ショートレポート: 夏ラン 乗鞍

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畳平をバックに
by G(投稿日:24 Sep 2022)

Map, Click to Expand 日程:2022/8/20(土)~ 8/21(日)
参加:G(計画)
コース:=松本→乗鞍→松本= (125km - 9.4h)

 ツーリング記録 参照
メモ:
 先日の蓼科ランに味をしめて、夏でも高い所を走れば暑くないと、松本泊を拠点とする二日のソロランを計画。しかし、どうにも天気が折り合わず、夏休みの最後に一日だけのランとなった。
 乗鞍はスカイラインを岐阜側に降りるのが宿題になっているので、この機会に合わせて安房峠で戻ってくるコースとした。雨で濡れることも予想されたため、防水リュックに着替えをつめて駅ロッカーに置いておく作戦。


1日目:8/20(土) =松本(移動日)
 参加:G
 宿泊:ホテル飯田屋(TEL:0263-32-0027)
 天気:曇り後雨

*虹の出迎え
 初日は移動日。昼に曇りの御殿場を出発。松本に近づくと雨が降ってきた。しかし、駅を降りると、二重の虹に出迎えられ、幸先良いかも。宿は駅前すぐなので、霧雨の中押していく。
 周辺を回って、結局一番近くのラーメン屋で夕食。買出し後ホテルで少し食べる。明日は雨雲が南下して、天気は悪くなさそうだ。シャワーを浴びて、10時前に寝た。

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松本駅前で虹

2日目:8/21(日) 松本→乗鞍→松本=
 参加:G
 天気:曇り時々晴れ、一時雨
 距離:125.2km
 獲得標高:2400m(=2630-230補正)
 走行時間:9h25min


<ランの状況> 本番の二日目は、雨雲が南下したので、ぎりぎり持ってくれるかも知れない天気。
 前半。奈川渡ダム、観光センター、と順調に高度を稼いで、大休止。ここから過去に走っているエコーラインの約1250mの上り。位ヶ原山荘の手前で小雨にあったが、それ以外は予報に比べればまあまあの天気の中、ピークのバス停まで上りきることができた。最終のゲートのところで、岐阜県側に降りれないと言われて、何でと思ったが、畳平の駐車場にも人影が無く、水も食料もほぼ切れていたので、スカイラインを降りるのは断念。エコーラインで松本へ戻ることにした。
 後半。少し降って、位ヶ原山荘でコーヒー休憩。この先から結構な雨に会う。約1000m降って観光センターで大休止。荷物に雨が染みてしまった。水分補給とトイレの間に小降りになる。奈川渡ダムに出るまで、荒れて暗いトンネルは怖かった。雨が止み、坂が緩くなってからはペダリングしてスピードアップ。松本市内には割と早く入った。ここで色気を出して、松本城に寄ろうとしたところで、とんでもない土砂降りに遭ってしまった。おかげで松本駅での輪行は大変だった。

<総括> 久しぶりの乗鞍をなんとか登れたので、直近の怪我からは十分回復できていると思う。ただし、昔と比べれば大分弱っていると感じた。そして、乗鞍スカイラインが宿題のまま残ってしまったことは残念だ。(G記:2022/9/24)

*出発まで
 浦野は藤野駅から2kmほどの名倉グラウンド駐車場に車をデポして8時頃藤野駅に到着。駅前では多くのハイカーがバスを待っていた。どうやら藤野駅は陣馬山登山の拠点となっているようだ。ダズとアコ氏が乗ってきた電車も多くのハイカーでごった返していたそうだ。駅前のコイン駐車場に停めた遠藤氏も合流してあとはGokiさんを待つばかり。約束の9時半ちょっと前にGokiさんから電話があり、藤野まであと4~5kmとのこと。ほどなく、橋本駅から28km(獲得標高513m)を自走してきたGokiさんが到着。ダズから借りた花粉除けスプレーを顔に噴霧して9:40頃、藤野駅を出発した。

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藤野駅を出発

*〜富岡の棚田〜巌道峠〜久保
 まずは相模湖に流入する桂川を渡って川沿いに数km西進し、県道35号線で南下・上り始めた。都心ではすっかり散ってしまった桜もこの辺りでは満開から散り始め、といった塩梅。まだまだあちらこちらで花見を楽しめるタイミングだ。途中、新しいトンネルと旧道を選択する機会が何回かあり、田野入トンネルを回避した旧道できれいな桜の木を発見し小休止。1本の木に真っ赤な花、ピンクの花、白い花が混じって咲いているハイブリッド桜(?)で、みんなで珍しがった。

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ハイブリッド桜?の前で

 さらに南下し富岡の棚田を目指して上って行き集落に入っての道を逡巡していると、たまたま通りかかった軽トラのおじさんに「棚田行くならこっち(上)だよ。google mapで見たの?田んぼに水張るのはGWなのでまだ水張ってないんだ。自分の息子がGoogleにいるんだ。。。」と話しかけられた。先へ行くと集落の一番高い所に到着。Gokiさん曰く「地図では勾配が分からないから下から見上げるんだと思っていたけど、上から見下ろすんだな」。案内板に従いちょっと先の富岡弥陀三尊種子板碑(トミオカミダサンゾンシュジイタビ)という県指定文化財をちょこっと見学。なんでも阿弥陀如来と観音・勢至両菩薩が梵字(ボンジ)で表現されているそうな(なんのことだかよく分かりませんが)。

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富岡の棚田 | 富岡弥陀三尊種子板碑の説明板(本体は小屋の中に見えた)

 棚田を観終わり出発するとほどなく道が完全に塞がれた。電気ショック付の獣害予防柵が設置されていたのだが、鍵がかかっているわけではなく、無事通過できた。

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獣害予防柵を出る

 川沿いに安寺沢林道を順調に上って行くが、GokiさんがGoogleマップで目星をつけていた安寺沢の郷倉は見つからずじまい。巌道峠は最後の数kmがきつく、皆ペースが落ちた。花粉除けスプレーの効果も既に切れ鼻水が止まらないまま、11:50に巌道峠に到着。少し遅れた遠藤氏はややバテ気味か。

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中盤のきついところ | 上に来て少し緩くなった
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巌道峠に到着 | 少し先から道志、富士山?を眺める

 しばし休憩した後12:15に峠を出発し国道413(道志みち)まで一気に下った。交通量の多い道志みちを少し東進したらすぐ久保の吊り橋に到着。下を流れる道志川までかなり高さのある鉄製吊り橋で、5人で渡ると結構スリリングだった。

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道志道に合流 | 久保吊橋

 道志みち沿いのレストランたんぽぽには12:42着。他にお客さんはいなかったがおじさん一人で切り盛りしていたこともあり、ポークソテー定食3つとオムライス2つがなかなか出てこない。待ちくたびれたアコ氏はお昼寝モードに突入していた。ようやく出てきた食事は味、ボリューム共に満足できるもので美味しくいただいた。食事中ひっきりなしに通る車とバイクの音がやかましかったが、風に乗って時々窓から入り込んでくる桜の花びらが風流な昼のひと時であった。

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たんぽぽにて昼食 | たんぽぽ外観(オリンピックのぼりに、CYCLING "L"OAD RACEはご愛嬌) 

*〜道志ダム〜エコビレッジ〜藤野
 14:00たんぽぽを出発するとすぐに野原吊り橋に到着。こちらの踏み板は木製で久保の吊り橋とは異なる趣だ。こちらも5人で往復してスリルを楽しんだあと、相変わらず交通量の多い道志みちを7kmほど走り、青根から県道76号へ入った。道志ダムから綱子(ツナゴ)トンネル手前の分岐まで100m強の上りでは、トップを爆走するアコ氏の後ろをGokiさん、ダズ、浦野が必死でついて行く構図となった。トンネル手前で遠藤氏を待つ間、「(アコ氏が頼んだ)オムライスのパワーは凄いね」、「それにしては遠藤はオムライスの効果があまり出ていないね」、「アコ氏はプラス昼寝パワーもあったからね」などとしばし談笑。

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道志道 | 野原吊橋

 綱子トンネルを抜け14:55にこれまたGoogleマップでGokiさんが見つけた廃材エコヴィレッジゆるゆるに到着。見学会は月に一度とのことで内部の見学は叶わなかったが、外から見えるだけでも空き瓶を埋め込んだコンクリート壁など、廃材の再利用感が感じられる建物だった。調べてみると、2013年から始まったこのプロジェクトは廃材を使って限界集落の廃工場をリノベーションした施設とのこと。地域活性化も兼ねたコミュニティスペースを目指しているそうだ。上述の「空き瓶埋め込み壁」は「さまざまなガラス瓶をステンドグラスのように取り付けた窓」として紹介されていた。

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廃材エコヴィレッジゆるゆるの裏側

 エコヴィレッジゆるゆるを15:00に出発して間もなく、道路崩落による通行止めに遭遇。「道路が動いています」というコピーが目新しかったが自転車なら通れるだろうと柵を乗り越え先に進んだ。崩落現場は改修工事中だったが日曜でもあり無人だったので、自己責任でそのまま通らせてもらった。県道517へ向かう途中で道が少し上り始めたところで、ミスコースしたみたいけど繋がってるからいいかとGokiさん。ピークで十一面観音という立て看板を見つけ、休憩がてら見学した。

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山中の道(道路が動いている現場) | 桜でまた止まる(藤野さつき学園前)
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十一面観音で休憩(良く見えなかった)、遠藤は脚が痙攣気味で体まで振動

 浦野メモによると15:21に十一面観音を出発し3分後の15:24、県道517号に合流する少し手前でのできごとだった。Gokiさんに続いて二番手で下っていたダズが「ストーップー」と叫び、停車。何事かと停まってみると、先頭を下っていたGokiさんが左ヘアピンカーブを出た所の真ん中に倒れていた。一目でただならぬ転倒だと分かった。意識はあるようだが動けない様子。「少しこのままで・・・」とか細い声で言っているのが聞き取れた。時間にして1~2分だっただろうか?ようやく立ち上がり怪我の様子を確かめてみると、転倒の際左肩を強打したようで腕が上がらない。半袖だった左腕は広く擦り傷になっている。水で洗い流しはしたものの、誰も消毒液は持っていなかった。ご本人は全身かなり痛そうだったが、見た目には左腕の擦り傷以外は異常なさそうに見えた。転倒の瞬間を目撃したダズによると、左肩から落ちたが頭は打っていないと思うとのこと(実際には、肋骨2本の骨折に加えレッグウォーマーで隠されていた左膝は縫合したというのは翌日のご本人報告)。

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転倒したG、体が滑らなかったので目立つ外傷は左腕だけだったが...

 ご本人がまだ立ち上がれていない間、自転車のダメージはと調べてみると、フレームダメージはなさそうだしパンクもしていない。チェーンが外れていた以外に目立ったダメージといえば右STIレバー(Tiagra)のカバーが壊れていたことくらいだ(その他にも塗装のハゲくらいはあったかも)。幸い、ブレーキ・ギアチェンジ共に機能は維持されており、とりあえず走るうえでは支障ない状態だった。今日は車が2台あるのでいざとなったらどちらかが御殿場まで送っていくことも可能だ。藤野駅まで残り4~5km地点ということもありGokiさんにはここで休んでいてもらって車で迎えに来る手もあったが、自走できるとのことだったのでまずは全員で藤野駅まで戻ることになった。痛手を負っていてもさすがはGokiさん、いつものペースで駅まで走り抜け16時前に藤野駅に到着した。

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藤野駅に戻ってきた
*解散後
 浦野のリーフと遠藤氏のフィット、一見リーフの方が広そうだがセンタータンクレイアウトのフィット車内は広大で輪行袋2つを余裕で積載できたため、遠藤氏が御殿場まで送っていくことになり、17時前には解散となった。Gokiさんは遠藤氏の車で18:35に無事帰宅されたとの連絡あり(遠藤くん、ご苦労様でした)。その他の面々もそれぞれ帰宅連絡があり、大変な一日がようやく終わった。Gokiさん、ゆっくり静養してください。


関連リンク:
 1993年 マウンテンサイクリング in 乗鞍
 2020年 乗鞍高原ツアー
 2021年 乗鞍単独ラン