って感じで、調理場やお風呂、洗濯機の使い方などを淡々と説明してくれる。元旅館なので調理場は広く、大きな業務用ガスコンロや様々な調理器具、食器棚には大量の食器類があって、自由に使って良いそうだ。宿泊客や住人の食材類もあちこち置いてあったりして、まあまあきれいなんだけど共同生活特有の匂いがした。あとお風呂は二つあって、片方はシャワーのみ、もう片方は湯舟に入れるが、その都度お湯を張って、出るときはお湯を抜いて下さい、とのこと。共用の食堂スペースにはスターバックスのコーヒーマシンとか軽食、カップ麺などが有って、自己申告で料金を箱に入れて利用する方式らしい。
 今日は外食なので、①食事 ②お風呂(&着替え) ③洗濯 の順に進める計画だ。2階の部屋にひとまず落ち着いたら、まずは周辺の食事ポイントを宮村さんがじっくり検索してくれた。駅周辺にも色々あるが、宿周辺のお店の中から評判良さそうな所に目星をつけて、外が暗くなるころにお出かけする。やってきた「季節料理 升」は雰囲気も良さそうで、ここに決定。ご夫婦で切り盛りしているきれいな感じの居酒屋で、中はストーブを焚いていて暖かだ。
 外は冷え込んできているので、佐久のお酒「芙蓉」を熱燗で。宮村さんはノンアルコールのハイボールを注文。揚げ出し豆腐、豚の角煮、銀鱈煮つけ、ネバネバ三種盛りなどの居酒屋メニューと、変わったところで馬刺しの「たてがみ」などで楽しく会食する。お店の奥さんも明るくて感じが良く、更に「サンマ炊き込みご飯」と「松茸炊き込みご飯」、佐久のお酒「亀の海」などたっぷりと頂いて、2時間近く夕食を堪能してすっかり良い気分になった(といってもまだ19時前)。

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たてがみ

 お店を出たら駅前のコンビニで明日の朝食を買い出しして、中込のショッピングモールを通って宿に戻る(ここの商店はみんな閉まっていて人通りは無し)。対照的に、夕方には閉まっていた宿周辺の飲食店は、この時間帯になるとみな開いていて、この町にそんなにニーズがあるのかな?という感じ。
 さて宿に戻ったら次は風呂、寒いので湯舟に入って温まりたいが、そちらの浴室は先客がいるのでしばらく待機する。なかなか空かないので、待ちかねて宮村さんはシャワー専用の方で済ませる。Gokiさんとダズは更に待って、しばらくすると湯舟側の浴室に人がいないけどお湯は張ったままの状態なのを発見。誰か続けて入る予定なのか、お湯を抜き忘れただけなのか、不明だけど入っちゃおう、という感じでようやくお風呂を済ませた。お次は洗濯、着替えのないGokiさんはダズのヒートテック下とタオルにくるまって布団で待機してもらい、3人分の洗濯をして、乾燥機は電気式であまり良く乾かないけど適当に切り上げて、あとは部屋干し。以上で本日の活動は全て終了~。

【Gコメント】久しぶりの妙義山も良かったが、初めて行った荒船風穴を通る道が、天国の地獄で面白かった。また内山峠からの下りで見えた荒船山が綺麗で、すごいなと思った。夕食で入った居酒屋が、これまた久しぶりで楽しかった。

【宮村コメント】良かったこと:妙義荒船佐久高原国定公園にある恐ろしく印象的な巨大カルデラ火山跡を様々堪能しながら走行できた。妙義神社&中之嶽神社ご朱印が手に入った。荒船風穴の方々が暖かかった。夜に松茸炊き込みご飯を食せた。厳しかったこと:荒船風穴に向かう壁。ダンシングも踏み込めず。


Map, Click to Expand 2日目:11/7(日) (佐久市)中込→スエトシ牧場→内山牧場キャンプ場→(妙義荒船林道)→八風山→(妙義荒船林道)→軽井沢→碓氷峠→横川= (62km/1051m) 快晴
 メンバ:G、宮村、DAZ

*出発まで
 もう朝の冷え込みが厳しい季節なので、出発は8時半頃の予定として、7時に起床する。さて本日の朝食は昨日コンビニで買い出したものを共用食堂で食べるのだが、一杯ずつお湯を注ぐ式のコーヒーとカップ麺を買っておいたので、まずは調理場のやかんでお湯を沸かす。カップ麺にやかんからお湯を注ぐと、ん??お湯がやけに茶色いな、やかんの錆び汚れか?いや、これ、ほうじ茶か紅茶かも! やかんに水が入っているようだったのでそのまま沸かしたんだけど、住人か誰かが作ったお茶が入っていたみたい・・・ 気を取り直してもういちど別のやかんで、今度は水を汲んで沸かし直して、コーヒーをやっと入れた。カップ麺はそのまま食べたけど特に味には問題なし。
 食堂や調理場で出会う人々は、なんか慣れた感じなので宿泊客じゃなくてシェアハウスの住人っぽいな、って雰囲気がする。シェアハウスってテレビなどでは見聞きしていたけど、実際こういう感じなんだ、っていうのを体験できて面白かった。

*前半:(佐久市)中込→スエトシ牧場→内山牧場キャンプ場→(妙義荒船林道)→八風山
 さて外に出ると本日も快晴、寒いのでウインドブレーカを着込んで、8時20分頃、宿前で写真を撮って出発。

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宿前で

 まずは国道254号で、ピリリとした冷気を感じながら周囲の山々を眺めつつ進む。北耕地交差点のコンビニで小買い出しをしてから県道に入って北上し、本日のコースである県道44号に向かって行く。志賀川になるべく沿うようにローカル道を進んで最短ルートで県道44号に合流しよう、ということで、グーグルマップをチェックしながら進んでいくのだが、志賀川はかなり蛇行していて所々で道が川から離れるのでルート選定がけっこう難しく、十字路での右折ポイントを一つ早く曲がってしまったら、佐久リサーチパークという企業集積エリアの中に迷い込んでしまった。これがまたかなりの登り坂となり、見晴らしの良い高台に上がって、また下ったところでどうもおかしいと再チェックして間違いに気づき、引き返すはめに。朝っぱらから余分な上り下りをしてしまってどうもすみませんでした。ここで獲得標高50mを余分に稼ぎ、おかげで?すっかり身体は温まったのと、本日の総獲得標高もギリギリ1000mを超えることになったので良しとしよう・・・
 間違えた地点に戻って正しいルートに復帰し、県道44号に入ったら一安心した。紅葉の木々を見ながら心も和らぎ、脚を止めてウインドブレーカを脱いでちょっと一息つく。所々で養蚕や生糸に関する古びた看板がちらほら見られて、そういえば家並みにも、養蚕家屋に特徴的な煙出しのついた屋根(←渋沢栄一の生家を埼玉県深谷市で見学したときに覚えた豆知識)が見られるので、この辺りも養蚕が盛んな地域だったんだな、と思いながら走る。
 ゆるい登りから傾斜が少しきつくなり、カーブの連続を過ぎるとスエトシ牧場というのがあって、道路際からもポニーやラマ、カピバラなどの動物たちが見える。ここでちょうど10時ころ、標高も1000mを超えた所なので少し休憩する。走りながらサイクルコンピュータで何の表示を見ているか、という話になり、宮村さんは登りでも速度表示とのことで、標高や勾配に切り替えたり画面編集とか出来るの??とか、ふだんランニングのときは姿勢センサーもついたウォッチを使用してる、とか、グッズの話でひとしきり盛り上がる。

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スエトシ牧場前で

 さて休憩の後は更に登りが続き、内山牧場キャンプ場を目指して進んでいく。昨日もこの近くを通過しているので、「ここは昨日も来た分岐ですね?」と思ったが、看板は確かに似ているけど昨日とは別の地点だった。周囲が明るく開けた高原状になってキャンプ場のエリアとなり、レストハウスが見えてきて11時少し前に到着。中の食堂ではストーブを焚いていて暖かいので、ドリップコーヒーを注文してゆったりと休憩。

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レストハウスでドリップコーヒー

 さてここからは、いよいよメインディッシュの妙義荒船林道の起点に入っていく。風も無く穏やかな晴天のもと、落ち葉の降り積もった静かな道を緩やかに登っていくのはとても気持ちが良い。登り始めて10分程度のあたり、神津牧場経由で荒船風穴方面へ下っていく道との分岐まで来ると、いきなり視界が開けた。ゴツゴツした岩峰の妙義山をはじめ、群馬の山々が見渡せる爽快な展望で、喜びの写真撮影タイムとなる。
 牧場の中の開放的で緩やかな道を更に10分ほど進んでいくと、今度は北側の展望が開けて浅間山が見え、もう一度脚を止めて撮影。

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妙義荒船林道の入口
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群馬の山々 | 浅間山
(展望の写真)

 この先の物見山のあたりでは、空高く鳥たちが気持ちよさげに?舞っているのが見えて、鷹かトンビか何か野鳥かと思ったが、宮村さんの判定では「ありゃカラスじゃないか」とのこと、果たして近づいてみるとカラスだったようでちょっと残念。人里から少し離れた場所だから、都会のカラスより性格も少し穏やかだったらいいな、と思いながら通り過ぎた。 
 この後は別荘地?の近くでいったん日陰になったりしながら緩く登るが、道路状況はすこぶる良い。落ち葉に覆われてはいるものの舗装路面はとてもきれいで小石なども全然ない。別荘滞在の人がドライブで通ることを想定して整備しているのかな?と思うが、実際には交通はほとんど無く、僕らにとっては最高のサイクリングロードという感じ。別荘地を過ぎたら下り基調でまた明るい林間ルートとなり、ひたすら楽しい走行に没頭する。
 この先、上信越自動車道の八風山トンネルの上を越えるあたりに、途中グーグルマップでチェックしていた「香坂山遺跡」というポイントがある。これは日本最古の旧石器時代遺跡の発掘場所ということで、珍しいのでちょっと立ち寄ってみましょう、と話していたのだが、楽しい下りを満喫しながら走っていたら、通り過ぎてしまった。快適に走っていると前方の高いところに尖った岩山(八風山?)が見えてきたので立ち止まって写真撮影し、ちょうど香坂から来る道の分岐が左手に現れたのでそこでグーグルマップをチェックしたら、遺跡を過ぎちゃったことが判明。特に標識や目印になるようなものは、何もなかったみたい。まあ、仕方ないね~、ということで、山の景色を楽しみつつ更に進んでいく。ここからはほぼ平坦な道で、12時半頃に軽井沢町に入る境界に至り、ちょうど落ち葉の陽だまりもあって穏やかでいい感じなので、ここを昼食休憩ポイントとする。

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岩山が見えた分岐で
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お昼休憩した尾根

*後半:八風山→(妙義荒船林道)→軽井沢→碓氷峠→横川
 13時少し前に、午後の部をスタート。町境の切通しを越えてすぐ、また浅間山方面の展望が開け、午前の時よりぐっと近くに見える。50mほど登ったあとは下り基調となり、軽井沢の別荘地に向かって行く。別荘地帯へ下る道との分岐を過ぎると、この先の妙義荒船林道は和美峠までの最終区間が通行止めとなっているが、Gokiさんの事前リサーチで、自転車は通行可能であるとのこと。13時10分ころ、ゲートを通過して更に林道を進んでいく。ゲートから先は雰囲気がガラリと変わって、手入れされていない荒れた路面となり、落ち葉も溜まり放題だ。特に朴の木の枯れ葉は大きくて白っぽく見えるので石と見分けがつきにくくて、走行には注意が必要な区間に入ったんだな、と実感するが、でもまだお昼の時間帯で明るいし、下り基調で体力にも余裕があるので、この変化はむしろ楽しい感じだ。ゲートから10分足らずで、道幅の半分以上が崩落してガードレールが落っこちている所に来た。これが通行止めの原因と思われるが、自転車は通過可能だ。これも写真を撮って更に進んでいくと、山側からの土砂崩れで路面が石に覆われていたりして、難所は降りて押して通過する。それでも崖の上の紅葉を見つけては喜んだり、遠くに高速道路を見つけては写真を撮ったり、とワイワイ言いながら楽しく進んでいく。

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浅間山が近い
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廃道区間の入口 | 朴の木の枯れ葉
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崩落箇所 | 落葉の尾根道
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土砂崩れで路面が石で覆われ押し | 一瞬トンネルを出た上越自動車道と

 廃道走行を充分満喫したな~という感じの13時40分ころに軽井沢別荘地への道に至り、ここで通行止め区間は終了となった。人気のない廃道の途中で、一度だけ徒歩の人に出会っていたが、この人はここのゲートにバイクを止めて歩いて上がってきていたようだ。別荘地帯に入ると道路はまた快適な路面となり、13時50分ころ県道43号に合流する。
 ここからは軽井沢に向かって行くが、交通量がだんだん多くなってくる。長かった東京の緊急事態宣言も9月末で終了して、ようやく人々が秋の行楽を楽しもうかな、と動き出した時期でもあり、すごい数の車が軽井沢に押し寄せている感じだ。南軽井沢の交差点から軽井沢駅までの区間は車列が切れ目なく続き、歩道にはモミジ並木が真っ赤に紅葉していてきれいなんだけど、先ほどまでの山の中と比べると当然ながら人工的な感じがするし、とにかく人でいっぱいの中心地はなるべく早々に通過してしまいたい、という気になる。新幹線の線路をくぐって北側に来ると、ほどなくして賑わいは薄らいだ。国道18号で碓氷峠に向かい、中心地からほんの2km足らずであっという間に標高958m碓氷峠に到着。ここからは下りのみなので厚着をする。Gokiさんには「厚過ぎじゃないの?」と言われるが、寒がりの僕は冬用長袖のジャージにウインドブレーカを重ね着して万全の防寒体制だ。
 碓氷峠の下りは、勾配も急すぎずちょうど楽しめる感じで、車は高速道路や碓井バイパスを通るのが多いらしくて国道18号は交通量も多くなく、そして紅葉が美しい、と3拍子揃った快適な道だった。途中で何か所か信越本線跡のトンネル遺構があり、立ち止まって眺めたりしながら進む。そして、明治25年に完成したというレンガ造りのアーチ橋「めがね橋」には14時50分ころ到着、最後の観光ポイントとして見学タイム。観光客が多いのでマスクを着用して、アーチ橋の上に登って渓谷の景観を眺め、鉄道跡の遊歩道を歩いてレンガ造りのトンネルをくぐって、散策を楽しんだ。明治時代に造ったトンネルや橋が今も崩れずに残っているとは(部分的な補修はしているにしても)、昔の人は丁寧な物造りをしていたものだなあ、と感心する。

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めがね橋にて

 30分ほど見学してから出発し、あとはゴールに向かって行くのみ、15時半ころに横川駅に到着! 帰りの電車時刻をチェックして、16時ちょうど発もあるけど、せっかくだから名物の「峠の釜めし」を味わいたい(でも一個食べるのは多いから、3人で一個買ってシェアしよう)、なので16時30分発の電車に乗ろうか、ということになり、余裕をもって輪行を始めた。で、だいたい収納し終わったころに、Gokiさんはその後の行程を検討した結果やはり急いだほうが良いことが判明したらしく、「やっぱり16時のに乗るよ」、と言って慌ただしく出発してしまった。(G記:今の横川駅では遠距離切符や新幹線の切符は購入できず、駅長の乗車証明だけもらって、高崎駅でそれらを購入する必要があると分かった。それで高崎乗換えに時間を確保するため、早めに出る必要が生じたのです。) 急な展開でろくに挨拶も出来なかったが、宮村さんと僕は16時半までまだ時間があるので、やはり釜めしを食べましょう、と駅前の「元祖 峠の釜めし おぎのや」に向かって歩き出した。すると、店先で店員の女性が暖簾をいじり始め、おや暖簾を直しているのかな?と思ったら、なんと暖簾を下ろすやさっと引っ込んでしまった。えっと思って店先に着いたら、16時閉店と書いてある! えぇ~ずいぶん早く閉めるのね、と思ったが、ではその向かいにある「おぎのや資料館」ではどうか、と思ったら、ここはほんとに資料館で、釜めしは売ってない。じゃあ~、駅構内にも販売店があったはずだよ、と思って行ってみたら、なんとここも16時で終了、、、。

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おぎのや

 あらら~せっかく釜めしタイムをとって16時半出発にしたのに、釜めしが入手できないことに。宮村さんと僕は、力なく自販機で缶コーヒーを買って、トボトボと改札を通って帰路についたのでした。

【Gコメント】内山牧場でコーヒー休憩した後、満を持して入った妙義荒船林道が楽しすぎた。快晴の中、景色も道も。そして廃道区間は、冒険心をくすぐりつつ、想定したレベルのマイルドさで、レーサーでも十分に楽しめた。最後に、昔と比べて交通量の減った碓氷峠からの下りは走りやすかった。

【宮村コメント】良かったこと:浅間山が立派だった。軽井沢手前の林道で野鳥のカケスに出会えた。信越本線跡をしみじみ見ることできた。残念だったこと:妙義荒船林道にカラス山があった。タカに出会えなかった。


<おわりに>
 走る楽しさが満載の妙義荒船林道は、なんといっても今回のランのハイライトでしょう。そして日本三大奇景の一つともいわれる妙義山のゴツゴツした岩峰も美しかった。天候に恵まれ、紅葉も楽しむことができ、様々な観光ポイントや久々の居酒屋ごはん、ユニークな宿、いくつかのハプニングなど、今回は旅の楽しさもふんだんに盛り込まれていたなぁと思います。ただ一つ、レポート作成に取り掛かれないまま何かと忙しい年末年始を迎えてしまい、ずるずると遅れてしまったのが失敗でした。おかげで当時の新鮮な記憶が薄れてしまい、写真データやらガーミン記録やらあちこちを参照しながら作成するのでますます時間がかかることになり、三か月後にようやく完成をみましたが、当時の楽しさや感動がうまく表現できているか、心もとなく思います。


関連リンク:
 1996年 オジサン達の妙義山