ショートレポート: 夏ラン 那珂川

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龍門の滝にて
by DAZ(投稿日:19 Nov 2023)

Map, Click to Expand 日程:2023/9/17(日)
参加:G(計画)、DAZ、浦野
コース:=石橋→茂木→那珂川→宝積寺= (95km - 9.7h)

 ツーリング記録 参照(工事中)
メモ:
 例年以上に暑かった2023年の夏、7月・8月にはrinrinのランは一度も開催されなかった。暑さが一段落しているであろう9月後半~10月のランについて、gokiさんから声がかかったのは8月29日。9月後半のランについては浦野さんとダズが参加希望し、9月17日か18日に那珂川流域あたりで、という方向となった。
 この夏の間、gokiさんは早朝ランでトレーニングを継続していたが、浦野さんとダズは2か月以上のブランクがあるので、獲得標高少なめのプランにして頂いた。9月下旬だがまだまだ暑いので、天気予報を比較して、より雲の多そうな17日を選定するとともに、なるべく早い時刻にスタートして暑さを避けようという方針だ。しかし実際に行ってみるとコース上に様々な見所が盛り沢山で、それらを辿っていくと日没ギリギリまで走ることとなった。


1日目:9/17(日)
コース:=石橋→真岡→大前神社→益子→茂木→那珂川→小貝ヶ池→龍門の滝→宝積寺=
参加:G(計画)、DAZ、浦野
天気:曇時々晴れ
距離:94.65km
獲得標高:967m
走行時間:9h41min


*出発まで
 集合地はJR宇都宮線の石橋駅で、8時半スタートの予定だ。朝5時過ぎに家を出て、石橋駅に7時59着の電車に乗る計画だったが、予定より早く進んで7時38分に石橋駅に到着すると、gokiさんと浦野さんは既に準備完了の状態だった。出発前の朝食(2回目)として持参のパンを食べて、駅前で600mlのスポーツドリンクを2本購入して、8時15分に石橋駅を出発した。

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石橋駅を出発

*上三川城址、真岡鉄道、大前神社
 最初は田んぼ地帯の中を走る農道のような平坦道を進む。収穫間近の田もあれば、刈り終わった田、2週間前の9月4日の栃木県大雨被害を受けたのかもと思われるような箇所もあった。15分ほど行くと「上三川城址公園」に着き、ここで最初の小休止。お城の形は残っていないが、大きな石を積んだ石垣が残っていて、全国のお城をたくさん見学している浦野さんも「この石垣はすごい」という立派なものだった。

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上三川城址の石垣

 途中ちょっとした道間違いをはさみつつ、県道320で鬼怒川を渡って県道47号で更に東へ進み、次のポイント真岡駅(西口)には9時10分ころ到着。ここではSLが見学できるはず、ということで立ち寄ったのだが、まず目に入るのは真岡駅舎の姿で、SLの形を模したデザインが素晴らしい。本物のSLは、どうも駅の反対側にあるらしく、踏切が近くには無いようなので歩道の跨線橋を押して上がり、西口側に下りる。駅前では警察車両の展示会のようなイベント開催中で、ファンの人たちが撮影して楽しんでいる横を通り過ぎて、僕らはお目当てのSLにたどり着いた。ここで15分くらい休憩がてら、SLの写真を撮ったり子供時代にSLに乗った思い出を語ったりして過ごす。「SLキューロク館」という施設内にも展示があるのだが10時に開館とのことで、今日は見学できなかったものの、野外展示の分でも充分に楽しめた。

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D51と(左後に見えるのが真岡駅舎)

 9時半過ぎに再スタート、ほんの2kmくらい進むと次なるポイント「大前神社」(おおさきじんじゃ)に到着。同じ境内にある「大前恵比寿神社」の巨大で真新しい恵比寿様の像がちょっと興ざめだが、実はこれは大前神社とは別の神社らしい。「大前神社」の方は1500年有余の歴史を誇る延喜式内の名社であり、国重要文化財の神社だそうで本殿の素晴らしい彫刻など見応えがある、ということで、僕らもお参りして見学。10時10分頃、ここを出発する。

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大前神社(彫刻は立派)

*茂木のSL
 9kmほど進んで益子町に至ると焼き物街となってまた観光客で賑わっているエリアに入ったが、ここまで既に観光にだいぶ時間を割いてしまったのでここでまた焼き物見学をしようという声は上がらず、窯元が並ぶ雰囲気だけ味わいつつ走り抜け、県道230から県道1号で今日最初の登り、約80mアップの小峠を登る。10時半にピークに到着、「田井峠」という名前の石碑が建っていた。

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田井峠(ぽっこり現れた丘越え)

 これを下って、次なるポイント茂木駅には11時20分頃に到着した。今日は真岡鐡道のSL運航日であり、走っている姿を見られる場所としてここ茂木駅に狙いをつけていた。茂木駅は終着点で12:06着となっているので、SL到着を待ってから昼食を取ろうということになった。茂木駅舎は2階建て構造で、2階部分(一階の屋上)は展望所になっており切符を買わなくても上がることができ、走ってくるSLを自由に見学できるようになっている。展望所から眼下の路線を眺めると、SLの進行方向を変える「転車台」が見える。転車台は機関車一両を載せれば一杯になる長さしかないので、客車と切り離してから方向転換するのだろうが、上り時に先頭だった機関車を下り時にまた先頭に持ってくるのはどうやるのだろうか、とあれこれ皆で思案する。路線は基本的に単線で、駅前のほんの数十メートルだけ複線になっているので、「まず機関車を切り離して転回して、客車をこっちにもってきて…でも機関車と繋がないと客車は移動できないから、えーと??」などと言い合っていたが、炎天下の屋上にいるととても暑くなってきたので、一階の待合室に避難する。ここだけはエアコンが効いていて快適だ。gokiさんは事前リサーチしてあった昼食ポイントの場所をチェックしてきてくれた。駅前には売店などが見当たらず、唯一あった駅そばの店先で鮎の塩焼きと焼きまんじゅうを焼いていたので、暑いけどダズは焼きまんじゅうで小腹を満たしつつSLの到着を待った。到着時刻が近づくと、僕らのほかにも見物客が7~8人展望所に集まっていた。12時6分、時刻表通りにSLが走ってきて、写真を撮ったり、あの走行音を楽しんだり。SLに乗ってきた人たちも茂木駅で下車して一気に人口が増えた感じになったので、僕らも早々に昼食に向かう。

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茂木駅でSL(C12)を迎える

 gokiさんがチェックしておいてくれた昼食ポイント「タカギ商店」は、外観からは食堂に見えない普通の家のような建物だが、中はちょっとおしゃれな洋食屋さんだ。ランチメニューからgokiさんはスープカレー、浦野さんとダズはハンバーグランチを注文し、食後のコーヒーも合わせてゆったりと楽しいランチタイムを過ごした。 

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ゆったりランチ

*馬門の滝、那珂川/和の道、龍門の滝
 さてお店を出たらもう13時20分頃。十分に英気を養ったあとだが、午後のランの前にもう一度茂木駅に向かい展望台に上がる。既に機関車の方向転換は終わっており、客車との入れ替え方法の解答を一部見学出来た。まあやっぱりそうだよね、という流れを確認できて満足してから、13:40午後のランをスタートする。県道27から国道123号に入り、14時前に国道沿いにある「馬門の滝」というポイントでちょっとだけストップして写真撮影。ここは那珂川両岸の河岸段丘から流下する小さな滝が侵食で次第に後退し、飯野地区から馬門地区まで遡ってきた幼年期の滝とのこと(案内板より)。

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馬門の滝

 更に進んで那珂川を渡ったら県道338で川沿いに3kmほど緩く上り、県道27号の支線?(山王神社経由の道)に入る辺りから本日2回目の登り(約80m+70mアップ)が始まる。最初から県道27号本線(那須黒羽茂木線)に入らずにこの支線を経由するのは、次の見所「寺山の棚田」に立ち寄るためだ。80mアップしたところで14時半、グーグルマップにて「寺山の棚田」と紹介されている場所に来る。確かに棚田があるが稲刈り後のせいかちょっと感動が少なかったものの、時期によっては美しい棚田風景が見られるようだ。何はともあれ、ここもしっかり写真撮影する。

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寺山の棚田

 この辺りから、今回のランではgokiさんがいつも以上に見所ポイントを深堀りしているようだ、ということが解ってくる。獲得標高としてはいつもより少なめで、名のある峠などを含んでいないコースなので、その分丹念に周辺の見所をリサーチしたという感じかもしれない。少し下って県道27号の本線に入ってからまた70mほど登り、ピークを越えた辺りに「木戸不動尊」という次なるポイントがある。これは県道沿いでは無く、ひっそりとした山道を200mくらい入ったところにあり、入り口もすぐには分からなかったので、事前に調べたうえでここを目指して来た人でなければまず立ち寄ることはないポイントと思われるが、ちょっと穴場的な楽しさのある寺院だった。静かな山道で木々の間を進んでいくと崖になったところに半高床式の小さな朱塗りのお堂が立っていて、中にお不動様が祀ってある。さっきまでは蒸し暑い中を走っていたのにここだけはなんだか涼しくて、ちょっと異空間に迷い込んだような、秘境のような雰囲気がある。地元の人に大切にされている感じで、小規模ながらも見応えのあるポイントだった。

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木戸不動尊

 15時過ぎに木戸不動尊を出発。ここからは標高で100mほどダウンして那珂川の右岸に渡り、また30mほどアップしたところで国道294号に出て15時半。ここまでで走行距離68km、蒸し暑い中での久々のランで、だいぶ疲労してきていたので、この交差点にあるファミリーマートで約20分の補給と休憩をとる。ここからJR烏山線に「滝」という名前の駅もある次の見所、「龍門の滝」へ向けて片道約2kmピストンの予定で、カットもできるけどどうする?とgokiさんから確認があったが、せっかくだから行ってみよう、ということになった。ほとんど平坦な道で、ものの10分ほどで「龍門の滝公園」に到着。遊歩道を降りて滝を見に行ってみると、横方向に大きな滝のすぐ傍まで近寄ることが出来て、なかなか壮観な景色の素晴らしいポイントで、滝を眺めていると少し涼しさも感じられ元気も出てきて、やっぱり来て良かったね!ということになる。外国人の観光客らしき人もいたので、みんな良く知ってるんだなぁ、と思う。

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龍門の滝

*小貝ヶ池、夕暮れの宝積寺駅
 16時過ぎに龍門の滝を出発。国道294に戻って1.5km南下して県道64に入り、途中で星宮神社~芝ざくら公園を経由する支線に入って本日3回目の登り、約80mアップと2回のコースミスを経て県道64に復帰し北上、次のポイント「小貝ヶ池」に17時頃到着する。「小貝ヶ池」とは農業用のため池で、小貝川の源流なんだよ、とgokiさんから聞いてもピンとこなかったが、「今年3月の筑波ランで、菜の花がきれいだったサイクリングロードの所が小貝川だよ」と言われて、えっそうなのか!となった。国土交通省HPによると、「小貝川は大きな山地を水源に持たない川で、標高500m程度の小さな山から流れ出ている沢や川の水を集めて流れる川」なのだそうで、ここからのささやかな水流から始まって、3月に走ったあの大きな川になっていると思うと感慨深いものがあり、しばし池周辺を散策し、写真撮影する。

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小貝ヶ池

 17時10分頃、再スタート。小貝ヶ池で自転車を東屋の柱に立てかけたときに、ダズの後輪ディスクロータがコンクリートのベンチに当たって歪んでしまったらしく、誰も来ない静かな道を走っているとディスクがブレーキパッドに擦る音が微かに聞こえる。ずいぶん繊細なものなんだねぇ、とプチがっかり感があるが、走行には影響しない程度なのでこのまま進む。もうあとはゴールの宝積寺まで直行かと思いきや、もう一つ最後の見所、「菩提久保のボダイジュ」というポイントが有って17時20分ころ到着。樹齢約250年、樹高23m・枝張東西26m・南北23mというなかなか立派な樹で、県指定天然記念物、この地区の字名「菩提久保」の由来となっているのだそうだ。

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菩提久保のボダイジュ

 ここまでの走行距離は86km、当初計画ではここから左手に伸びる細い道を進むことになっていたのだが、見るとダートのようであり、夕暮れの時刻なのと既に疲労感が高まっていたこともあり、ここは安全策で元の県道をそのまま進むことになった。
 最後は県道176・156で宝積寺駅に向かい、駅近くで車のデポ地に向かう浦野さんとお別れし、17時56分に宝積寺駅にゴール!ギリギリ暗くなる前に走り終えたが、一息ついたらもう真っ暗になった。宝積寺駅舎と駅前の「ちょっ蔵広場」は隈研吾氏設計で、今朝輪行で宝積寺駅を利用した浦野さんから「大谷石と木材を用いた素晴らしい建築だ」ということを聞いていたので、最後の見学ポイントとして楽しみにしていたのだが、今日はもう暗いしバテバテなので残念ながらまたの機会に。汗だくなので着替えたいが、トイレが近くに見当たらない。gokiさんが駅構内に入って駅員さんに聞いて探し回って下さったのだが、もう閉まってしまったのかやはり見つからない。ダズは探し回る気力がもう無くて、ちょっ蔵広場の建物の裏手が真っ暗だから大丈夫でしょう、ということで、結局は二人とも野外でパンツまで履き替えて、一応さっぱりしてから帰路についた。

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夕暮れの宝積寺駅に到着

【浦野コメント】真岡駅の駅舎や保存車両は一見の価値あり。屋内の展示車両は開館前で見学できず残念。益子の街並みを素通りしてしまったのもやや心残りなので、今度はゆっくり焼物を見物してみたいものだ(とは言っても焼物の良さは分からないけど)。午前中頑張って走ったおかげで真岡鐡道の茂木駅でSLの到着場面と、終着駅ならではの転回風景(の一部)を見学でき、大変お得な気分を味わえた。夕方に立ち寄った龍門の滝は思いがけず迫力のある滝でこちらも一見の価値あり。

【Gコメント】まだ残暑。直射はほとんど無かったですが、蒸し暑くてまいりました。しかし、ポイント盛りだくさんで、SLにも会えて、主に田園地帯を進む楽しいランでした。少し距離が長かったのは反省。


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