ショートレポート: 春ラン(紫陽花) 雨引観音

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雨引観音、紫陽花園の坂で
by DAZ(投稿日:2 Jul 2023)

Map, Click to Expand 日程:2023/6/18(日)
参加:G(計画)、DAZ
コース:=岩瀬→板敷峠→葦穂→上曽峠→岩瀬= (65km - 8.2h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 梅雨時期の晴れ間を期待して企画された6月のラン、その一回目は、Gokiさんがひたちなかに帰っている週末に合わせて設定された岩瀬周辺のランだ。今まで知らなかった茨城県内の見所が色々と盛り込まれ、梅雨時期とは思えない快晴にも恵まれ、楽しいサイクリングとなった。


1日目:6/18(日)
コース:=岩瀬→平沢高峰→石切山脈→稲田御坊→板敷峠→大覚寺→葦穂(昼食)→上曽峠→雨引観音→岩瀬=
参加:G(計画)、DAZ
天気:晴れ、最高気温30℃
距離:64.90km
獲得標高:1003m
走行時間:8h11min


*岩瀬駅を出発
 集合地はJR水戸線の岩瀬駅で、9時スタートの予定。朝5時に家を出て電車に乗り、予定通り乗り継いで8時13分着で岩瀬駅に到着すると、外は快晴で既に暑い。Gokiさんも8時22分着で到着し、3月以来の再会である。Gokiさんは4月にサイコンを新調してガーミン840を導入したのに伴って、それまで使っていたガーミン530はダズが譲り受けており、今回初使用するところだ。そしてGokiさんの新しいガーミン840は、GW最終日の大雨に遭って以来の不調のため修理に出したということで、Gokiさんは今回サイコン無しでのランとなる。出発前に地図表示の仕方などを教えてもらう。駅前に売店等は無く飲料自販機があるだけなので、ここでは600mlのスポーツドリンクを2本購入して、9時少し前に岩瀬駅を出発した。400mほど進んだ所にあるセイコーマートにも立ち寄り、朝食(自宅でも食べたが、時間も経って既にお腹が空いている)と補給食を調達して、9時10分頃にスタート。

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岩瀬駅(以前に筑波の梅見ランで使ったことがある)
*平沢高峰へひと上り
 まずは県道307、289、257と進んで北上する。茨城県は交通量が少なくて走りやすい。県道286号に入るところから本日最初の登りに入る。Gokiさんは昨日もひたちなか周辺でトレーニングランをして、少々疲労が残っているようだ。まずは180mアップして市境の峠を越えたら少し下って、林道平沢線に入って更に60mアップすると「平沢高峰展望台」に至る。この辺りは山桜の名所だそうで、満開の時期の眺望写真が掲示してある。道路脇からすぐ上にもベンチがいくつかあるものの、樹林地帯でそれほど視界は開けていない。ここからの遊歩道を徒歩で登っていけば展望が広がるのかもしれないが、今は新緑の時期なのでまあ良いか、とこの辺で小休止する。(G記:ここで、MTBの二人組が結構なスピードで下から来て、横の山道に入って行った。ダウンヒルコース(七曲坂)があるようだ。e-BIKEだと楽しみしかないよねえ。
 下りはかなりの急勾配でスピードが出る、下り途中に「第一展望台」があって視界が開けた場所のようだったがパスして下り続けた、一方Gokiさんはここで一時停止して展望を楽しんだようだ。どんどん下って、「山桜絶景の碑」というかなり大きな石碑を見やりつつ、ここら辺はマイナーな観光ポイントで人出も少なそうだし、いつか山桜の時期にまた来るのも良いですね、と話しながら進んでいく。

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市境の峠 | 日陰のベンチは展望無い
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第一展望台 | 下り終わり
*石切山脈って何
 さて次なるポイント「石切山脈」に向けて、県道289に出たいのだけれど、ガーミンの予定コースに従って進もうと分岐を探して田園地帯をしばらく右往左往する。どうもガーミンが示す予定コースは細すぎる感じがして、グーグルマップにも道の表示が無いところを進むコースになっているようだ。ほんの500mほどで県道に出るだけなので、ここは予定コースを外して、少しだけ遠回りになるけどもうちょっとしっかりした舗装路を進んだ。県道に出てからガーミンの予定コースらしきところを見ると細い砂利敷の道が通じていたようで、まあこれは通らなくて正解だったね、ということになった。ガーミン530の地図表示機能は便利だけど、現地に来たらこういう判断も必要なんだな、と学習した。
 県道289を東に進み、30mアップくらいの小ピークで市境を越えると笠間市稲田地区である。稲田地区で採掘される「稲田石」は、約6000万年前に地下深くでマグマが固まってできた花崗岩の一種で、際立った白さから別名「白い貴婦人」とも呼ばれ、国会議事堂や東京駅、日本橋など全国有数の歴史的建築物に採用されている、とのことだ。「石切山脈」とは明治32年から100年以上続く最大級の稲田石採掘現場で、一般の人が見学できるようになっている場所らしい。この道沿いには石材会社や採掘現場らしきところが点在しているので、「石切山脈」見学ポイントを見逃さないように何度もグーグルマップを参照しながらゆっくり進んでいく。すると株式会社想石の敷地入口に、カフェの小さな看板があって、なにやら人が出入りしている場所があるようなので、これかな?と近づいていくと、果たして正解。「石切山脈」という案内板などは無かったようだ。
 小さなプレハブが案内所兼入場券売り場になっていて、一般300円、プレミアムツアー参加の場合は1000円。僕らは一般で入場し、まずは「地図に無い湖」を見学する。これは、山肌の岩盤を地下65mまで採掘したあと、湧水や雨水が溜まって出来た広い池で、古代遺跡のような壮大な景観で大変見応えがある。プレミアムツアーに参加すると、池の対岸、採掘現場の岩盤の上の方までガイド付きで見学出来るみたい。僕らはこのあと工場の横を通って第二展示場という方へ歩いていくと、ここでは広い池の向こう側まで細い帯を渡してスラックラインをこれから始めようとするところだった。近所の公園でスラックラインをしているのは見たことあるが、この場所でこれをやるとは、もうエクストリームスポーツの領域だ。10人前後のギャラリーに混じって僕らも見学し、始まるのを待っている間に恐らくこの会社の従業員と思われる人が、この池の成り立ちなどを解説してくれた。稲田石で掘り下げて出来た池の水深は約40m、岩盤はほとんど水を通さないが僅かには湧水があり、稲田石で濾過されて良い水質なのでこれを用いた酒蔵が稲田地区に数軒あり、カフェも併設されている、とか教えてくれた。そうこうしているとスラックラインの実技が始まった。命綱をつけて、空中のラインの半ば辺りまで移動してからラインの上に立ち上がり、バランスを取りながら綱渡りをするのは、身体能力もメンタルも並の強さではないと思う。テレビの撮影班も来ていてドローンからの空撮もやっていたようだ(テレビ局名はチェックし忘れた)。

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地図に無い湖 | こんな所でスラックライン

 すっかり観光気分を満喫したついでにコーヒーも飲みたくなり、稲田駅近くの湧水コーヒーもいいけど、ここの敷地内にあるカフェでお茶しよう、ということになった。カフェの窓口に来てメニューを見ると笠間栗のプレミアムモンブランとコーヒーのセットで1800円、というのが目に留まり、ちょっと値段はお高めだがお昼ポイントはまだだいぶ先だし、せっかくだからと二人ともこれを頼んでみることにした。モンブラン作るところを撮影しますか?と聞かれたので、良く分からないまま「します」と答え、屋外のパラソル下でしばし待つと、番号で呼ばれる。では撮影準備してください、といわれ、モンブランの麵?を絞りかけるところを動画で撮影したのだが、この時初めて、これは相当大きなモンブランだということがわかった。石板に乗せたモンブランを席まで運んで、うーんこれはすごいボリュームだ・・・と改めて眺める。食べ始めてみると中はケーキ成分が少なく、ほとんどがクリームだった、かなり頑張ってどうにか完食したが、胸がいっぱいになる。これは2~3人でシェアするのが正解だと思うが、何も知らなかったので一人ずつ頼んでしまったのはちょっと失敗、でもまあかなり楽しめた。序盤から観光モード全開で、GokiさんはGWのソロランで連日ハードな走りをしていたのとうって変わって、久々のサイクリングモードだなぁ~と感慨深げだった。

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モンブラン作成動画(クリック!) | すごいボリュームのモンブラン
*稲田御坊、大覚寺の静けさ
 石切山脈で一時間の大休止となり、お腹と胸も一杯になったところで、11時50分頃、炎天下のなかサイクリング再スタート。稲田駅前からは国道50号と並走する県道309(旧国道)に入り、ほんの2kmくらいで稲田禅房西念寺(稲田御坊)に到着。ここは親鸞聖人が関東一円に布教を行った時期、約20年間住んでいた場所であるらしい。先ほどの観光地とはガラリと変わって日陰の森の中の静寂な雰囲気を楽しんだ。境内に「お葉つき銀杏」という樹木があり、案内板によると「親鸞聖人が銀杏を蒔いて育ったと伝えられる銀杏の木は、葉先に銀杏が実る世界的な珍種」ということが書いてあり、実際に観察してみても葉と実は離れているようで良く分からないが、東京大学農学部教授も参詣して確証したとか。まあ伝説として受け止めるのが良いのかもしれない。先ほど1時間の大休止をしたばかりなので、ここは20分程度の滞在で出発する。

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稲田御坊の門 | お葉つき銀杏

 福原駅から先は柿岡街道(県道64)~県道140で南下し、大覚寺へ向かう。当初の計画では北筑波稜線林道で板敷峠を経由して、大覚寺の北側を回っていく予定だったが、ここまでの観光に予定より大幅に時間を費やしてしまい、昼食ポイントの営業時間に間に合うようにするためここは板敷峠をカットして短縮を図る。大覚寺に向かう途中の電光掲示板で、気温30℃を表示していた。12時40分ころ板敷山大覚寺前に到着。ここは庭園が有名だということで、まずは庭園を散策する。他に参拝者はおらずとても静かな雰囲気だ。この地は親鸞聖人法難の地としても知られ、かつてこの周辺で崇められていた山伏の弁円が、「念仏を唱えるだけで誰もが仏に救われる」と説く親鸞を逆恨みしてその命を狙ったが、穏やかに迎えた親鸞に心を打たれ、ただちに門弟になって親鸞の教えを広めることになったのだとか。そんなわけでここも親鸞ゆかりのお寺だからか、本堂内部を見学すると「HAPPY BIRTHDAY 850」の文字が。これは想像通り、親鸞生誕850年を表していた(2024年が生誕850年らしい)。ここも15分程度の滞在で、1時少し前に出発する。

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大覚寺の庭園
*少し遅めの昼食
 県道140~県道64~フルーツラインで南下し、県道7号線と交差したところにある「手打ちそば 中津川」には13時15分ころ到着した。昼食営業時間は14時までで、ここを逃すと近くには他に店は無いので、間に合って良かった。暑い中走ってきたので冷たいお茶を飲みながら、常陸秋そばの野菜天ぷらセットを頼んでしばらく待つ。30分くらいしてようやく出てきたそばを味わい、お昼休憩を満喫した。

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野菜天ぷらセット | 帰る頃には昼の営業終了
*上曽峠、りんりんロード
 14時半少し前にお店を出て、午後の部をスタート。石岡筑西線(県道7)を北西に向かい、この辺りも石材業が盛んな地域のせいか立派な石造りの門を構えた屋敷が多くみられる。住宅地をぬけると、県道は西に向かって上曽峠(うわそとうげ)へと登り始める。ここは現在トンネル工事が進んでいて、2025年度に全長5.6kmのトンネルが開通する予定だとか。樹林の中で、交通量も少なくて夏のサイクリングには最適な道だけど、狭くてカーブが多いので大型車は通行困難、倒木や積雪などの気象の影響も多いのだそうだ。270ⅿアップで15時前に峠着。2~3分休んだ程度ですぐ下り、県道41に下りてくる。

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上曽峠(ここからの下りは直線的)

 ここら辺で、戦国時代末期~江戸初期に形作られた「真壁の町並み」が保存されている地区があるはずだったが、県道の交通量がかなり多いことと、暑さによる疲労も蓄積してきたこともあり、町並み見学と城跡見学はパスし、県道と並行しているつくばリンリンロードで雨引観音の近くまで速やかに北上することにした。リンリンロードでワープしてから県道41に戻り、ボトルの水も飲み干してしまったのでどこかで補給を、と思って見回すと、お店などはどこにも見当たらないが、右手の小道に自販機を発見、良かったーと補給に向かう。ここでGokiさんが水を買うべくボタンを押すと、お金は吸い込まれるがボトルが出てこない。あれ?しょうがないなーともう一度お金を入れて、隣にある同じ水のボタンを押すと、やはりお金が吸い込まれて、ボトルが出てこない。2回とも、お金は戻ってこない。次にダズが、お金を入れて麦茶のボタンを押すと、今度は普通に買えた。Gokiさんは何処に文句を言ったらよいか分からず、仕方なく3回目に麦茶を購入した。

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自販機には魔物が住んでいる
*雨引観音の賑わい
 気を取り直して、水分補給して出発し、林道東山線に入っていく。本日最後の登りで約120ⅿアップ、ここも交通量のない静かな道だった。何度かアップダウンしつつ、16時過ぎに雨引山楽法寺(雨引観音)に到着すると、急に開けて大きな駐車場に誘導係もいて、反対側の県道152からは観光客が車でたくさん訪れているのだった。ここ雨引観音は花の名所として有名で、特に梅雨時期のアジサイは人気で6月中旬から7月中旬はアジサイ祭が開かれ、100種類5000株のアジサイが新緑に映えて境内を埋め尽くし見応えがある、というわけでこの時期は1年で一番人が訪れる時期なのかもしれない。時期は違うが四月にはマダラ鬼神祭というのもあるらしく、このときもマダラ鬼神の扮装をした人がパフォーマンスしていたり、人だかりがあるなーと思ったら猿回しをやっていたり、その他インスタ映えを意識した写真スポットや、三脚レンタルなどもあり、観光客を呼び込むための工夫がいろいろされているようで、そのせいか様々な年代、国籍の人たちがたくさん来て賑わっていた。コロナ禍もどうやら明けて、マスク無しの人々が楽しそうに過ごしている様子を見ると、本当に平和な日常が戻ってきて良かったなあ~という気分になる。僕らもお参りのあと散策したり写真を撮ったりと充分に楽しんで、40分ほど滞在した。

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雨引山への上り | マダラ鬼神のお出迎え(アイドル並みに人気)
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広い境内の中の観音堂 | 二重塔の前で記念撮影
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池 | 紫陽花園の坂で(カップルが多い中で待ち)

 16時45分ころ雨引観音を出発し、県道152を下って県道41まで戻る。岩瀬駅まで約2kmの道のりはまたリンリンサイクリングロードで北上することにして、17時10分に岩瀬駅にゴール。午後からの後半は暑さが身体にこたえてきて、最後の自転車分解作業中はだいぶ頭がぼんやりしてきたが、見所いっぱいの楽しいランだったので充実感とともに帰路についた。

【Gコメント】石切山脈と雨引観音では観光、稲田御坊と大覚寺では静かさ、そして常陸蕎麦、久々にゆっくりとしたツーリング気分を味わえて楽しかった。また、ほとんど車の来ないローカルロードや、木陰の峠・林道も良かったので、またこの周辺エリアでコース探索しようと思う。なお、板敷峠近傍の林道をパスした判断は正解だったなあ。


関連リンク:
 2015年 春ラン(梅) 筑波